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般若心経 改版(岩波文庫)

岩波文庫honto ランキング第8位

  • 出版社:岩波書店
  • レーベル:岩波文庫
  • サイズ:15cm/236p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-00-333031-5

般若心経 改版 (岩波文庫)

中村 元 (訳註), 中村 元 (訳註), 紀野 一義 (訳註), 紀野 一義 (訳註)

  • 全体の評価 52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:67219pt
  • 発行年月:2001.1
  • 発送可能日:1~3日
  • 文庫

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ユーザーレビュー- 「般若心経 改版」

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5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2004/06/27 18:47

現代語訳つき

投稿者:明けの明星(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

般若心経はとても短いので、いろいろ注釈書などが出ている。仏教をよく知らない人にも、入門として、とっつきやすいからだろう。図書館や書店などに行くと、「般若心経」の一句一句を取り上げて、詳細な解説を付す、という本がたくさんある。
この岩波文庫のはその種の本ではないが、サンスクリット語原典から直接に訳した現代語訳がついている。これが非常に参考になる。よく考えてみれば、日本の仏教の経典は、中国語訳だ。それを漢文として昔から読んでいるのだろうと思う。そういう意味では、この原典からの現代語訳というのは、とても意義が大きいように感じる。
仏教に少しでも興味がある人にはお勧め。
それから、論理的に言うと矛盾があるようなことがたくさん書いてあるが、この矛盾を矛盾でなくすところに、一種の悟りがあるのだと思う。宗教というものは、頭で理解するものではなく、全身全霊で体験するものだ。この矛盾が矛盾でなくなるところを、頭で理解するのではなく、身にしみて痛感するということになれば、立派なものだと思う。たんに「矛盾がある、めちゃくちゃだ」というのでは、馬の耳に念仏だろうと思う。

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3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/12/01 19:18

この本は翻訳者の主観が入らないような配慮がされていて、自分で読み解くための素材を提供してくれています。

投稿者:みどりのひかり(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本の題名は、bk1では「般若心経」となっていますが、表紙の写真を見ればわかるように、本当は「般若心経・金剛般若経」で、ISBN:4-00-333031-5となっており、次のものと同じであることがわかります。

般若心経・金剛般若経 岩波文庫
中村 元訳註
紀野 一義訳註
出版 : 岩波書店
ISBN : 4-00-333031-5
発行年月 : 1979

 1979年の発行のものはもう購入できませんが、2001年版やワイド版もあるので、この本が読み継がれていくことは嬉しいことです。私が持っているものは1960年に初版が発行で、第16刷、1973年のものです。

 私は今年「般若心経物語」という本を書きました。その際、たいへんお世話になったのが、この「般若心経・金剛般若経」です。他の方の般若心経に関する本もたいていこの本を参考にしているでしょう。私の「般若心経物語」でも、はじめに、正しく般若心経を学ぶにはこの岩波の文庫本が一番です、と書いてあります。それは、何故かというと、翻訳者の主観が入らないような配慮がされていて、自分で読み解くための素材を提供してくれているからです。たくさんの般若心経解説の本がありますが、著者の余計な自説がしゃらくさい、そんなもの抜きに読みたいという方に最適です。

 私の「般若心経物語」も、(余計ではありませんが)自説がおお有りなので、この「般若心経・金剛般若経」を合わせて読んでいただく必要があるのです。ですが、どちらを先に読んだらいいかというと、私の「般若心経物語」の方です。「えっ、それはおかしいんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃいましょうが、ここはひとまず、私“みどりのひかりの”言うことを信用して、岩男潔著「般若心経物語」を先に読んでみてください。ま、本当はどちらを先に読んでもいいのですが、私の本を先に読んだほうが得をします。

 中村元先生は、すでに亡くなられましたが佛教の研究者として世界の第一人者でした。漢文の経典だけでなく、インドの言葉でかかれた経典、チベットの経典、蒙古の経典、など、様々な国の、様々な時代の経典を研究されていて、その中から先生が吟味構成したものがサンスクリット語の般若心経のテクストとして使われています。漢文の方は日本で古来最もよく知られ読まれている玄奘訳の般若心経が使われています。
 金剛般若経はサンスクリット原典の写本は日本にも伝わっているとのこと、また、漢文の方は「金剛般若波羅蜜経」鳩摩羅什(くまらじゅう)訳のものがつかわれています。これも日本で古来最もよく知られ読まれているものとのことです。

 そして、読者にとってさいわいのことはこの「般若心経・金剛般若経」が中村元先生と紀野一義先生の共訳ということです。紀野一義先生は東京大学において、中村先生の弟子でありました。そしてお二人は大変深い絆で結ばれていました。紀野先生は学徒動員で学業半ばで戦争へと行きます。終戦後、広島の両親姉妹は原爆で亡くなられていて、無一文、家もありません。紀野先生は岡山県の津山に嫁がれていた姉のところへお世話になります。いろんな人に助けられやがて東京大学に復学します。おそらくは中村先生もかげにひなたに紀野先生を助けられたでしょう。ですが、その逆もありました。文学部長だった中村先生が紀野先生に助けられたことがありました。当時学生運動がさかんで、東大も荒れていた時がありました。中村先生は立場上、学生に停学を申し渡さなければならないことがあったのです。その際、教室では後ろのほうから野次が飛びます。中村先生はぶるぶる震えていたのですが、紀野先生が前に出て中村先生の傍らに腕組みをして立ち、「これ以上騒ぎやがったらぶっ殺す」といって、その連中を黙らせ、無事、中村先生の申し渡しはできたと言うことです。あとで、「紀野君、君のおかげで無事に出来て良かった。本当に有り難う。」と中村先生はおっしゃったということですが、なんだかその光景が目に浮かぶようですね。
 そういう、信頼関係のあったお二人が共同で訳されたことはとてもいいことだったと思います。岩波の他の経典では漢文からの翻訳者とサンスクリットからの翻訳者の意思の疎通が充分でなく、読者にとっても不満なものとなっているものもあります。

 
前置きが長くなりましたね。本題に入りましょう。

 般若心経の成立年代は4世紀から5世紀くらいではないか、という説がネットにでていましたが、よくわかりません。般若心経のサンスクリット語の、世界で一番古い写本は、日本の法隆寺にあって、8世紀後半のものということです。(伝承では609年に小野妹子シナから持ち帰ったものと言われているそうですが。)
 般若心経よりも、金剛般若経の方が成立が早く、西紀150年から、200年頃には、成立していたであろうと、中村先生は書かれています。

 般若心経の中心となるのは、色即是空(しきそくぜくう)の「空(くう)」というものですが、 金剛般若経には、「空(くう)」という言葉は登場しません。ですが、「空(くう)」の考え方はちゃんと出て来ていて、それをくりかえし、くりかえし、いろんな表現で表わしています。その例を少し引用しましょう。


 スブーティよ、この法門は《智慧の完成》と名づけられる。そのように記憶するがよい。それはなぜかというと、スブーティよ、『如来によって説かれた《智慧の完成》は智慧の完成ではない』と如来によって説かれているからだ。それだからこそ、《智慧の完成》と言われるのだ。


もうひとつ引用します。


 師は問われた――「スブーティよ、どう思うか。このはてしなく広い宇宙の大地の塵(ちり)は多いであろうか。
 スブーティは答えた――「師よ、それは多いですとも。(中略)それはなぜかというと、師よ、『如来によって説かれた、大地の塵は、大地の塵ではない』と如来によって説かれているからです。それだからこそ、大地の塵と言われるのです。また、『如来によって説かれたこの世界は、世界ではない』と如来によって説かれているからです。それだからこそ〈世界〉と言われるのです。」


 わけの解らないような文章です。初めて読むと「何だろ、これは!」と思うかもしれません。もちろん、この矛盾に満ちた表現は、あることを伝えるために必要な表現なのです。で、これが矛盾に満ちたものではないことを明確に知ることが出来るのが、私“みどりのひかり”が書きました「般若心経物語」なのです。およそ2000年の時を経て、数学が発達しました。その数学を利用して、これを矛盾なく説明できることを示したのが「般若心経物語」です。ですから、この文庫本を読む前に「般若心経物語」を読んだほうが得をします。

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