- 出版社:岩波書店
- サイズ:20cm/263,8p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-00-002531-7
歴史のなかの新選組
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- 税込価格:3,045円(87pt)
- 発行年月:2004.3
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商品説明- 「歴史のなかの新選組」
激動の幕末維新期に光彩を放ち、今なお人々を惹きつけてやまない新選組。その実像に信頼に足る諸史料を駆使して迫り、幕末期のダイナミックな構造の中に不可欠の要素として位置づけなおす。歴史学の立場から新選組に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「歴史のなかの新選組」
宮地 正人
- 略歴
- 〈宮地正人〉1944年福岡県生まれ。国立歴史民俗博物館館長。専攻は明治維新を中心とする日本近代史。著書に「日露戦後政治史の研究」「天皇制の政治史的研究」「幕末維新期の文化と情報」など。
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ユーザーレビュー- 「歴史のなかの新選組」
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2011/08/27 01:14
真実の新選組
投稿者:yjisan(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代小説、漫画、時代劇などによって創出・増幅されてきた新選組の虚像を排し、歴史学の手法に基づいて実像に迫った意欲的な著書。
本書の第1の特徴は幕末の政治史に関する最新の研究成果を踏まえ、その文脈の中で新選組の政治的役割を捉え直した点にある。“勤王対佐幕”あるいは“薩長対幕府”といった通俗的な図式に囚われるのではなく、一会桑政権(禁裏御守衛総督の一橋慶喜・京都守護職の会津藩主松平容保・京都所司代の桑名藩主松平定敬という三者による連合政権。孝明天皇の信任を得て京都政界を牛耳った)と新選組との関係に注目することで、「幕府の犬」として描かれがちな新選組を幕末の政治史の中に正確に位置づけ、ひいては新選組を含み込んだ幕末期の全体像を提示する。
第2点は、第1点とも関連するが、新選組を単なる剣客集団、治安維持部隊としてのみ理解するのではなく、奇兵隊など長州諸隊組織とも相通じる性格を持つ有志集団(有志結合組織)と評価し、その思想性・イデオロギー性を明らかにした点である。特に近藤勇の書簡の蒐集・分析を通じて、無骨な剣客で政治的展望には欠けるというイメージが強い局長近藤勇の政治思想に肉迫し、卓越した現状認識や交渉能力を指摘した点は興味深い。近藤が高度な戦略性を持った「政治家」として像を結んだ初めての瞬間と言えよう。近藤の在京老中への「我々は尽忠報国の有志であり、市中見回りのために上京したのではない」という訴えも面白い。
第3点は、新選組関係史料に対する史料批判、すなわち「新選組研究の史料論」を行っている点である。従来、新選組研究の根本史料として活用されてきた西村兼文の『新選組始末記』の錯誤や創作の多さに言及し、西村が直接見聞したこと以外の記述については必ず別の史料から裏付けを取る必要があると説く。本書では『新選組顛末記』(新撰組隊士・永倉新八の回顧談を小樽新聞社の記者が聞き書きしたもの)を再評価すると共に、西川吉輔編集の風説留(事件の当事者以外の者が、他人から聞いた噂話を書き留めた記録)をはじめ複数の風説留を交錯活用(クロスチェック)することで、史実に接近している。有名な大和屋庄兵衛焼打事件の芹沢鴨犯行説を明確に否定するところなど、実に小気味よい。
本書は必ずしも新選組の活動を時系列的に追ったものではなく、いわゆる「通史」の形をとっていない。それゆえ、幕末に関してある程度知識を持っていないと、内容を理解することが困難であろう。その意味でやや「敷居が高い」本ではあるが、新選組ファン・幕末ファンの方にも是非一読をオススメしたい。







