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紙の本
シェエラザード 上 (講談社文庫)
著者 浅田 次郎 (著)
金塊を積んだ沈没船が我々を夢へと誘う 昭和20年、嵐の台湾沖で、2300人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸(みろくまる)。その引き揚げ話を持ち込まれた者...
シェエラザード 上 (講談社文庫)
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商品説明
金塊を積んだ沈没船が我々を夢へと誘う
昭和20年、嵐の台湾沖で、2300人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸(みろくまる)。その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていく――。いったいこの船の本当の正体は何なのか。それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。日本人の尊厳を問う感動巨編。
【商品解説】
目次
- 総統の密使
- 昭和二十年三月
- 黒衣の女
- 密航者
- 臆病者の末路
- 決断
- 栄光の船出
- 帝王の家
- 獅子の都
- 喪われた時間
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紙の本
半世紀経ても、尚尽きぬ思い
2003/01/07 23:41
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:菖蒲 - この投稿者のレビュー一覧を見る
台湾領海に沈む豪華客船、弥勒丸
かつて日本とサンフランシスコを結ぶ、世界一の豪華客船として就航するはずだった
彼女の運命を変えたのは戦争だった
しかし、酷な運命は2千人の命と大量の近海ともに彼女を海に沈めてしまう
約半世紀たった時代に弥勒丸を引き上げようとするものが現れる
そのためには主人公達の力が不可欠だったのだ
物語の始め弥勒丸を引き上げる過程が描かれる思っていたが、違った
ここで大切なのは弥勒丸を引き上げるという事実
それだけが大切だったのだ
その事実に少しがっかりもした
しかしそこに取り巻く様々な人の様々な思い
遣り残したことがあるのだという自責の念がこの作品を動かす原動力となる
浅田氏の作品は、蒼穹の昴、始め数作読んでいるがこの作品はいつもの浅田節が
十分に発揮されていないように思われる
なぜなら、弥勒丸を背景に、現代の主人公とその元恋人の再会を描いているのだが、
どうも作品の重点がばらばらで、まとまらない
さらに、その元恋人を弥勒丸に例える際も、少し強引な気がしてならない
よって重点がばらばらになり、女を船と重ね合わせるのが、ぎこちなくなってしまう
今度会う浅田氏の作品では、いつもの浅田節を取り戻してもらいたい
紙の本
好きだからこそ苦言を呈したい
2003/01/16 20:17
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごんだぬき - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は浅田次郎氏の作品が好きである。新刊が出れば必ず目を通している。
だからこそ、今回も迷わず購入したのだが。
………
どうにも首を傾げてしまった。
それは
1.テーマの繰り返し
2.キャラの重複
3.構成のマンネリ
とでも言おうか。
何も知らずに最初にこの作品を読んだならば、それになりに良い作品だと
感じたに違いない。しかし、実際には他の作品も多く読んでいただけに、
上記のようなことを感じてしまった。
以前から同じテーマやモチーフが短編長編を問わず何度も繰り返されて
いることに気にはなっていた(義理の父と息子といったテーマなど)。ただ、
同一作家の作品だけにしかたがないのかもしれない、とも思っていた。
しかしキャラの重なりには無言になってしまった。女主人公はやや異なる
とはいっても、別の作品に出てきた女性とほとんど同じ設定である。
加えて、過去と現在を交互に描くという構成もさすがに、これだけ
読むと正直「別の構成のものも読みたい」と思ってしまう。
また話が壮大であるせいか、過去はともかく現在の部分がしっくりと
なじんでいないような気もする。
浅田氏のファンであるがゆえに、今回の「シェエラザード」については
辛口にならざるをえない。
読者のわがままなのかもしれないが、もっともっと新しい、もっともっと
いろいろな「浅田作品」を読んでみたい。
……これはやはり単なるわがままにすぎないのだろうか?