投稿元:
レビューを見る
警察小説と思わせるような設定と事件と感じられるが、読み進めていくと次第にそうでない気がしてくる。展開も巧く、飽きさせない。最終的にはしっかりしたトリックが使われた本格であることがわかってくる。関西ノリの会話もテンポがよくて面白い。うんちくも流れをぶった切らないでうまく本文に混ぜ込んであって気にならない。
投稿元:
レビューを見る
「黒マメコンビ」第2作。
1985年6月刊行。
第1作と同樣にサントリーミステリー大賞(第2囘)で佳作となつた作品。
またも大賞を逃した理由は「華がない」だつたさうな。
第1作での批評を受けて、作者は主人公を獨身に設定變更して名前も黒田から黒木に變更したのだが、どうも安直すぎて、この解決策は效果を發揮しなかつたやうだ。
ちなみに、第4囘ミステリー大賞でついに大賞を受賞したのだが、その時の主人公の探偵役は「華のある」女子美大生だつたとのこと。
さて、この作品も面白い。
大阪弁による輕妙な會話の面白さもさることながら、金融システムや日本畫の商品としての流通のしくみなど、普段なかなかわからないことが克明に描かれてゐる。
人を喰つたやうなマメちやんの言動も健在で、樂しめること請合ひである。
2004年2月8日讀了
投稿元:
レビューを見る
河内弁のコンビ物、と聞いてユーモアミステリかと思ったらむしろ本格に近かったです。次々に起こる事件の展開の速さや銀行や日本美術の裏側を語る社会性など、正統派に近いです。専門用語も説明が丁寧かつ的確で分かりやすい。そこへ黒マメコンビの毒舌がかった掛け合いが絡んで読みやすい作品でした。ルミノール反応で浮き出た血痕は殺された人の魂だ、という表現に感動したら最後でアララそういうことでしたか、と苦笑い。警察物だから当然ですが、もうちょっとふざけてくれるのが個人的には好みかも。
投稿元:
レビューを見る
大阪湾にかかる港大橋の上で現金輸送車が襲われ、銀行員二人が射殺された。その翌日、事情聴取を受けた行員が自殺する。さらに、捜査線上に浮び上った容疑者の死体が発見され、事件は複雑さを増していく…。大阪府警捜査一課の二人の刑事\"黒マメコンビ\"が、軽妙な会話を交わしつつ、日本画壇の内幕に迫り、金融システムの裏側に仕組まれた奸智に満ちた連続殺人事件に挑む。
投稿元:
レビューを見る
2007/6/5読了。黒マメ新コンビの活躍。黒とマメの掛け合わせ漫才のような会話についつい笑いが出ますが、その中に真相へつながる言葉が・・・。このシリーズは楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
大阪府警捜査一課シリーズ
黒豆コンビの事件簿。
黒さんはいつ離婚したのでしょうか。
他のがまだ読めてないので、分かりませんがとても気になります。
とにかく、金融関係のお話で正直岡崎キャップの説明が
理解しきれませんでした。(´・ェ・`)
豆ちゃんの名推理と黒さんのボヤキが良いです。
投稿元:
レビューを見る
端的に、うまい。力の抜き加減も良いし、大阪弁の会話もほどよく面白い。意外な真犯人にも無理はないし、バランスのいい作品。確かに華はないんだけど。
投稿元:
レビューを見る
大阪府警「黒マメ」コンビ第2弾。
第2弾だけど、主人公の名字が「黒田→黒木」、設定が「既婚→独身」に
マイナーチェンジされており、第一弾から連続で読んだ者には、違和感がある中から始まる。
そして事件の核心に迫るのはいつも「マメ」ちゃんで、主人公は上司の文句を言ってるだけなので説得力がない。
投稿元:
レビューを見る
白昼堂々と行われた現金輸送車強奪事件の捜査に黒マメコンビが挑む。
第1作とはうってかわって独身貴族になった黒さんと、相変わらずちょこまかと灰色の脳みそを働かせるマメちゃんの、大阪弁での絶妙なテンポで進んで行くのが気持ちいい。黒マメシリーズが3作で終わっちゃったのが淋しい。
投稿元:
レビューを見る
冒頭───
やっと帰り着いた。ガスストーブのスイッチを入れ、次いでポットのコンセントを差し込む。コートをベッドの上に放り、縒れたネクタイを外しにかかった時、電話が鳴った。壁の時計を見ると、もう午前一時半、非常識だ。すぐに出るのも業腹で、しばらくようすをみることにした。
汗じみたワイシャツのボタンを外しながらバスルームへ行き、水道の栓をひねった。ワイシャツと靴下を洗濯機に放り込み、つまり私の夜毎の儀式を終えて部屋に戻れば、まだ電話は鳴っている。
大阪府警捜査一課の黒マメコンビの第二弾。
第二回サントリーミステリー大賞佳作賞受賞作。
黒川氏はこの作品で、第一回に続いて佳作賞を受賞した。
氏にとっては、おそらく二番目の作品なのだろうが、相変わらず二人の上方漫才風の会話にテンポがあって心地よい。
現金を輸送していた銀行員二人が、阪神高速道路の上で何者かに拳銃で殺害、強奪されるという事件から物語は始まる。
その後、容疑者と疑わしき人物の自殺などが相次ぎ、捜査は困難を極めるが、愛すべきマメちゃんのポワロ並みの名推理が冴えわたり、事件の真相と犯人の正体に一歩一歩近づいていくという展開。
ただし、事件の謎の解明と動機や理由などについては、第一作のほうが面白かった気がする。
今回の事件解明にたどり着くまでの動機やアリバイ、話の進め方には強引さと粗が見え、作品の完成度としては、やや物足りない。
舟券を100万も買ったら目立つんじゃないのか?
それでも、まずまず面白いエンタメミステリーだったので、これからも黒川作品を読み続けるぞと誓う私なのであった。
投稿元:
レビューを見る
黒川博行の黒マメコンビシリーズ。
著者の初期作品群の魅力は、軽快で歯に衣着せない会話や主観描写と、対照的に緻密なロジックを器用に導入している点、そしてバラエティ溢れる事案や業界エピソードである。
中でも本作は、刑事コンビの捜査とその進展が、非常に自然であることから、同時期の作品でも特に完成度が高いと思われる。
パズラー的な要素はないが、読み物としてのミステリとして、お手本のような作品だった。
4-
投稿元:
レビューを見る
現金輸送車が襲われ銀行員二人が射殺され、関係者と思われる行員が自殺。更に…。今では行員が現金輸送車で給料を運ぶなど考えられませんが、時代ですね。黒まめコンビは少し設定が変わっていますが、あまり違和感はないです。それよりマメちゃんの鋭さが想像以上で驚きました。相変わらず漫才のように途中に挟まる二人の掛け合いがいいテンポを生み出して読みやすいです。今回は二課の岡崎部長がとっても素敵で、また銀行関係の専門用語や仕組みもとても分かりやすく説明してくれました。派手な作品ではないですがラストまでしっかり楽しみました。
投稿元:
レビューを見る
クライマックスでは「名探偵」風の謎解きも見せてくれるけれど、本筋は一昔前の社会派を思わせる、リアリスティックな警察小説で、地道な捜査の描写が大半を占める。けれども社会派の多くがまとっていた暗さや辛気くささはほとんど感じられずに、からっと乾いて明るい。大阪弁の掛け合いの魅力と言ってしまえばそれまでだが。
投稿元:
レビューを見る
黒川博行の「大阪府警シリーズ」のごく初期の作品。大阪湾にかかる港大橋の上で三協銀行築港支店の現金輸送車が襲われ、約1億円が強奪される。銀行員2人は射殺された。事件の2日後、今度は築港支店の行員・川添がマンションのベランダから飛び降りて死亡。川添は前日、現金強奪事件について事情聴取を受けた行員の一人だった。川添の死は自殺と断定されるが、その後この事件の背後には、予想だにしない企みが隠されていた事が明らかになっていく…。銀行が融資をしていた大手の「碧水画廊」。どうやら川添はこの件に関して「浮き貸し」と「両建預金」と呼ばれる不正に手を染めていたようなのだ…。詳細→
http://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou3627.html