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紙の本
賭け事がお好きなら/嫌いでも
2006/03/26 22:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鳥居くろーん - この投稿者のレビュー一覧を見る
“No more bet.”
勝負事には「あや」というものがある。
たとえば、振ったサイコロの目がいくつになるとか
配られたカードの組み合わせがどうだとか言うのは
数学的にはまったくの偶然にすぎない
ランダムだ
だのに
勝負事には「ツキ」というものがある
「流れ」というものがある
それが人の感情の成す条理だか神のイタズラだかは知らないが
そんなものがあるからこそ
人はギャンブルにひきつけられる
からめとられる
そして、死ぬ。
“Maybe or maybe not.”
私たちには生活というものがある。多くの人は生活が立ち行かなくなるほどの大金を賭け事につぎ込むことなどできない。でもまあ、せめて本の中ででもそんな世界を味わって、手のひらの汗腺が開くさまや、背すじの立毛筋が収縮するさま、脳の血管が広がり、アドレナリンが分泌されるさまなんてのを感じてみるのも悪くない。
だいたい何にもbetしない人生なんてありはしないんだ。「私はギャンブルはしない」なんて「私はクソをしない」といってるのと同じさ。投資は投機と違うなんて高説たれてるヤツなんざ、ヘドが出るね。みんな同じさ、「勝ちたい、欲しい」ってね。正直にそう言やいいのにね、人間ってめんどくせえ生きモンだよ。
バカヅキだろうと百戦錬磨だろうと、たった一度の勝負で荒野に屍をさらさないと言う保証はないんだ。もしオレが死んだら、せめてこの本を霊前に供えとくれよ、チップはずむから。ヘッヘッヘ。
“Minimum or maximum.”
ヒロシがいうには「リスクを取らないことが最大のリスク」らしいからな。