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世間の目 なぜ渡る世間は「鬼ばかり」なのか

  • 出版社:光文社
  • サイズ:19cm/270p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-334-97442-2

世間の目 なぜ渡る世間は「鬼ばかり」なのか

佐藤 直樹 (著)

  • 全体の評価 4.52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,47042pt
  • 発行年月:2004.4
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明- 「世間の目 なぜ渡る世間は「鬼ばかり」なのか」

古いしきたりや義理なんてとっくに解体したはずなのに、世の中は生きにくいと感じるのはなぜか。日本人ならだれでも思い当たる話題を通して、日本人をつらぬく見えない掟を読み解く。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「世間の目 なぜ渡る世間は「鬼ばかり」なのか」

佐藤 直樹

略歴
〈佐藤直樹〉1951年仙台市生まれ。九州大学大学院博士課程修了。現在、九州工業大学情報工学部教授。著書に「共同幻想としての刑法」「刑法総論」など。

関連キーワード- 「世間の目 なぜ渡る世間は「鬼ばかり」なのか」

ユーザーレビュー- 「世間の目 なぜ渡る世間は「鬼ばかり」なのか」

全体の評価
4.5
評価内訳 全て(2件)
★★★★★(1件)
★★★★☆(1件)
★★★☆☆(0件)
★★☆☆☆(0件)
★☆☆☆☆(0件)

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2004/06/09 11:16

世間の力は人権よりも強し?

投稿者:ポカ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

イラクでの人質事件のバッシングをみて、日本という国のなかで、なにかが起きているのではないかと思った。
その前から漠然と感じていた感覚が、このバッシング騒動で更に強くなった。
けれども、それが「何」なのか分からなかった。
なにが起きているのかを知りたかった。

そういうときにこの本が目に飛び込んできた。
その名も「世間の目」。
そうだ、世間だ!
日本人の「世間」という感覚が、このバッシングと深いかかわりがあるに違いない。

著者は、「世間」を「権力」に近いものと捉える。
ある場合に、個人を拘束する力、強制力を持つと言う。
それは、「日本人が集団になったときに発生する力学」で、私たちがそれに抵抗するのは極めて難しい、と。
そして、その「世間」の力は、「人権」よりも強い、とも。

それでも、昔は、それなりに「世間」が果たす役割もあったのだろうと思われる。
「世間」の良い面もあるということだ。
けれども、現在の「世間」は、どうも良くない方向に肥大しているように思う。
現実的には「世間」は崩壊しているようにおもわれるけれども、実際は、インターネットやメディアによって、もっとひどい状態になってきているのではないだろうか。
崩壊しているのは、昔で言う隣組のような実態のある「世間」であって、実は、顔を見せずに人に干渉できるようなシステムが確立しているがために、もっと、陰湿で冷酷な「世間」が出来上がってしまったように思えてならない。
これは、かえってひどい世の中になっているということじゃないのか。

自分の顔を見せずに、人に干渉するような場合、誰が言ったかわからないということは、その発言に責任を持たずにいられるということになる。
いくらひどいことを言っても、発言した者にはリスクがないから、その発言はどんどんエスカレートしてくる。
「世間」という隠れ蓑に包まって、責任のない発言を垂れ流す。
だから、バッシングは止まない。
そこには、人権の意識もなにもなく、ひたすら自分たちと「異なるもの」に対して、徹底して排除しようとする。
そしてそのバッシングは、顔の見えない声で雪ダルマ式に膨れ上がる。
その恐怖はすさまじいものと想像できる。
だからこそ、人は、「異なるもの」になることを極端に恐れ、同一化しようとする。
そして、「自己」というものは失われる。
というより、はじめから「自己」なんて存在しないのかもしれない。

異物排除の「世間の目」は、世の中全てのところに在る。
町内、職場、そして、学校でも。
大人と同じように、子供にも世間がある。
そして、今や、実体の社会のなかだけでなく、各種メディアや、インターネットなど、広い範囲で、世間の目は監視し、バッシングする。

新聞やテレビのメディアはもちろん、警察や裁判所、政治家までも、世間の目には逆らえないとなれば、人権もなにもない、本当に危険な世の中といって良いのではないだろうか。

日本は、それでいいのか。
そろそろ、日本の社会はガタがきている。
きっと根本のトコロを立て直さないといけないのだと、多くの人が薄々気づいている。
そろそろ、「自己」をきちんと持った「社会」というものをつくってゆかなければいけないのではないか。
著者も、日本には「世間」はあるが「社会」はない、と言っている。
そう言う意味で、建て直しの時期が来ているのかもしれないと、最近のさまざまな事件を見ても思わずにはいられない。

「世間」という観念をきちんと考えなくては、日本は危険だ。

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2004/04/26 14:13

タイミングいいですね、この本

投稿者:BM1(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

イラク人質騒動(「イラク人質事件」ではなく、あえて「騒動」としています)
の顛末を見ていて、
何か、「変だなあ」と思いませんでしたか。
なぜ、あのように大騒ぎになったのか。
なぜ、当事者ではない、家族があのようにマスコミに
出てこなければならなかったのか。
なぜ、あのようにバッシングが起こったのか…


この「世間の目」という本は、「世間」という言葉をキーワードに、
日本の現在を非常にわかりやすく読み解いています。
この本の著者は、大学教授のようで、たぶん高校出たての大学生でも
わかるように、この本を書いたのではないか、それくらい読みやすく、
わかりやすく、そしておもしろく書いてあります。

この本を読むと、例えばイラク人質騒動が、きわめて日本人的な反応だった
のだなということが納得いくと思います。
著者が最初に述べているように、世の中に対する見方が変わってしまう、
ある意味で恐ろしい内容です。
内容としては、例えば
・日本に「社会」はない「世間」がある
・日本に「個人」はない(あるとしても
欧米の「個人」とは似ても似つかぬものである)
・日本では「自己責任」はありえない
(イラクの騒動でも「自己責任」論が出ていましたね)
というような事が丁寧に、ニュースなどの事例を挙げながら書いてあります。
「ああ、そういうこと、あるよねー」と『身につまされる』事例が
たくさん出てきます。それを読むだけでも、おもしろい。

やさしく書こうとするあまり、やや強引に展開しているかな、
という部分もありますが、全体として主張している内容は
非常にわかるし、納得できました。
イラク人質騒動の直後だったからなおさらかもしれません。

なお、「じゃあどうすればいいの」「どうあるべきか」という
「べき論」は、書かれていません。
たぶん、意識的に、極めて公正で中立的な書き方をされています。
ここが「良い」「悪い」は人によって分かれるところと思います。
しかし、著者が提唱している「世間学」(「世間学会」というのがあるそうで、
著者はこの中心メンバーだそうです)は、現在の日本を読み解く最強のツール
の一つと言ってよいと思います。

ぜひ読んでみてください。おすすめです。

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