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絡新婦の理 文庫版(講談社文庫)

  • 出版社:講談社
  • レーベル:講談社文庫
  • サイズ:15cm/1389p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-06-273535-0

絡新婦の理 文庫版 (講談社文庫)

京極 夏彦 (著)

  • 全体の評価 53件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,40039pt
  • 発行年月:2002.9
  • 発送可能日:24時間
  • 文庫

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ユーザーレビュー- 「絡新婦の理 文庫版」

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2011/09/11 11:05

蜘蛛が付く題名ですぐに思い浮かぶ小説といえば芥川の『蜘蛛の糸』、プイグの『蜘蛛女のキス』しかなかったけれど、今またひとつ増えました。

投稿者:ぶにゃ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 
 「あなたが――蜘蛛だったのですね」

 この冒頭の一行から引き込まれてしまった。いや、引きずり込まれてしまった、と言ったほうが正確か。
 何に?
 ――蜘蛛に。哀しい宿命を負って生まれてきてしまった、美しい絡新婦の織りなす凄絶な物語に。

 鳥山石燕描くところの妖怪絡新婦は、それ自体が蜘蛛の巣のような、そして長い髪を後ろに束ねて巧に糸を操る女のような姿をしていて、その操られた6本の糸の先にはそれぞれ6匹の小さな蜘蛛が、火を吹いて暴れている。この蜘蛛女は何をしようとしているのか。何を絡め取ろうとしているのか。

 房総半島の漁村近くに建つ、ミッション系の女子校とその創立者の邸を主要舞台に、黒魔術や、カバラ、売春、女性解放、ジェンダーフリーなど、様々な糸が絡まりながら、次々と殺人がおこなわれてゆく。謎を解く「黒衣の拝み屋」京極堂は、いつにも増して、哀しげである。探偵榎木津は、いつもよりちょっぴり活躍して、京極堂に珍しがられていたが、悲劇を未然に防ぐことは叶わない。いちど蜘蛛の巣に捕らわれた者は、最早逃れることはできぬのだろうか。

 最後まで読み通すと、必ず、冒頭に戻って読み返したくなる。見事、としか言いようがない。

 京極堂のこのシリーズは、娘に借りて読んでいる。
「ありがとう、面白かったよ」と言ってこの分厚いサイコロ本を返すと、「でしょう?」と、嬉しそうな顔をした。そして自分の部屋からまた本を持ってきて、「ハイ、次、これ」と僕に手渡した。――『塗仏の宴 宴の支度』   
「最高傑作なんだから」と言ってニカリと笑ったその顔が、

絡新婦に見えた。

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2003/01/08 12:16

からくり三昧

投稿者:紅桜(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

京極作品中、一番からくりにあふれた作品だったと思う。文章の巧みさという点においてなら文庫化したシリーズ一だと推薦するが、これはシリーズの前作品達を読んでいないとからくりの面白さが半減してしまうだろう。

物語は結末から始まる。

桜の舞い落ちるなか、女と黒衣の男が立っている。
二人の会話には、哀しさがあふれている。
からくりをうみだした女と、からくりの中へあえて入り込んだ黒衣の男。
自分の居場所を得るためのからくりは、女に彼女自身想像し得なかったほどの哀しさを残して解き明かされた。

最初はばらばらにスタートした幾数個の事件。
刑事が関わり、探偵が関わり、元刑事が関わり、記者が関わり、小説家が関わり、
黒衣の男が関わり……。
そして過去幾多の事件が関わって物語は展開される…。


こんな風にかかわるから過去の京極作品をもう一度読み直したりしていると、もうその世界にどっぷりとつかってしまうのだ。
この作品はできるだけ、過去のシリーズを読んでから読むことをお勧めする。

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2004/12/25 00:32

「絡新婦の理」を読んでみた。

投稿者:モトヲ。(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

所謂京極堂シリーズの第5作目である。が、今までの書き筋と異なっている。

まずはエピローグが、冒頭に。犯人が解かった後の、犯人との遣り取りが冒頭に来ている。これが「あぁ、悲惨な物語ではなくて悲しい物語なのだ」と思わせる。今までに無い語り口である。

次に主人公について。この京極堂シリーズの主人公は「関口」だと私は思っていた。が、違ったようである。この「絡新婦の理」には「関口」は登場しない(というのはウソであり、エピローグで辛うじて登場するが、これは登場したうちには入らないと判断する)。

「ドラエも〜ん!」と助けを求めるのが「のび太=関口」であり、その助けに応じるのが「ドラエもん=京極堂」であり、のび太無くしてドラエもん物語は語れないと思っていたのだが、この「絡新婦の理」ではのび太無しでストーリーが完結してしまう。「あぁ、主人公はやっぱり京極さんなのだな」と思った瞬間である。

第1作は衝撃的。その惰性で読んだ第2〜4作から、飛躍的に毛色が変わった第5作でありました。

一番読むべきは第1作の「姑獲鳥の夏」。次点で「魍魎の匣」。次に読むべきは第5作(本作)の「絡新婦の理」であるが、その登場人物の背景を把握するためにも第3〜4作も読んでおくべきでしょう、という感じでしょうか。結局全部じゃん。

初稿はこちら

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