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紙の本
空の境界 The garden of sinners 下 (講談社ノベルス)
著者 奈須 きのこ (著)
その闇を見ろ。そして己が名を思いだせ−。「直死の魔眼」を手に入れた少女・両儀式を襲う数々の怪異。死そのものを体現化した太極の結界。永遠を求める魔術師。式を苛む殺人衝動の先...
空の境界 The garden of sinners 下 (講談社ノベルス)
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商品説明
その闇を見ろ。そして己が名を思いだせ−。「直死の魔眼」を手に入れた少女・両儀式を襲う数々の怪異。死そのものを体現化した太極の結界。永遠を求める魔術師。式を苛む殺人衝動の先に、真実を告げる記憶の境界が開かれる!【「TRC MARC」の商品解説】
これぞ新伝綺ムーブメントの起点にして到達点!
解説:笠井 潔
2年間の昏睡の後遺症として記憶を失い、この世のあらゆるモノの死を視ることのできる“直死の魔眼”を手に入れた少女・両儀式(りょうぎしき)を襲う数々の怪異。死そのものを体現化した太極の結界。永遠を求める魔術師。そして、再来する殺人鬼――。式を苛む“殺人衝動”の赴く先に、真実を告げる記憶の境界が開かれる――!? 講談社ノベルスから放たれ“新伝綺”ムーブメントの起点にして到達点! 金字塔は既にして打ち立てられた!!
【商品解説】
著者紹介
奈須 きのこ
- 略歴
- 〈奈須きのこ〉1973年生まれ。現在、ゲーム制作会社TYPE−MOONに所属。
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紙の本
「 」という全く新しい境界の概念
2008/01/11 00:09
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ざわ・・・ぶろぐ - この投稿者のレビュー一覧を見る
月並みだけれど、これはもう、とにかく「すごい」としか形容ができない。
胸にズンと重く響く作品だった。
小説はメタファーであることが多い。
物語には著者のメッセージを読みとれることができる。
それは思想であったり、価値観であったり、あるいは感情であったり、
レトリックを使わずに形容することが困難な、複雑なものであることが多い。
『空の境界』は何を伝えたかったのだろうか。
著者に特定の意図はなかったかもしれない(とてもそうは思えない)けれど、
この、奥の方に響くものは、一体なんだ。
それを表現する言葉を選べないが、確かな何かが、ある。
衝撃。倦怠感。カタルシス。存在意義。境界意識。
どれも当てはまるようであり、しかし、不適切だ。
まだ勉強が、経験が足りないのだろう。
この本を理解できる段階に、自分は至っていないのだろう。
今の読後感は、そんな表現しかできない。
紙の本
夢のような日々の名残り
2018/10/28 11:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まな - この投稿者のレビュー一覧を見る
非日常性を世界観として取り上げながらも、主人公が求めているものはとても普遍的な人間味のあるもの。その個のポテンシャルから縁遠く感じられた、日常や当たり前のものといったものへのハードルの高さ。幹也の一見「平凡」の象徴のようで、その実何よりも特別性を帯びるあり方。
昔、日本の精神構造に中空を見出した学者がいた。本書は、日本でしか生まれえない作品のように思う。
紙の本
話も長いが、書評も長い
2004/11/01 23:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るなの 笑子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやぁ、長かった。あまり深く考えない性質の私としては、読み終わるまで、それはそれは堂々巡りのような長い問答(!?)をついついナナメ読み…。作者の方に悪いと思いつつ。
でも、楽しかったよ。斬新な設定で。もう出し尽くしてる感がありますよね、世の中に存在する小説の設定って。
小休止の後、誰の話から始まるのか、詮索しながら読み進めていくけど、コレこそ推理小説か!?なんて思いながら。ははは、わかったのは一度だけ。やっぱ、漠然と読んでいては駄目、駄目。
ほかの皆さんの書評がながくて、それもナナメ読み。ははは、大丈夫、それでも話はわかるから。皆さん、恐れず何かの機会に読んでみては!?
紙の本
解決編或いはクールダウン?
2017/06/08 13:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サラーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
矛盾螺旋で興奮したところで下巻に入ると、これまでの上・中の話を思い出しながらストーリーを完成させる考察に入り、冷静に読み進める形になります。上・中で作中のトップクラスの相手を倒し尽くしているので戦闘的には安心して読んでいる形です。最後までいってようやく空の境界ってこういう話かぁ、と感嘆するイメージです。中まで読まれているのでしたら少し退屈に思っても最後までいくことをオススメします。
紙の本
境界の外から
2004/06/28 20:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:祐樹一依 - この投稿者のレビュー一覧を見る
巻末で笠井潔氏が解説しているように、本書は「日常と非日常の間で交差する、日常的な人物と非日常的な人物による『境界』を巡る物語」なのであります。それゆえ、心理学、哲学的な要素が多く(それは「物語」の中に巧く埋め込むことが出来ている、という意味では、作者の思惑を打ち出すことに成功しているのだろうと思う)、会話文の中にも観念めいた物言いが多くて、この物語と本質を同時に理解しつつ読み進めるのは難しいだろうなあと思いました。
時間軸が何度も前後したり(章立てがそもそもそうであるが)、主観人物がめまぐるしく入れ替わったり、それでいて物語の始点の位置が不安定であったりと、物語の内容に触れる前に、同人誌からの出版であるという本書の特徴が悪い意味で目立つのですが、その実の物語に関しては、早々に興味深いものであることが窺えます。
例えば「生と死」をテーマに据えて描かれる物語は数知れずありますよね。本書に際して言えば、そこに内包されるのは「死と死」であるのではないかと思われます。いわゆる現代劇ファンタジーであることを差し引いても、そこに「生身らしさ」を感じることは薄く、主人公の両義式の人の死を見る能力を始め、魔術を用いる者たちの言動を察するのは、上記のように簡単ではないです。
けれども、我々「日常」的世界に存在する視点から物語を見ることは、「非日常」的なこの物語を完璧に俯瞰した視点で見ることが出来るという特権を有し、おおよその記述を客観視することが出来る。作中にある殺人鬼と殺人鬼を己の内に住まわせる人物、という存在の不安定さにどう気付くかによって、結末に明かされる真実の捉え方も多少変わってこようというもの。「日常」と「非日常」は、どちらが日常の中で優先的に捉えられるものであるのか、普遍と異端は、どちらが突出して存在を主張するものなのか。
そもそも、ファンタジーの世界であるという前提の中で、それらの静かな主張がどれほど我々に響いてくるのか…、それは、実際に読んで、各々が感じることでしょう。それゆえ、僕としては評価を保留します。
しかし…、ああ、やっと読み終わったよー、というのが正直な感想。
(初出:CANARYCAGE)