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物語における読者 新装版

  • 出版社:青土社
  • サイズ:20cm/383,13p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-7917-6033-6

物語における読者 新装版

ウンベルト・エーコ (著), 篠原 資明 (訳)

  • 全体の評価 51件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:2,94084pt
  • 発行年月:2003.4
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明- 「物語における読者 新装版」

物語のテクストは、多様で自由な「読み」に開かれているだろうか? 読者に無限の解釈を許すのだろうか? 記号・意味・テクストをめぐるさまざまな概念を精緻に定義し、物語のメカニズムを詳細に分析。93年刊の新装版。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「物語における読者 新装版」

ウンベルト・エーコ

略歴
〈エーコ〉1932年イタリア生まれ。小説「薔薇の名前」「フーコーの振り子」の作者として著名。世界的な記号論学者、作家として活躍。主著に「記号論」。

関連キーワード- 「物語における読者 新装版」

ユーザーレビュー- 「物語における読者 新装版」

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2003/07/27 23:01

作者だけが仕事をしているわけではない。むしろ、物語を完成させるのは読者かも?

投稿者:こたにりこ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

難易度高し。『薔薇の名前』で小説家デビューする前に、記号論者としてのウンベルト・エーコが著した作品だ。
物語のテクストについて「記号論的分析」というものを展開している。文章といい内容といい、まさに「学者さん」が書いた論文。さすがに気軽に読むというわけには行かない。
こういう本を読むと、エーコの小説に大量のうんちくが盛り込まれているのもしょうがないかな、あれでもおさえているつもりかもしれないな、などと思えてくる。
物語、小説を形成している文章を記号化、図式化したり、まるで数学の証明みたいなことをしたりと、私にとっては難解そのものだ。情けないことに、表面をなぞってみるだけでも頭の中がこんがらがってくるのが実情である。

だが、「これは私には読めないかも」と、匙を投げようとする時に限って、そのページに比較的分かりやすい説明が一言二言、無造作に投げ込まれている。だから、見た目ほどがちがちというわけでもなく、氷山の一角、というか、氷のひとかけらくらいは切り崩すことはできるのだ。いずれにせよ、非常にレベルの高い読み物であることにかわりはないけれど。
それだけに、読み通すことができた時には、こちらの読者レベルも確実に引き上げられている。これはとても重要なこと。物語や小説というものは、作者だけが仕事をしているわけではないからだ。むしろ、物語を完成させるのは読者かもしれない。

「テクストがテクストとして考察されるとき、それもとても広範な層に向けて構想されたテクスト(たとえば小説、政治演説、科学解説などなど)の場合、発信者と受信者は言表行為の両極としてよりは、言表の行為項的役割として、テクストに存在する」(p.96)

この指摘のシャープさは、とりわけ印象的だった。また、「モデル読者」という概念が登場し、作者と読者の共同作業でテクストが成立するという論もまことに納得の行くもの。
音楽、演劇、映画といった表現方法をとった場合、通常、受け取り側は作品の外側から鑑賞を行わなければならない。発信者と受信者との間にやりとりがあっても、お互い、両極に位置している。しかし、物語テクストの受信者(読者)は傍観者ではいられず、自らの頭の中で作品世界を再構築することになる。作品の中に、読者の役割が自動的に取り込まれているということもできるだろう。
テクストというのは不思議なものだな、とつくづく思う。見る者の目によっては、ただの文字の羅列に見えることもある。それが、同じ作品でも受信者の感度が磨かれていれば、受信者自身の感性によって奥行きを与えられ、光彩を放ち始めるのだから。

正直、少々難しい内容ではあるのだけれど、アンテナの錆を落とし、感度を高めるのに充分な本。自分が錆びてきたかなと思ったら、再び開いてみたいと思っている。

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