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神を喰らう狼(講談社X文庫)

神を喰らう狼 (講談社X文庫 White heart)

榎田 尤利 (著)

  • 全体の評価 42件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:60917pt
  • 発行年月:2004.4
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ユーザーレビュー- 「神を喰らう狼」

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2004/05/26 14:14

伝説上の狼、その名は“フェンリル”。

投稿者:purple28(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 榎田尤利といえば、“魚住くんシリーズ”。ボーイズラブしか読んだことがなかった私にとって初めてのファンタジー。やっぱりタイトルが心を掴む。
 神を喰らう狼。
 とてもとても大きくて、神をひとのみにしてしまう狼。
 しかし表紙に描かれているのは、キレイな少年。

 そそられる。

 あなたは自分の命に代えても守りたい人がいますか−。
 そう尋ねられて、子供がいたならきっと「いる」と答えられる。
 でも、多分今は「分からない」としか言えない。
 そんな自分が不甲斐ない。

 美しい海に囲まれて育ったボーイにとって、フェンがすべてだった。文字通り、フェンはボーイのすべて。けれど、そんな幸せなときはすぐに終わりを告げる。

 神を喰らう狼とは、伝説上の生き物。高い塀に囲まれて過ごしていたボーイは、フェンから聞かされ、外には大きな狼がいると思い込んでしまう。
 けれど、外には狼なんていなかった。どこまでも続く海は、想像以上に美しかった。そして、そこで初めて出会った、“外界”の人・リトル。彼女の存在が、やがてボーイを変えてく。
 リトルがボーイを変えるのではなく、きっと、ボーイは遅かれ早かれ、変わる運命にあったのだと思う。運命という言葉を簡単に使いたくはないのだけれど、この場合、これは紛れもない“運命”にほかならない。

 ボーイは、フェンだけのためにうまれてきたのだから。
 そしてフェンは、どこまでも優しい人だったから。

 悲劇的な運命を背負う人たちは、どうしてこんなに優しいのだろう。そんなに優しい人なのだから、もういいではないか、それ以上苦しめなくても…。
 しかし神は、さらなる試練を彼らに与える。
 そして、新たな神話がここに生まれた。

 神を喰らう狼。その名は“フェンリル”。


紫微の乱読部屋

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2004/09/27 22:55

箱庭の子供

投稿者:あづさ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初、タイトルを見て惹かれるものを感じた。
ただ、このタイトルの元となるものに気づかなかった。
北欧神話に登場する狼。
ロキ神と巨人の間にできた3兄弟の長子。
そんなタイトルがつけられたこの作品。

主人公は、ボーイ。
箱庭の子供。
彼の世界には3人の人間が存在する。
身の回りの世話をする女性、誰よりも大切な人、ときどき訪れるお客さん。
しかし、箱庭は開かれ、少年は世界を知り、真実を知る。
そして、自分を知る。
読者もまた、少年とともに少年の世界を知っていく。

幸せな少年の真実。
少年の最愛の人が、抱え込んでいた真実。
語られない想い。

彼らが直面する問題は、永遠に我々の前に訪れないものではない。
“いのち”のこと、“人間”のことを考えさせられる作品でした。

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