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バルザックとこだわりフランス ちょっといい旅

  • 出版社:恒星出版
  • サイズ:19cm/389p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-907856-18-0

バルザックとこだわりフランス ちょっといい旅 (カルチャーフロンティアシリーズ)

柏木 隆雄 (編)

  • 全体の評価 41件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,68048pt
  • 発行年月:2003.3
  • 発送可能日:1~3日

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商品説明- 「バルザックとこだわりフランス ちょっといい旅」

「人間喜劇」の王国フランスへようこそ。バルザックを知らない人でも迷わず理解できる作品紹介と物語解説、従来のガイド・ブックにない親切な記述、パリの街歩きを楽しめる詳細ルートマップ付きなど、画期的フランス新ガイド。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「バルザックとこだわりフランス ちょっといい旅」

柏木 隆雄

略歴
〈柏木隆雄〉1944年生まれ。現在、大阪大学教授。著書に「バルザック「独身者三部作論」」「幻想文学の東西」ほか。

関連キーワード- 「バルザックとこだわりフランス ちょっといい旅」

ユーザーレビュー- 「バルザックとこだわりフランス ちょっといい旅」

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2003/06/25 20:24

他の作家が作品の舞台に選んだ土地を訪れるのとはわけが違う。「人間喜劇」はライブだ。

投稿者:こたにりこ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

どこか一行書きもらしたら、途端にがたが来そうだ。あちこちがたぴし言っている。でも、どこもかしこも読み逃せない。バルザックの小説をめくった時、これを書き抜いた男の、とてつもないエネルギーの仕業を思った。異様な熱気、作者の執着心が、小説にぐるぐると渦を巻いているのを見た。

そんな作品群が生まれてから、だいたい200年ほどの時が経った。今、オノレ・ド・バルザックの魅力はどこまで通用するだろう。圧倒的な面白さは永遠に不滅です! という半面、告白すると、最近まで苦手だった。理由は、くさいから。文章がかなりねちっこく、脂ぎった印象を受ける。作品舞台、情景の描写が長々と続くため、説明臭が気にかかる。
しかし、どのページも、どの一行も読み飛ばすことはできないように書かれている。だから、ちょっとの間、「くさいなぁ」「まだかなぁ」と鼻をつまみながらもちこたえ、話が進み出すと「ふぅ」。その、鼻をつまんでいる間に、重大な読み落としがあったようだ。

バルザックは、作品舞台となる地方の特性をねっちりと練り描きこみ、その土地に最もふさわしい人物を配置していた。細かい時には、一本一本の通りまで性質を書き分けるこだわりよう。その必然性を読み取らないことには、作品の面白さも半減してしまうのである。
本書の旅は、他の作家が作品の舞台に選んだ土地を訪れるのとはわけが違う。作品の核となる部分に迫る作業に他ならない。
もともと劇作家を志望していたバルザックは、小説家に転向することで、生のフランス全土を(たまに国外も)舞台におさめた。セットじゃない、生きたフランスに登場人物は立ち、演劇並みに激烈な人生を生き抜く。「人間喜劇」はライブだ。それを追いかけてフランスへ飛ぶのは、まさに時間を超えた旅である。

たとえば、『谷間の百合』。本書では、ロワール川のほとりに優しく盛り上がる美しい丘に、モルソフ夫人の胸の谷間のイメージが重ねられている? 私は、優美な曲線を描いて輝く二つの肩を想像したけれど。モルソフ夫人の肌の白さは、まさに「百合」を連想させる。この自然豊かな地方、母なる大地に、主人公の恋人兼母親役である彼女を連れてきたのは、実に巧い。
この「土地と人物」のラインにひとたび着目すると、急に小説全体が新たな魅力を放ち出すのである。考えてみれば、夫人がフランス人なのに対して、ライバルがイギリス式の恋愛で攻めこみ男を陥落させる展開も、意味深ではないだろうか。
作品と、その舞台となった土地との間には、「これを絶ったら意味を成さない」くらいの密なつながりが存在する。フランスとバルザックのしあわせな結びつきを理解した時こそ、物語は正しく立ち上がってくる。

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