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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2004.4
  • 出版社: 新潮社
  • サイズ:20cm/172p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-406605-2

紙の本

語り女たち

著者 北村 薫 (著)

語り出されるのは、幻想的な−そして日常的な−「謎」のものがたり。微熱をはらむその声に聴き入るうちに、からだごと異空間へ運ばれてしまう、17話。『小説新潮』掲載をまとめて単...

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語り女たち

税込 1,760 16pt

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商品説明

語り出されるのは、幻想的な−そして日常的な−「謎」のものがたり。微熱をはらむその声に聴き入るうちに、からだごと異空間へ運ばれてしまう、17話。『小説新潮』掲載をまとめて単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

北村 薫

略歴
〈北村薫〉1949年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業。89年「覆面作家」として「空飛ぶ馬」でデビュー。91年「夜の蟬」で第14回日本推理作家協会賞を受賞。著書に「詩歌の待ち伏せ」など。

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みんなのレビュー42件

みんなの評価3.5

評価内訳

紙の本

品ある不思議な話。

2020/10/14 15:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る

北村薫という作家をやっぱり凄いなと思うのは、紡ぎだされたお話にいつも「品のよさ」があることだ。なのに、よくよく考えてみれば荒唐無稽なありそうもない話。そんなお話が17話もまとめられていた。
もちろん物語にはいちいち引き込まれるが、さらに魅了されたのは、物語の端っこに登場するモノ。
たとえば、眠れる森から持ってきた、人を眠らす「葉っぱ」。
闇なべの会場に、密かに紛れ込んだ持ち主不明な缶詰には、人間が考えたとは思えない不思議な記号の列が刻印されていた。
話の内容がま逆の「走れメロス」...が、よく知られた話の本と並んで、密かに街の本屋で売られていたり、河童の子孫が普通の人間と変わらず生きているらしかったり...。
独立したばかりのアフリカの小国には、動詞や形容詞の変化が殺人的に煩雑な母国語があって、その国で生まれた美しい映像の映画は、言葉を理解できないから、そのストーリーを誰も理解できない。実は、この話がいちばんの気に入りで、その国の言葉を解せる唯一の日本人女性が字幕をつけるが、「そうあったほうがいい」と、勝手に創作してしまう話。...なんだけど。
豊かな話に共通するのは、物語のすみっこにあるものであっても、そのすべてが大切な存在であることなのだなぁと思う。

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紙の本

語られる世界に遊ぶ至福

2004/12/09 00:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:花の舟 - この投稿者のレビュー一覧を見る


 新しい本が出れば必ず読む、大好きな作家たちがいます。北村薫さんはその中でも、いつも次が待たれる作家です。
 『語り女たち』を手にし、読む時まで絶対開かずにいたのですが、さて読もうとして、緑の活字を目にした途端、次の朝 、家族が皆出掛けるまで待つべきだと判断しました。それほど、一人でゆったりと、大事に読みたいと思わせる本でした。そして読了した今、それは全く間違っていませんでした。いろいろな意味で贅沢な本でした。
 満足と言って言い足りないくらい、心満たされて、酔わされたような心地。読み終わりたくなくて、一言一言、大事に活字を追いました。ゆったりと心ゆくまで、読書というものの醍醐味を、こんなに味わわせてもらえる本は、滅多に出会えませんから。もとより、掌篇小説が、格別好きであること。小さな世界に閉じこめられた、とてつもない宇宙が自分に入り込んで来る瞬間が、たまらなく好きであること。
 『語り女たち』は、まさにそうした、私の楽しみを充分に、溢れるほどに得心させてくれました。17の話のどれもが、他と一線を画して、静かに密やかに光る世界でした。謎、ノスタルジー、愛、異界……。現実の小さなささくれのような不可思議な話に、頷き、首を傾げ、思いを彷徨わせ、17世界に遊ぶことができました。美しい言葉。表現された世界が、疑いようもなくそこにある凛とした構成。北村さんの世界に遊ぶ時、好きな人の胸に顔を埋めるような安心感と陶酔があります。
 「歩く駱駝」「笑顔」「海の上のボサノヴァ」「夏の日々」「ラスク様」が、私のベスト5です。(本当は全部)
 表紙の見返しページの、北、村、薫、の文字のデザイン、私は、雪の結晶のように見ました。
 挿絵の豊かさといい、紙質の上等さといい、なにより黒と見まがうセピアの活字の洒脱さ、プロローグ、エピローグにあたる“彼”の言葉だけ、鮮やかな色の活字であること……読み手にこんなに心地よさを与えて、尚、完璧な小宇宙を構成することのできる北村さんに、拍手と感謝を贈りたいと思います。

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紙の本

謡口早苗のイラストがいい。それにしても贅沢な本である。使われている活字の色の微妙なこと、目に優しい色合いが堪らない

2004/06/05 20:23

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

北村薫の本らしからぬ美しい本である。らしからぬ、と書いたのは悪い意味ではない。どちらかというと今までの北村は、今回ほどにファンタジックな内容の作品を書いてきてはいない。いや『水に眠る』という、それはそれは美しい幻想譚集があることはあった。しかし、物語としてより相応しいのは今回の作品だろう。ともかくわたしは、読み始めて、随所に散りばめられた美しいというか思わず唾を飲み込みたくなるような静かで温もりのある挿絵に驚くのだ。

しかも、贅沢な本である。目次を含めた活字の色は5色(薄いグレーも入れて、もっとある?)である。いや、それだけではない、基本となっている活字が、どうしても私には通常の黒には思えないのだ。こげ茶色かもしれない。だから、全体のトーンが、ともかく柔らかい。それは奥付だけでなく、巻末の北村作品の広告頁の活字にまで及ぶ徹底したものである。

そして17の掌編に、各々一葉、計17葉の殆ど銅版画と思えるような色とりどりのイラストが付く。どれもが、タッチが柔らかく、霧がかかっているような、点描かと思えるそれは、できれば切り取って額装をしたくなるようなものばかりである。装画とイラストは謡口早苗、装幀は新潮社装幀室。どれも「小説新潮」に不定期で掲載されたもの。

話としては、アラビアンナイトを思ってもらうのが一番いい。空想癖のある長男は、30を過ぎて視力がめっきり落ちてしまう。読書をすることも楽しめなくなった男は、海辺の街に居を構え、そこで訪れた人の話を聞くことにしようとする。そして、自分に面白い話をしてくれる語り女を求める募集広告を新聞に出すのである。

17の話全てを、タイトルをあげて紹介するのも煩わしいので、気になったものだけを紹介しよう。順不同だけれど、まず「水虎」。「水虎」と見れば水木しげる、『ゲゲゲの鬼太郎』としか連想できない私は、この会社での男女の語らいが、一向に怪奇な話にならないことに疑問を抱きながら、ちょっと前に見た雪舟展での軸ものを思い起こさせる謡口の淡い紫色のイラストに、この話はどうやってタイトルに収斂していくのだろう、と思ってしまった。私好みのロマンチックな作品である。

同性として、ちょっと嫌だなと思いながら読んだのが「Ambarvalia」。自分の友だちが結婚した男性こそ、自分に相応しいただ一人の人、と思った女性の行動。この話、ちょっと間違えると、土屋隆夫の新作『物狂い』になってしまう。ただし、本を階段が貫通する挿絵は、白黒だけれど素敵なもの。

ネタバレになりそうなので、窓辺の静物のイラストが静かでいい、としか書けない「わたしではない」は、分かりやすくて、逆にこの作品集のなかでは余韻は少ないほうかもしれない。その点、イラストの叙情性では、やはり巻頭の「緑の虫」が一番。ただし、雑誌Moe色が強くて、新鮮さは感じない。

「走れメロス」をうまくひねった「違う話」も、天邪鬼の私には好ましいものだが、「歩く駱駝」は、イラストと中身のバランスという点ではピカ一かもしれない。ともかく砂漠の駱駝という情景に、私は弱いのだ。女性の顔が印象的なのは「海の上のボサノヴァ」。むろん、この本に相応しいとは思わないけれど、じっと見つめられると、体の中でなにかが疼く、そのような絵である。

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紙の本

この北村薫の世界にたゆたうという贅沢

2004/11/27 10:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「男は海辺の街に小部屋を借りた。潮騒の常に響く窓辺に寝椅子を引き寄せ横になり、訪れた客の話を聞こうという趣向だ。」
 男は、昨日と変わらぬはずの今日を生きる女たちに、その日常に俄かに沸き起こったさざ波のような事件の体験談を聞かせて欲しいと全国の新聞・雑誌に広告を載せたのです。男のもとを訪れるのは17人の語り女(かたりめ)たち。彼女たちが口にする物語はいずれもが異彩を放ちます。心胆を寒からしめるような日常の亀裂。心と心とがそっと寄り添うような、そして誰かの手のぬくもりを愛しく感じさせるような触れ合い。人間の賢(さか)しらな理知などに触れられることを頑なに拒む闇と幻想の世界。

 北村薫の文章はどれも品位に満ち、日本語の持つ凛とした瑞々しさを感じさせるものです。私が共に生きてきた、そしてこののちも共に生きていく「言の葉」を心の底から強く慈しみたいという心持ちにさせてくれるのです。彼の紡ぐ日本語の美しさはある種、官能的であるとすら形容してもよいと思います。
 今回の書でも浮世の憂さをひととき忘れ、不思議な浮遊感を味わうことが出来ました。北村薫らしい文章のまにまに漂いながら、恍惚とした喜びにひたれたのです。

 200頁に満たないこの物語集を短時間で読みきるのはたやすいことでしょう。ですが、掌編のひとつひとつが読んだ後に心にしっとりと広がり、そして心の床に落ち着いていくにはそれなりの時間を必要とするかもしれません。一気呵成に読み通すのは、あまりにももったいないという気分にさせられる物語ばかりなのですから。


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紙の本

しずかに鳴りだす琴の音のような17の話たち

2004/09/12 16:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 海辺に暮らす男のもとに、ひとり、またひとりと女が訪れて、不思議な話を語っていく。あたかも、アラビアンナイトの寝物語のように。
 さわさわと風が鳴る田んぼ道を、すーっと光の帯を引きながら、蛍が飛び、消えていくような趣。
 17の話はそれぞれに優しく、なつかしく、ひやりとさせられる恐さがあるかと思えば、身に沁みるような静けさも湛えている。ふっと、八木重吉の調べ美しい詩を思い出した。

  この明るさのなかへ
  ひとつの素朴な琴をおけば
  秋の美しさに耐えかね
  琴はしずかに鳴りいだすだろう

 17の話のなかでも殊に気に入ったのが、お年寄りの介護を仕事にしている若い女が語る「梅の木」という話。ハッとする鮮やかさと、胸にあふれてくるあたたかさがあった。
 続いて、「緑の虫」「眠れる森」「夏の日々」「水虎」の話に惹かれた。

 謡口早苗(うたぐち さなえ)さんの本文イラストが、またいいんだな。描かれた絵といい、色遣いといい、話にしっくりと溶け込んでいる。
 「北」「村」「薫」の三文字を万華鏡のようにかたどった本の見開きのデザイン、これも洒落ていた。
 作品もさることながら、本のたたずまいも素敵だと感じた一冊である。

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紙の本

なぜ語るか彼女らは。

2004/07/04 22:15

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投稿者:池のワニ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 次々と女たちがとっておきの変わった話をしに男のもとを訪れる。男は耳を傾けるだけで、どんなに現実にそぐわない奇妙な話であっても、女の話に頷き返す。どうみても不倫の子にしか思えないのに、蛍のような虫を飲み込んでしまって懐妊してしまったと言う、子連れの女。亭主の子供じゃないなら、不貞の子供だろうが。けれども、そんなバカなと男は言わない。「信じますとも」と応える。
 アラビアで買った壺に描かれていたラクダが歩くの、と話す女。そんなのをまじめに言われちゃ、怖い。
 幻想的でシュール。タモリがナビゲーター役を務めていた奇妙な短編ドラマを思わせる話が多い中で、最後の「梅の木」は胸にきた。じわじわっと、あとからあとから。その女は老人ホームで働いていて、施設の前の駐車場にワンボックスカーを停めて生活しだした老人のことを語りだす。頑固な爺さんで、孤独がそうさせるのか。子供のころに毎年見にいった梅の木に会いたい、ここに来たら会えるとお告げがあったのだという。彼は所帯道具を詰め込んで旅をしてここまで来たらしい。こまかく説明されずとも事情があるのは伝わる。ネタバレになるから止めておくけれど、爺さんを気にして見ていた女の語る話がくるんですよね、ぐぐっと。
 しかし、どうしてこんなにも彼女らは語りたがるのか。時間を置くと、語られない日常の側を想像してみたりして。ともかく語り終えた女たちは、幸せな顔をして去っていく。ハッピーな話ばかりとは限らないのに。占い師を訪れる感覚に近いのかもしれない。

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波に運ばれる

2004/06/26 19:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:UMI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ボートでもカヌーでもサーフィンでも構わない。一日中波に揺られていた日の夜はなかなか寝付けないものだ。目を閉じているとふわりふわりと背中が浮き沈みして、身体がこんなにも正確に波のリズムを記憶していることに感心することがある。
 ふと、そんなことを思い出した。

 夏目漱石の作品に『夢十夜』というのがある。学校の先生が薦めがちな『坊ちゃん』や『我輩は猫である』とは一味違う、幻想的でミステリーの香りがほのかに漂う作品だ。
 ふと、そんな作品のことを思い出した。

 現代にアラビアン・ナイトを実現させようと、空想癖のある「彼」は語り女(かたりめ)を募集することにする。
 彼のもとに訪れる女たちの物語は、実に幻想的で不思議なものばかりだ。今まで誰にも信じてもらえなかったであろう物語を彼に語って聞かせる。彼に聞かせることで、彼女達自身がようやくその出来事を受け入れているようにもみえる。
 押付けがましい教訓も、読み手の裏をかくような結末もないが、『夢十夜』のように前の話を消化し切れないまま次の話を読み進めてしまう。
 ひとつひとつが女性の語り口調で丁寧に語られていく様は、まるで打ち寄せる波のようだ。次から次へと語られる物語にふわりふわりと運ばれて、気が付くと最後のページに辿り着いている。読み終わってもまだふわりと浮かんでいるような感覚が残っている。
 
 アラビアの王になろうとした「彼」は主人公と呼ぶにはあまりにも影が薄い。女たちもアラビアン・ナイトでいうところの、たった一夜の語り部でしかない。物語そのものが主人公なのだ。
 十七編をたった一晩で読みきってしまうことが贅沢なのかどうなのかはわからないが、北村薫が一夜の語り部であったことは非常に贅沢なことである。
 

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そばに置いておきたい1冊。

2004/06/17 01:31

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投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 タイトルは「かたりめたち」と読みます。

 お金もあり、暇を持て余した男が、アラビアの王様のひそみに倣い、「語り女」を募集して、次々に訪れる女たちの摩訶不思議な物語を聞く、という趣向。

 竹林を散策したために付いてきた緑色の甲虫が、口の中に入り込み、身ごもった、という女が語る「緑の虫」。

 夫の不審な行動に疑問を覚えた女が、夫の不意をついて、発見した夫の秘密を描いた「わたしではない」。

 背骨がまげられないので、おじぎをしない、という男性社員の話を語る「水虎」。

 不思議で、怪しい物語を、淡々と語り、去ってゆく女たちが17人。
 なんとも言えない、艶かしさというか、ぼんやりと夢を見ているような感覚の物語ばかりです。
 装丁といい、謡口早苗さんの挿絵といい、大人のメルヘンと言った趣でした。
 特別心に残る作品は、残念ながら私にはなかったのですが、なんとなくそばに置いておいて、疲れたときに、ふっと手に取りたくなるような…そんな雰囲気が漂っています。


  うたたね通信社 にもお越しください。

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2004/11/11 14:16

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2004/11/11 14:57

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2004/11/18 22:42

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2004/11/27 20:55

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2004/12/13 20:46

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2005/02/03 16:17

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