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哀愁的東京

  • 出版社:光文社
  • サイズ:20cm/364p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-334-92404-2

哀愁的東京

重松 清 (著)

  • 全体の評価 42件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,57545pt
  • 発行年月:2003.8
  • 発送可能日:7~21日

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商品説明- 「哀愁的東京」

これが−、僕が出会い、見送ってきた「東京」。生きる哀しみを引き受けたおとなのための「絵のない絵本」。連作長篇。『小説宝石』掲載作品を再構成し、大幅な加筆を行い、書き下ろしを加えて単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「哀愁的東京」

重松 清

略歴
〈重松清〉1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経てフリーライター・作家へ。91年「ビフォア・ラン」でデビュー。「ビタミンF」で直木賞を受賞。

ユーザーレビュー- 「哀愁的東京」

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2003/10/03 21:19

この本のタイトルとなった終章のタイトルが、もとは「さよなら、トーキョー」だったと聞くと、レレレ?って杉浦茂しちゃうね、ホント

投稿者:みーちゃん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

2000年から2003年にかけて不定期に月刊誌に連載されたものに、書下ろしを加え、順序を入れ替え再構成しなおした、とある。その努力のあとは、連作の1/3が改題をしている、さらにタイトルとなる終章すら、改題されているということに現れている。この再構成を中心に、作家の心の軌跡をたどってみたい、という誘惑に駆られるほどだ。

で、重松ファンである私としては、『疾走』という重い話を、それこそ直球勝負で読まされたあとだけに、この本はどんな話になるんだろうと思っていた。ましてカバー画、MAYA MAXXという個人だかグループだかわからない人?が描いた、どうしてもサルにしけ見えない動物が投げかける視線が、全く余談を許さない。

主人公は40歳になったフリーライターの進藤宏、二年前『パパといっしょに』という絵本で有名な賞を取ったまま、あることがあって絵本を書くことができなくなった男である。そして、彼の新しい担当となったのが出版社に入って二年目の、宣伝部から児童書のセクションに異動してきた、ぷくぷく太った島本さん、以降小説ではシマちゃんと呼ばれる女性である。

自信を失った、いや、それは言い訳に過ぎなくて、自分のフリーライターという生活に慣れきってしまい、そこから一歩も出ようとしない駄目作家に、いかに新作を書かせるかが、軸にはなりそうだけれど、そう簡単な話にはならない。進藤には別居してアメリカに暮らす二歳年下の妻・朋子とあかねという娘がいる。それからは、シマちゃんとの恋愛なんて単純な構図も見えそうだけれど、そういう風にも流れていかない。

それは多分、各章を彩る登場人物たちによるのだろう。時代の寵児とまでいわれた若手の経営者、閉鎖する遊園地で働くイベント会社のピエロ、解散寸前の女性ヴォーカル・ユニット、疲れ果てた編集者、一時代を築きながら、今はヒットすら放てない作曲家、バーのカウンターでマジックを披露する女性、芽のでない写真家、年取ったSMの女王、結婚するホームレス。

全八章。「マジックミラーの国のアリス」。「遊園地円舞曲」「鋼のように、ガラスの如く(「さよなら、歌姫」)改題」。「メモリー・モーテル」。「虹の見つけ方」。「魔法を信じるかい?(「魔法使いの弟子」改題」)」。「ボウ」。「女王陛下の墓碑」。それに終章「哀愁的東京(「さよなら、トーキョー」改題)。厳密に言えば9章の構成。

ある意味、一人として現時点での勝者はいない。過去に勝った人はいる。しかし、殆どが、いや全ての人物が年齢、時代、疲労に押し流されている人間ばかりである。それがタイトルに繋がるのだろうけれど、では元の題「さよなら、トーキョー」だったらどうか、と考えると、想像もつかなくなる。そういう意味で、この大幅な加筆訂正と再構成は、不可欠のものだったのだろう。

視点が主人公のせいで、駄目男でも反発を感じないというのは、我ながら単純だと思うけれど、基本的には進藤が悪い人間ではない、ということが大きい。無論、魅力はない。ただ、彼には人の富や成功を見て、感心することはあっても、それを羨むとか、それゆえに相手を貶めようとか、そういう現代の日本人にありがちなところが、見えない。それが、少しだけ救いになる。

しかし、この話には『疾走』で見せた、挑戦的なところは微塵もない。ある意味、今までの作品からも一歩身を引いた印象だ。勿論、それは泣かせどころがない、などという小さなことを言っているのではない。ここにあるのは、殆ど冷酷に近い無関心、傍観、ではないのだろうか。そうではない、という声があがるのを承知で書こう。

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0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2004/04/23 00:53

んーなんか他人事じゃなくなってきた…。

投稿者:noriaky(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

絵本が書けなくなった絵本作家の哀愁漂う東京の日々。

小説の感想ってつくづく難しい。

あることがきっかけで絵本が書けなくなった(元)絵本作家と、彼の身辺で起こる東京でのさまざまな出来事が綴られている。

話に出てくるのは「盛り」の時期が過ぎて、落ち目になったり、人生の転機を迎えたり、人生で日の目を見ることがなかった人たちとの交流モノが多い。

はっきり言ってあんまり明るい話じゃない。

でも話の運び方がうまいのかな、ついつい引き込まれてササッと読んでしまった。

自分が40代で主人公のように、ただ、その日その日を惰性的に過ごすだけだったらイヤだなぁと思う。今年の年明け初めて年間計画ってやつを作ってみたんだけど、できることなら明るい未来に向ってシャキシャキ進んで生きたいもんだ。

…なんて、いってるけど40代になったころ、僕がもしこの文章を読んだらどんな感想をもつんだろうか?

ん〜色々ひとり問答してしまう系の本なのかもしれない。
30代が近づいてきているので、素直に夢見がちでもいられないお年頃になってまいりました!

重松清ってこういう、哀愁モノがうまいんだな。

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