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商品説明
日本を捨てたギャンブラー、ギャング元大幹部のヴェトナム系青年、そしてマオリの血が流れる白人。3人の越境者たちが、合意の略奪闘争の場たるオーストラリアのカシノで出会った! 『週刊SPA!』連載。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
森巣 博
- 略歴
- 〈森巣博〉1948年生まれ。雑誌編集者等を経て、75年、ロンドンでカシノ賭博の「常打ち」賭人を目指す。現在、オーストラリアを拠点にした国際博奕打ち。著書に「ジゴクラク」など。
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紙の本
『夢を見ること』と『祈ること』
2010/07/25 20:16
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る
(本書は、現在では集英社文庫に収められている。)
著者は、「ウィキペディア」によると「1966年都立豊多摩高校卒業後、漫画雑誌編集者や記者を経て、1971年競輪でつくった資金をもとに渡米、1973年帰国、イギリス人の妻と結婚して1975年英国移住。主夫として子育てをしつつカジノで生活費を稼ぐ。博士号取得後にオーストラリアの大学に赴任した妻とともに移住。現在はオーストラリアを本拠地に執筆活動を行っている。」
著者によると、「この作品は『事実=ファクト』と『作り話=フィクション』を合体させた『ファクション』という手法を用いて仕上げられた。 『ファクション』であるなら、著者の主張が前面に押し出されていても不思議ではなかろう、と考えたからである」ということである。
そう言われるだけあって、小説(フィクション)という形をとりながら、著者のヴィエトナム難民問題、マオリ(NZ原住民)問題、そして、民族とは何か、国境とは何かといった問題意識と考え方も随所に述べられる。
麻雀放浪紀の国際版と言ったところであろうか。 牌九(パイガオ)というゲームのルールはなかなか難解だが、それにもかかわらず、本書は文句なしに面白い。
随所で「『夢を見ること』と『祈ること』は、人間の特権だ。そもそも人間のこの二つの特権が集中し凝縮して存在し、かつ、その行使と実践が可能な場所として、わたしはカシノを好むのである」という著者の哲学が述べられる。