- 出版社:講談社
- サイズ:20cm/196p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-06-212004-6
日曜日たち
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- 税込価格:1,365円(39pt)
- 発行年月:2003.8
- 発送可能日:7~21日
- 本
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商品説明- 「日曜日たち」
きっといつかは忘れてしまう、なのに忘れようとするほど忘れられない。ありふれていて特別な、それぞれの日曜日−。「東京」の地図の上で交差する、男と女の5ストーリーズ。連作長篇小説。『小説現代』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「日曜日たち」
吉田 修一
- 略歴
- 〈吉田修一〉1968年長崎生まれ。法政大学経営学部卒業。「最後の息子」で第84回文学界新人賞を受賞しデビュー。「パレード」で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞。
ユーザーレビュー- 「日曜日たち」
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2003/12/24 00:44
惚れたかも…
投稿者:リエイチ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉田修一を初めて読んだ。都会に生きる若者の生活が、リアルに、特別に奇をてらうこともなく、描かれていて、それが切なくて、いい味なのである。
五つの短編で構成されているが、どの短編にも登場する兄弟がいて、背景のひとつでしかなかったような兄弟が、本を読み進めていくうちに、だんだんと存在感を増してきて、最後の短編で重要な役割を果たしてくる。
そして、切ないばかりだったこの短編集の最後に、「ほっとする締め」を与えてくれるのだ。「いいなあ、吉田修一」と思った。読後のほのぼのとした感じ、久しぶりだ、こういう感動。
生きていくって、いいことばかりではない。むしろ、いやなこと、落とし穴の多い人生だ。そういう思いをしながら、でも、人は生きていく。傷はいつか癒えるし、またいいことに出会うこともある。そう思える本だ。惚れてしまったかも。吉田修一に。
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2005/01/13 08:58
日曜日に潜むモノ
投稿者:オクヤマメグミ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
たまの休日、という日曜日。何となく心が解放的になったり、のんびりしたり。そんな明るいイメージを抱く人が多いのではないだろうか。
「日曜日」から始まるタイトルの短編が5つ収められた本書には、楽しさよりも苦さや痛みを描いたものが多かった気がする。
それぞれの場面を、傍観者のように横切る謎の兄弟。
彼らの存在は一瞬連作集のような錯覚を覚えるが、あくまでも彼らは傍観者である。一瞬のつながりは持つにしても、すぐに通り過ぎる。後で思い返すと景色の片隅に居たような気がする…程度だ。
読み終えて日曜日の意味を考えてみた。
カレンダーに赤く記された世界的な休日。
それは一種のリセットボタンなのではないかと。
思い出を整理したり、何かに気付いたり、それらを次につなげるボタン。
やり直し、という大げさなものではないけれどそこにはきっかけに似たものが潜んでいる気がする。
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2003/10/21 03:56
吉田修一の小説に東京はよく似合う。
投稿者:トラキチ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は5人の男女を通して、大都会東京で生きることの辛さを語ってくれる。
彼の主人公はいたって不器用だ。
全員が過去をひきずって生きている。
不器用だからこそ同じ目線で読者も読むことが出来共感も強く出来るのだろう。
なんと言っても、2人の家出した幼い兄弟の話には泣かされる。
どの話においても、途中で登場してきて少しずつ露わになってくるのだがそれぞれの物語の主人公の心を癒す役割をはたしているのが伝わってくる。
母親を探す切ない気持ちの2人と、結構淡々と生きている各編の主人公とのコントラストが見事だ。
吉田さんの作品って“現代人の不安”を浮き彫りにして読者に提示してくれる。
特に本作は後半に行けば行くほど深みが出てきたような気がする。
1編1編は特に感動的ではないが、読み終えて良かったという読後感をもたらせてくれる作品といえよう。
特に最終章の素晴らしさは特筆ものだ。
成長した兄弟が読者にとっても“一服の清涼剤”となることがきっと吉田さんの希望なのでしょうね。
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2003/09/07 00:42
最近の若いモン
投稿者:矢野まひる(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
この人の小説はなんか居心地が悪い。でもなぜか読んでしまう。なんというかどうにもこうにも、登場人物たちのスケールが小さくて、でもみんな自分のスケールの小ささを自覚していて、その中でどうにかプライドを保とうとあがいているところにものすごくすわりの悪い形で共感してしまう。Yahoo!パーソナルズの自己紹介欄に「趣味−カフェでまったり」と書く種族のなかのはぐれものが、「これでいーんだろーか? いやいいんだよな… 他にどうしようもないし。えっと、たまにはいいことだってあるし!」と自問しつつ、最後には無理やり前向きに自分を持っていこうとしている感じである。
本書も、実際に「カフェでまったり」を趣味とする年齢層よりは、最近の若者は… って口にする世代にとって、てっとりばやく「最近の若者ってこうなのかー」とわかった気にさせてくれる一冊である。芥川賞なんかの選考委員のウケがいいのもうなづける。
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2003/12/27 23:36
自分で自分の糧になっていく・・・
投稿者:元高角三(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉田修一は、物事の始まりを描かせたら本当に上手い作家だと思う。ぎりぎりの瞬間。ああ、今からクライマックスに入るかなってところまでで、彼の話は終わることが多い。後は、読者の想像の中で物語りは進行するのだ。でもそれは裏を返すと、コロンブスの卵的発想であり、今まで、ありそうでなかった表現方法だから読者にとっては逆に新鮮に映るのだと思う。
この日曜日たちは、5つの短編小説を通じて、日曜日にまつわる(?)出来事をどこか遠くから傍観する感じで書かれた(と、思われる)後味の良い一冊だと思う(彼の作品はほとんどそんな気がするが…)。都会に生活する者たちにとって、「日曜日」は癒しの日であると同時に、退屈な毎日の延長線上にもある存在なのだ。ボクにも経験があるが、ボクは日曜日を上手く過ごすことは本当に苦手だ。大抵昼過ぎに起きて、ゴロゴロしているうちに一日が終わってしまう。だから日曜日を上手く過ごす人は、本当に生き急いでいる感じがしてならない。ボク等は自分で自分の糧になっていかなければならなくて、不安な未来と頼りない現在の群像の中に自分を押し込めていては、何の進化もしないだろうということを自らの行動で実証してしまっている節がある。
この作品のなかのサンデーピープルたちはそれぞれ孤独に、むしろ受身に描かれているが、どこか希薄な感じも否めない。ただ、心のどこかでみんなと同じ生活をしながら苛立ちや感動の瞬間がある、そんな人々の「今」を表現し続ける吉田修一の作品はボクはとても素直に読むことが出来るのだ。







