- 出版社:平凡社
- サイズ:18cm/236p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-582-85211-4
世界テロリズム・マップ 憎しみの連鎖を断ち切るには (平凡社新書)
- 全体の評価
(1件のユーザーレビュー)
- あなたの評価
この商品を評価して本棚に反映
評価しました! ×
- 税込価格:798円(22pt)
- 発行年月:2004.1
- 発送可能日:1~3日
- 本 新書
- 今なら本も電子書籍も全て【ポイント3倍】!!
- hontoポイントスタート記念!文庫もコミックも電子書籍もCDもDVDも全てhontoポイントが3倍!
関連キーワード- 「世界テロリズム・マップ 憎しみの連鎖を断ち切るには」
ユーザーレビュー- 「世界テロリズム・マップ 憎しみの連鎖を断ち切るには」
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2004/09/05 23:09
世界はテロリズムに満ちている。だから、
投稿者:aguni(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
この新書は時事通信社外信部で国際報道に携わり、テロの背景をもっと詳しく探り、紹介する必要があると考えた記者達が、雑誌の記事の連載を経てまとめあげた一冊である。内容は筆者の一人の言葉を借りれば、「特にテロを引き起こす側の組織と人間にスポットを当て、渇らの行動と思想を追った連作ノンフィクション」である。
この本では、20世紀後半以降のテロを「既存の秩序を激しく憎む反権力側の個人や集団が何らかの目的で暴力を行使し、社会を恐怖に陥れる事件」(p22)と定義した上で、3つの系譜として分類し、紹介している。
まずは「民族主義過激派のテロ」である。二度の世界大戦後、世界中に誕生した民族単位の主権国民国家の形成から除外されたり、不当な扱いを受けたりした少数民族が、自分たちの領土の獲得や奪還を主張するもの。クルド・IRA・バスクなどが、このパターンの例である。
第二に「冷戦時代のイデオロギー対立によるテロ」である。日本やドイツの赤軍など。ただし、冷戦の終わりと共に資金提供者がいなくなり、ほぼ衰退している。
そして最後のパターンが「宗教に根ざした暴力」である。二一世紀は宗教の時代、という言葉を二十世紀末に聞いたが、西欧的な価値観を否定し、くつがえさんとするもの。ビン・ラディンは「八〇年以上味わってきた屈辱」と言っている。つまりは、第一次世界大戦以降の西洋主体の国際政治そのものに対する復讐をせんということである。もちろん彼のような過激派が主ではないだろうが、長年に渡りくすぶり続けてきた民族感情を、彼らを「第三世界」と呼ぶ「先進国」の皆様方は、まったく理解していなかったのだ。(今でも理解していない元首の方もおられるようだが。)
イスラム圏でのテロ首謀者・実行者がいなくならない原因を、この本では「独裁体制のせいではないか」と指摘している。興味深いので引用しよう。
「過激な宗教思想に傾倒し、テロリスト予備軍となる若者たちが後を絶たない一つの理由は、中東各国の既存の政権自体が独裁的、非民主的で、民衆に現状への不満を訴える手段を十分与えていない点にある。」(P221)
なるほど。つまり彼らの憎悪がより大きなものに向かったということである。しかし、彼らが例え政権を取ったとしても、指導者のカリスマに頼った運動であるが故に、独裁に陥りやすい。
そこでアメリカはイスラム国家に対し、言論の自由の拡大や民主的教育の普及を迫り、長期的にテロの温床を断つことを目指している、という。あきらかに内政干渉ではあるけれども、世界も民主化と自由については文句は言わないだろう。…もちろん、ブッシュがマクドナルドとマイクロソフトのことを言っていなければ、だけれども。
ともあれ、グローバリゼーションの進展によって、オイルマネーを持った教育のある人間が海外でテロの計画を、しかも全世界を舞台にして起こすことができるようになった。それはかつては国内で起こるはずだった暴動レベルのものだったのかもしれない。が、もはや手後れだ。
だから悲惨な報道があるたびに子供達と話し合って欲しい。そのとき、武力や破壊・人の命を奪う行為について、大人であるあなたは怒りを示せるだろうか。悲しみを表せるだろうか。子供たちをテロリストの影響を与えてはいけない。そのためにも、テロリズムに不感症になってはいけない。…もちろん大国の暴力にも。







