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砂の女 改版(新潮文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.1 655件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.3
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/276p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-112115-X
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

砂の女 改版 (新潮文庫)

著者 安部 公房 (著)

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そし...

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砂の女 改版 (新潮文庫)

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新潮文庫の100冊 2016 109巻セット

新潮文庫の100冊 2016 109巻セット

  • 税込価格:64,368596pt
  • 発送可能日:購入できません

商品説明

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに、人間存在の象徴的な姿を追求した書き下ろし長編。20数ヶ国語に翻訳された名作。【「BOOK」データベースの商品解説】

【読売文学賞小説賞(第14回)】【「TRC MARC」の商品解説】

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みんなのレビュー655件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

現代社会を鋭く描いたシュルレアリスム文学/戦後文学の金字塔『砂の女』

2009/02/06 19:59

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:鯖カレー - この投稿者のレビュー一覧を見る

昆虫採集が好きな男が、珍しいハンミョウを求めて電車に乗り、たどり着いた広大な砂丘。男はそこの変わった住人に、一人の女と一緒に砂の穴に閉じ込められてしまう。過酷な生活を徐々に体に馴らしながら生活を営むが、やがて男は何度も脱出を試みる。果たして、男は「砂」から逃れることが出来るのだろうか……
1962年に発表され後に海外でも多数翻訳されており、翌年には読売文学賞、68年にはフランスで最優秀外国文学賞を受賞しているこの安部公房の小説。
砂の流れる生き物のような奇妙な性質を持つ物質、そこにひきよせられるハンミョウ。
穴の中で社会の歯車として生きる女、それに反発し穴からの脱出を試みる男。
この小説には無駄な比喩など何一つなく、全てがこの現代社会を映す鏡となっており、様々なことに対し問いかけをしている。

穴の中という狭いながらも、現代社会を濃縮した空間で、必死に生きる二人の人間の姿を冷静に描きながら時代を鋭く読み取った、超現実的作品。
日本文学戦後派の金字塔。

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紙の本

若い日に読んだ「砂の女」を40年後に読み返してみて

2009/09/08 02:50

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る

 小学生のときに「魔法のパイプ」という物語がラジオで放送され夢中になって聞いた。面白かった。べらぼうに面白かったが、安部公房という作者はその名前の響きから、もう70過ぎのおじいさんだと勝手に思い込んでいた。もうすぐ死ぬだろうからこんな面白いのを書く人がいなくなると残念だなと思った。
 それが高校生のときに、国語の教科書の「赤い繭」で再会し、びっくりした。若いバリバリの作家だったのだ。以後、安部公房の作品を夢中になって読んだ。それだけ「赤い繭」に大きな衝撃を受けたのだった。

 そして「砂の女」も読んだ。当時どんな感想を持ったかは定かには覚えてないが、たぶんこの砂の中に閉じ込められた生活は現実にはない砂のすり鉢の底だけど、見ようによったら現実の我々の生きている世界そのものだと思ったと思う。
 
 そして40年後、今も多くの若い人たちがこの本を読んでいることに、はじめは何か意外な感じがしたのだが、それはむしろ当然のことだったのかも知れない。昭和30年代、40年代というのは共産主義、社会主義と結びつけて安部公房の本が読まれていた雰囲気があったように思う。(これは私の思い込みだったのかも知れないが。)ソビエト連邦が崩壊して18年、時代の雰囲気は変わってきたのだが安部公房の本は時代を超えて読まれている。時代を超えてひきつけるものがあるのだろう。

 今思うに、「砂の女」のテーマは遠く2000年以上の昔にインドでも考察されていたことだと思う。仏教経典にすでにこのテーマを扱っているものはあるのだ。もちろん砂の穴の中というわけではないが、人間の日常の生活をどう捉えるかということにおいて、このテーマはいつの時代も気になるテーマだったのだろう。
 これを踏まえてどう生きるかが次のテーマとして当然あがって来る。小説「不落樽号の旅」は、その次のテーマを扱っているのか、それとも根本的に日常生活の捉え方を「砂の女」とは別にしているのか定かでないが、砂の女とともに気になる作品だ。不落樽号旅

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紙の本

欲望と砂漠

2004/09/21 00:08

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:脇博道 - この投稿者のレビュー一覧を見る

と書評タイトルを書いて、あれ?これではアントニオーニの映画の
タイトルが2つ並んだだけではないかと思いつつもほかに思い浮か
ばないので、とにかくこれでよしとして(勝手に決めるな!)この
不毛きわまりない小説を読んだ率直な感想を記述するとすればミニ
マルな不条理で充満しているというほかないのであるがさりとて笑
いを誘発するこれといった情景も特には見当たらないのであるが主
人公が砂のバンクを登っても登っても滑りおちてしまう事は突発的
な思い出し笑いを誘発する情景と考えればああこの小説はあまりの
救いのなさに全編笑いの連続と考えれば現代の不条理のアレゴリー
に満ちた小説などという紋切り型の解釈など一気にぶっ飛んでしま
うわけであるし仮にこの主人公(男性)と副主人公(女性)を置換
したとすればおそるべき犯罪小説に変化してしまうのではないかな
どという埒もあかない空想にふけったりするのもこの小説のあまり
にダルな雰囲気のせいにしてもそのような事を考える罪は勿論読者
たる私にあるのであって小説自体にはなんの責任もない事は自明の
事ではあるがしかしなんと巧妙に仕組まれたプロットであると今さ
らながら感じるのはこういうわけであるどういうわけかというとこ
のような事態におちいった場合主人公の行動パターンにはいささか
の意外性があるはずもなく大抵の人間が9割9分このような行動を
とるのではないかという慨然性に裏打ちされてはいるのだがむしろ
意外で不可解な行動をとるのは副主人公たる女性のほうであってこ
の小説にはフェミニズム的視点なぞ微塵も存在してはいないがアマ
ゾネス的視点は充満している感があり国内はもとより海外において
も日本文学研究の題材として多く使用されているという事実はもし
かしたら大谷崎の春琴抄と好一対の題材として存在してるのではな
いかという突拍子もない考えにも至るわけではあるがとにかく砂漠
のクレーターは人間にとって最もてごわい事物のひとつであるとい
う認識をいやというほど味あわせてくれる唯一無比の小説であるこ
とだけは微塵の疑いもない事実である。

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紙の本

現代文学の金字塔

2006/01/21 22:34

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶんこずき - この投稿者のレビュー一覧を見る

 現代文学の金字塔とも言うべき一冊です。
 ぜひ一読されることをおすすめします。
 ある日、突然不条理な世界に放り込まれたとしたならば、そしてその不条理な世界からの脱出とあきらめと・・・
 日常の何気ないことが非日常の世界のなかから垣間見ることのできる一条の光だとすれば、そしてそのなにかしらの目標が、生きることへの喜びとつながっていったのではないか。
 安部公房の非現実の世界へどうぞ。

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砂の女

2001/09/26 17:36

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゲップ6号 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 傑作である。安部公房はこの作品により世界的に有名になった。作品は男が砂を吐き出さなくては埋れてしまう村に閉じ込められてしまい、女といっしょに暮していくという筋だが。そこには実存的で実験的な思想が盛りこまれ、作品を豊饒なものとしている。

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非日常的世界をリアルに描いた小説

2000/08/15 22:10

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:伊藤克 - この投稿者のレビュー一覧を見る

阿部公房の作品にしては、比較的読みやすい内容である。
(阿部公房には難しい作品が多い)
今まで知らなかったのであるが、この作品は阿部公房の処女作であるらしい。
この作品(砂の女)は、海岸沿いの”砂の町”に昆虫取りにきた主人公が、逆に“砂の町”に捕獲(この言葉が一番ふさわしいと私は思う)され、逃げ出す事ができなくなってしまう様を描いた小説である。
現実にはあり得ない出来事の中に、あり得るかも知れない人の心を埋め込むのは阿部公房の得意とするところであろう。
登場人物、人は限定されているのが彼の作風であるが、その中に、凝縮された人間模様が織り込まれている。
昨日までの現実に執着しようとする主人公、全体主義を守る為に(という名目で)個人を切り捨てる事のできる村人、非日常の中での男女関係。
(作者の、砂に対する執着がどこからくるのかは、この小説を読んだだけでは理解できなかった)
この物語の主人公(の一人)である“砂の女”が、そのひとときを、幸せと思ったか、不幸と思ったかは、作者を含めた第三者の預かり知らない事である。
現在、あたりまえの様にいわれている”勝ち組/負け組み”という安っぽい価値観では測れない、名状しがたい人の感情について、是非この作品を読んで考えてもらいたい。

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社会のすべての組織は,’砂穴’!?

2016/01/31 14:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けんたん - この投稿者のレビュー一覧を見る

『砂の女』というタイトルですが,主人公は男性です。
昆虫採集に行った学校教師が,砂穴に閉じ込められ奴隷労働を強いられます。
やがて,その砂穴に住んでいた女との生活に順応していきます。
読んでいるうちに,社会のすべての会社や役所その他の組織も,砂穴のようなものだと気付かされます。

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ノドがカラカラ

2014/08/06 14:55

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る

昆虫採集に来た男が、砂にまみれた村で村人の罠にかかり、大きなアリ地獄のような砂穴の底に落とされます。そこには、砂に埋もれそうな「あばら家」が一軒だけあり、三十路の女がひとり住んでいました・・・。という話。

砂で口や鼻腔が乾き、全身が火脹れしそうな雰囲気と息苦しさ、何とも言えない淫靡さが漂います。

岸田今日子さんで映画化されたのを見た記憶はあるのだが、すっかり内容は忘れてしまっていました。

最後、ある時点を境に、急に尻すぼみで終わりなのが残念(まあ、男の変化を表しているのですが・・・)、もうひと捻り欲しかったところ。

だが、面白いことは間違いないので、未読の若人諸君は是非一読を。星4。

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不思議な感覚

2002/06/12 16:23

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みっつ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「8月のある日、男が一人行方不明になった。」で始まる、砂の穴に閉じ込められた男の物語。昆虫採集・砂の穴・抵抗もせず砂の穴に居続ける女・陥れる老人。読み始めて、得たいの知れない世界にひきづりこまれたような気分になった。この話はいったいどうなってしまうのかともおもった。感想としてはあっさりした文章のなかに、うまいこと書くな〜と思った。砂の感じがまるで読み手にまで伝わってくるようで、その嫌悪感に何度か顔をゆがめてしまうくらいだった。
 男は脱出をこころみる。思わず「逃げて〜」と興奮してしまう。しかし逃げられない。結局7年後失踪者となる。そこまで思ったのに、逃げれなかったことに対しての喪失感みたいなものを感じないのが不思議だ。なぜだろう。
最初から最後まで不思議な感覚にとりつかれる本だった。
そういった意味で、すごい作品だとおもう。

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砂、砂、砂…。

2015/09/07 20:09

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投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る

何が普通じゃないのかって、「砂が、ずーーっとある」それだけ。

それだけのことを、こんなに不気味な日常化してしまうのがこの作者の手腕なのです。
高校生のころに初めて読んで、終始まとわりつくモチーフ手法にはまりました。
他の作品でも、ある物(物体・空間だとしてもごく一部)がドラマを握る鍵とまでいかずに
居続ける描写がみられます。

わたしは好きです。 
恐怖というより、そこまでの非現実さを読者に想像させる手腕がすばらしいと思う。

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明るい不条理。

2002/07/26 18:15

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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 昆虫採集に出かけた男が、砂に覆われた部落に捕らわれの身となる。砂の家には女がいた。男は脱出しようと試みるが、なかなか上手くいかない。だが、ある時好機が訪れる……。
 日常にはありえない世界を現実的に描いた不条理劇だが、明るい仕上がりである。純文学とはいっても読みやすい。人間は苦境に陥った時、そこから解放されようとするが、苦境の中に居場所を見つけた人間は、苦境を住み良い世界にしようとするものなのかもしれない。

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シュールな絵画

2002/05/11 23:26

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投稿者:ゴンス - この投稿者のレビュー一覧を見る

『砂の女』というタイトルにはどこか蠱惑的な響きがある。コケティッシュな匂いがする。シュールな香りが漂っている。見てはならないものを木陰からそっと眺めているような気がする。それは例えば全裸の女性が砂にまみれている姿。それは例えば夜な夜な誰もいない公園で砂を口しているグロテスクな女性。それは例えば砂場に埋もれた女性の死体。それは例えば砂場に全裸のまま仰向けになって「ああ、冷たい」と小声漏らす傷を負った女性——そのどれもがあまり日本的な情景とは言えない。そう、言うなれば『砂の女』はシュールレアリスムの絵画なのである。読んではならないのである。
確かに、多くの識者が言うように『砂の女』にはある種の回帰願望もあるのかもしれない。奇しくも本書が刊行されて間もなく、江藤淳が『成熟と喪失』で母の崩壊を謳い、以来、それはあらゆるジャンルで一人歩きするようになった。従って時代意識としても本書はその象徴であったのかもしれない。砂の穴は母という自然への回帰であった、と。
 しかし、繰り返すが本書は読み物ではない。鑑賞するものなのである。
 昔、小学生の頃だったか、かの有名なルネ・マグリットの『恋人たち』を観たことがある。怖かった。迫ってきた。二人の顔は布で覆われているが、まるで僕を見ているようでもあった。『砂の女』もそれと同様に、読者と書物が相互に向き合う一種の絵画なのである。

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汗の臭いと砂埃

2001/05/30 12:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:川原 いづみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 新種の昆虫を発見しようと、ある砂丘を訪れた男。そこで砂に埋もれかけた一軒家に男は閉じ込められてしまう。
 読みはじめてしばらくして感じたのは、文章のセンテンスの区切りがきれいだなって事。あと、ことばのちりばめ方。ひとつひとつがぴたりと文章にはまっているとも感じた。本を読んでいて、そんなふうに思う事はあまりないのだけど。ひらがなと漢字のニュアンスっていうのかな…。
 読み終わって残ったのは、埃と汗の臭い、べたつき、それと砂の存在感。かすかに後をひく筋肉痛みたいなけだるさ。
 男は知性を持ちつつも、動物としての人間臭さぷんぷん。一軒家の主である女も、受け身なだけのぱっとしない、垢抜けない人間。「俗」なんだな。そんな女と一緒に閉じ込められて、他人として距離を保とうとする男の、すれすれのその視線はすごく粘っこい。目を背けてしまいたくなってしまう。
 何もしなければ、どんどん砂に埋もれていってしまう家、腐りかけた、大した価値もないように見える家。それを守るために毎日黙々と砂をかきだし続ける女と、その作業に意味などないと言い、ひたすら逃げようとする男。結婚生活というか、日々の雑用というか、食べるために生きるために、生涯逃れる事のできないものたち。いろんな事を想像してしまう。あー、なんだか気だるくなってきちゃうなぁ。
 ちょっと驚いたのが、そんな日々から男が脱出しようと試みるくだり。そこでしっかりとサスペンスしていた事でした。そうか、これってサスペンス小説だったのね。
<初読:99/04/08>

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斜な楽しみ

2001/03/22 16:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:がくし - この投稿者のレビュー一覧を見る

 昆虫採集に行き、砂の穴に閉じ込められた(笑)中学教師が、穴に住む女と共同生活を強いられる、という話。カフカをはじめとして、こういう、設定が不条理で、その一点以外、変哲ない日常を書く話には、純文学というレッテルに似合わない、本の面白さがあります。
 教師の男は、穴を脱出しようと、大真面目です。その試行錯誤は、推理小説の、鍵の掛かった部屋からどうやって犯人は消えたのか? という興味に引っ張られるのと同じように、読んでいて飽きません。しかも終盤にはきっちりと、脱出のカタルシスも用意されているのです。
 もちろん、というと後付けめいて申し訳ないのですが、現国にもとりあげられる真面目な本です。楽しむ以外に、これこれは何を意味するのだろう、とか悩むのもいいんじゃないでしょうか。

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紙の本

砂に埋もれた男が、最後に行き着いたのは…

2006/03/22 22:15

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:永遠のかけら - この投稿者のレビュー一覧を見る

怖い…。とにかく怖い。
思いがけず砂に支配される村で穴の中に閉じ込められ、逃げることすらかなわずにただ過ぎていく日々。そして積もっていく砂、砂、砂…。
この作品に強い嫌悪感を抱くのは、リアリティゆえだとわかりつつ、個人的にはこの種の怖さは苦手だ。
久しぶりに読み返してみたが、やはりこの印象はぬぐいきれない。

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