私はいかにして「日本信徒」となったか (PHP文庫)
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- 税込価格:520円ポイント:49pt(10%)
- 発行年月:2003.6
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ユーザーレビュー- 「私はいかにして「日本信徒」となったか」
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2003/06/21 20:28
呉善花版「半生の記」
投稿者:佐々木 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ日本でも地域が変われば生活習慣や言葉が異なり、相手に対する理解ができなかったり、異なる環境から相互に不信感を抱いたりする。これが海峡で隔たれた外国である韓国との間であれば尚更のことだろう。相互に理解を深めようと思っても速い潮流に邪魔されて、なかなか両国の溝が埋まることはない。一衣帯水といいながら、同じ中華文化圏の上位と下位の関係を意識する国と、西洋文化と経済で圧倒する国とであれば水と油の関係でしかない。これは韓国との関係だけではなく、中国との関係も同じと思う。不幸なことに容姿が同じなので、考え方や習慣までもが同じと相互に思い込んでしまっているのか、誤解は深まるばかりである。
著者の西ドイツへ渡る計画が頓挫し軍隊で訓練を重ねていた頃、トランジットパッセンジャーではあったが、西ドイツからの旅行の帰りにソウルに一泊する機会があった。ホテルのレストランではカルビ定食にビール、酒を注文し、請求書の金額を見てあまりの安さに計算間違いではないのかと驚いた事がある。テーブルから溢れんばかりの皿の多さ、たっぷりの牛肉を目にしているだけに、特別サービスと思った。
著者が日本に来て牛丼の安さに驚いているが、韓国では肉は年に何度かしか食べられないものであると知り、当時の韓国の事情を知らずにご飯のお代わりをしたり、肉を食べ残した事を二十年以上も前のことでありながら、大変申し訳なく思った。片や学業の合間のアルバイトで貯めた金で西ドイツに行き、片や西ドイツに渡る夢破れて軍隊生活を送っており、著者とは同年代であるだけに国の事情も分からずに日本と同じ環境で韓国という国を評してきていたのではなかろうかと反省している。本書を読まなければ、画一的な日韓の比較だけで終わっていただろう。
かつて、「スカートの風」を出版した後、同胞からの執拗な嫌がらせに心身ともにぼろぼろになりながらも、日本人からの励ましの手紙に救われたというのも奇妙なものである。
お互い知っているようで知らない日本と韓国の関係にひとつの風穴を開けてくれたが、著者には今後も日韓の間に横たわる海峡に橋を架ける仕事をやっていただきたいと本書読んで切に思った。







