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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2004/04/26
  • 出版社: 文芸春秋
  • サイズ:20cm/265p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-16-322870-5

紙の本

空中ブランコ (伊良部シリーズ)

著者 奥田 英朗 (著)

【直木賞(131(2004上半期))】人間不信のサーカス団員、尖端恐怖症のやくざ、ノーコン病のプロ野球選手。困り果てた末に病院を訪ねてみれば…。「イン・ザ・プール」から2...

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空中ブランコ (伊良部シリーズ)

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商品説明

【直木賞(131(2004上半期))】人間不信のサーカス団員、尖端恐怖症のやくざ、ノーコン病のプロ野球選手。困り果てた末に病院を訪ねてみれば…。「イン・ザ・プール」から2年、トンデモ精神科医・伊良部が再び暴れ出す!【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

奥田 英朗

略歴
〈奥田英朗〉1959年岐阜県生まれ。プランナー等を経て作家になる。2002年「邪魔」で第4回大藪春彦賞受賞。著書に「ウランバーナの森」「最悪」「東京物語」など。

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みんなのレビュー605件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

奇妙な症状に悩む患者の滑稽な姿と患者を弄ぶ伊良部が読者を腹痛にさせる

2009/12/01 19:22

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

トンデモ精神科医・伊良部一郎が活躍するシリーズ第二弾。
全5話の短編が収録されている。

精神科医・伊良部一郎が強烈なインパクトを持って登場した、第一弾「イン・ザ・プール」
この第二弾「空中ブランコ」も、伊良部のすっとぼけた治療と強烈なキャラクター、そして伊良部に負けず劣らず妙な症状に頭を悩ませる患者たちのパワーは相変わらずだった。

『空中ブランコ』
サーカスの花形・空中ブランコやるリーダー的存在の男が、突然失敗を繰り返すようになった。
その原因は新しくやってきた受け手の男が下手くそに違いないと悩み、やがてサーカス団内でもめ事を起こした。

『ハリネズミ』
先端恐怖症に悩むヤクザ。
彼の症状は次第に重くなり、サンマの頭や机の角にも恐怖を覚えるようになってしまった。出入りがあった日には腰抜けを演じてしまうと悩む。
サングラスでなんとか症状の緩和を試みるが。

『義父のズラ』
伊良部の大学の同期で大学病院勤務の男は、学部長の娘と結婚し、出世コースを歩いている。
以前はよく悪ふざけをしていたのだが、窮屈な環境にストレスを感じ始め、堅苦しい席で派手なことをやらかしたい衝動に駆られ始めた。
そして誰もが密かに気付いている義父のズラに手が伸びる。

『ホットコーナー』
サードを守るベテラン選手は一塁への送球が怖くなった。
ある野次をきっかけに大暴投し、それからまったく上手く投げることができなくなったからだ。
肩痛と偽り二軍で調整するが、それとは対象的にルーキーは活躍する。

『女流作家』
ベストセラーをだしたことのある流行女流作家。
彼女は登場人物の職業がこんがらがり、以前書いた小説に使った職業ではないかと気にするあまり、これまでの作品をチェックを繰り返すようになった。
小説を書き始め職業の段になると胸がざわつき、吐き気が襲ってくる彼女は精神科を訪れた。


このようにどれも個性的な?症状が読者を襲う。
妙な症状に悩む患者たちの痛々しくもどこか滑稽な姿に加え、救いを求めにやってきた患者を困らせるような治療は相変わらず面白く、伊良部の異常な治療方法に嫌々ながらもそれに引きずれられていく患者たちの姿も面白い。

どこかパターン化しているような雰囲気はあるものの、患者はスッキリ全快。変態的な精神科医・伊良部は、もしかしたら名医なのでは?と思わせるラストばかりなので、読み始めると患者の悩み様に笑い、伊良部の行動に笑い、ラストにホロッとさせられる。

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紙の本

またねー

2008/04/10 00:11

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊良部先生のはなしは、
いくらでも読めます。飽きない!!
また、読めませんでしょうか??

伊良部みたいに5歳児なみの考え方で
いきていれば、
必要以上になやむことなんてないのでしょう。

今回は看護士のマユミちゃんが、
結構いかしてました。
なぞのキャラがますますおもしろいうごきを見せてたというか。

義父のヅラ、という話では、
とうとう同期の医者を治療してしまう伊良部先生。
伊良部の学生時代が垣間見える、
ゆかいな一編で、
わたしはいちばん気に入りました。

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紙の本

実は伊良部はまじめな精神科医だと思えてきませんか

2005/07/02 18:45

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る

 きっと多くの人は、この精神科医伊良部の破天荒さを笑い飛ばして、「本当の精神科医もこれほどでないにしても、きっと近いものがあるんだよ」と思っているのだろうなあと想像してしまう。世間一般に知られている精神科医のイメージって、どこかマッド・サイエンティストに通じるものがあるのだ、というのは偏見だろうか。
 もちろん本当の精神科医は空中ブランコに乗りはしないし、ヤクザのふりはしない。街中にいたずら書きはしないと思う。でも、患者とキャッチボールはするかもしれないし、母校へ戻っていたずらをしてくるかもしれない。作家になろうとしてどこかの出版社に売り込みに行っている人もいるかもしれない。それを治療だと思うから変な医者になるんだけれど、一つ一つの行動はそんなに変なことではないかもしれない。
 精神科医が行う治療に、精神療法というものがある。様々な学派、流派があるのでひとくくりにすることが難しい面もあるけれども、その多くは患者の内的生活、内的現実で起きていることを言葉やその他の方法を使って適応的になるようにする治療法だと言っていいかもしれない。そこで取り上げられるのはあくまでも患者の内的現実であるから、診察室の中で患者と治療者(精神科医)との間でだけやりとりされるものだけれども、この伊良部医師は診察室の中で行われるやりとりを目に見えてわかる外的現実の中で行おうとしているように見える。普通の精神科医なら言葉で片付けてしまう物事を、伊良部は身をもって具体的な事物でもって示そうとしているようだ。だからやっぱり伊良部は精神科医なんだと思う。
 この本には『空中ブランコ』『ハリネズミ』『義父のズラ』『ホットコーナー』『女流作家』の5編が収められていて、それぞれ恐怖症や強迫性障害などが取り上げられている。病気そのものはありふれたものを扱っていると思う。話の面白さは、病気の症状からくるのではなく、サーカス団だったり、ヤクザだったり、カツラの医学部教授だったりという設定の面白さなのだろうと思う。
 その設定の面白さに惑わされて、伊良部が本当にしようとしたことまで笑い飛ばしてしまうと、この連作小説にある精神療法的面白さが消えてしまうのではないだろうか。

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紙の本

読んでる方も癒されそう!

2005/05/17 06:11

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る

精神科医伊良部のキャラがめっちゃ面白い。楽しく読めましたヨ!

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紙の本

笑い話でも、これだけうまく聞かせられれば拍手喝采!

2004/08/29 13:28

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ディック - この投稿者のレビュー一覧を見る

 対人的なストレスなどが原因でベテランの職業人が仕事に行き詰まる、という場面から始まる同パターンの連続短編が五話。
 第一話の主人公は中小のサーカス団ではたたき上げの空中ブランコ乗り。ブランコからの落下が続くのは新入りの受け手がしっかり受け止めてくれないため、と思い込んでいたが、同僚や家族からは休養を勧められる。「原因は自分ではなく新米のやつだ」と彼は言い張るのだが…。
 尖ったものを見ると怖くなって震えがくるようになってしまったやくざの若頭が主人公の第二話は、ちょっとこしらえ過ぎという感じ。
 第三話は、大学病院の医学部長の娘と結婚して出世街道を走る若い医師が主人公。しかし、「義父のかつらを人前で剥ぎ落としてしまいたい」という強迫衝動を必死に抑えている。家族揃って澄まし屋の妻の実家との付き合いがストレスになっているのだ。職場と家庭の双方を舞台にしたどこにでもありそうな話で、会社人にもうけそうなプロットだ。
 第四話以下は読んでからのお楽しみ。

 さて、いずれの主人公も悩み抜いた末にある病院の神経科に駆け込む。
 ここで登場するのが巨体の伊良部医師だ。無神経なのか天真爛漫なのか、患者からみると見当のつかない性格で、治療どころか患者と一緒に遊び始めてしまう。
 第一話では押しかけ往診のついでに空中ブランコを始めるし、第四話ではプロ野球の三塁手相手にキャッチボールを強要する。そうこうしているうち、なんだかごまかされたように患者の精神状態は改善していく、というワンパターンの物語が続く。
 いや、水戸黄門と同じでワンパターンだからおもしろいのだ。
 尖端恐怖症のやくざの話など落語のようなバカ話だが、程度の差こそあれどれもみな笑い話なのである。それをおもしろく聞かせるのが噺家の腕、著者の手腕というもの。

 軽い読み物に仕上がっているが、読んでいく中で読者はふと、自分のふだんの生活を振り返ることになる。そういう部分もしっかりはさみ込んでいるのがうまい。

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紙の本

VeryEasy

2004/08/11 00:37

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あすか - この投稿者のレビュー一覧を見る

話の肝は「異界の稀人との出会いによる自分の解放」ですね。
ただし、そんなに気難しいこと言わずに非常に軽妙でくすりと笑わせてくれる漫画もしくは、落語のようなお話に仕立てありあっという間に読み終わります。
しかしながら各短編の登場人物の皆さんはすべて、全く何の葛藤もなく精神科の受診をされますね。そんな柔軟性がある方ならそこまで悩むこともないのでは?
昨今の現実は、近年増加する一方の自殺者のほとんどはメンタル系の疾患であった可能性が高いといわれているではないでしょうか。そんなことを考えると心の底からは楽しめない小説でした。

であれば同じような内容であっても漫画や落語のほうが非現実のエンタテイメントとして屈託なく楽しめるかもしれませんね。時代にコミットメントしていない小説、そしてこの内容で直木賞というのはどうかなと思いました。

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紙の本

可笑しく面白く、楽しい短編集

2004/07/24 20:03

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

可笑しく面白く、楽しい短編集。2004年直木賞受賞作。奇妙な脅迫神経症に取り付かれた人々と、子供のような心の奇人精神科医の物語。作者は心理学者か精神科医ではないかとも思われるほど、おかしな話の中に、人間の心理の本質の部分が現れてきている。飛べなくなった空中ブランコ乗り、先端恐怖症のやくざ、ノーコンになった野球選手、医学部長の鬘を剥ぎ取りたい衝動の精神科講師、書けなくなった女流作家。誰もが職業人として生き残れるかどうかの危機に直面する。真剣に生きようとすればするほど、奇妙な強迫観念に捕われてしまい、抜け出せなくなる。その人たちが、こだわりの無い好奇心溢れる子供のような精神科医と、周囲の人々との交流の中で、これまでの生き方、考え方を変えて行く。ユーモア小説、お笑い小説のようでありながらも、誰にでもありうる人間の心理が、描かれている。そこが直木賞受賞の理由なのであろう。

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紙の本

こんな精神科のドクターがいれば…

2004/07/20 20:13

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なかちん - この投稿者のレビュー一覧を見る

通院している心療内科のDr.に薦められました。
本当に面白い。こんな精神科医がいれば
みんな病気で悩んでいることが馬鹿馬鹿しくなって
治っちゃうんだろうな。
いい加減に突き放しながらも、患者の見えない所で
患者も巻き込んでこっそりと治していく。
理想的な治療法です。
泥臭いようだけど、実は精神医療の先端かも。

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紙の本

いやあ、WEBで見てもキラキラしているのが分かるでしょ、手にとって見ると、豪華だよ。中味も面白い。使いまわしの謎まであって

2004/07/14 19:41

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

先日、画廊を経営している友人からメールが入った。「NHKのラジオで聞きかじって、「おもしろそー!」と思ったのですが、「In t he Pool」と言ってたように記憶している…のですが…、本屋さん はそんなの無いというんです。ナンダカ賞の候補になった抱腹絶倒の秀作らしい。精神科のはちゃめちゃな先生の物語。知らない?」

で、さっそく私は「とっくに紹介しています。奥田英朗『イン・ザ・プール』(文藝春秋社)直木賞候補、現在、続編が文藝春秋からでています」と返信、その続編こそなにあろう、今回取り上げる『空中ブランコ』である、ひ、控おろう、頭、頭が高い、この印籠が目に入らぬか、無礼者である。

既に書いたように『イン・ザ・プール』に続く注射好きの肥満体医者伊良部シリーズの第二段で、相変わらず彼の診察室は伊良部総合病院の地下にある神経科だし、ボディコン気味の白衣から肌というか、もうこの本では「ボイン」と書かれている胸元を覗かせる美人看護婦がいる、というのも少しも変わっていない。

で、今回のカバーは結構、ケバイ印象で、その原因というのはとりもなおさずサーカスのテント小屋のライトが煌々とした光景にあることは間違いない。で、その左上に我が家の長女が思わず「かーわいい!」と言ってしまったあちら産のキューピッドみたいな男の赤ちゃんのスッポンポンの姿があるわけで、そういう目を引く光景は木下サーカスのそれで、デジタルアートが増田寛、写真が山本雷太、カバー全体がキラキラしている、そういう装幀を考えたのが石崎健太郎。

相方を信じることができなくなった空中ブランコのフライヤーのベテラン。妻に勧められて出かけた精神科で彼を待っていたのは、100キロを越すだろう巨漢医師と、豹柄のパンツに見を包んだ、注射が終われば寝転がって週刊誌を読む看護婦だった「空中ブランコ」。突然、先端恐怖症に罹ったインテリヤクザ。刃物はおろか指の先、机の角までが怖くて仕方がない。二歳年上の女に勧められて出向いた精神科医で、突然押さえ込まれたところに看護婦の注射が「ハリネズミ」。

学部長に義父がなったばかりの病院勤務医師。大学の同窓会で見かけたのは、肉に喰らいつく巨漢の同窓生だった。精神科の医師である友人のもとを訪ねることになった彼が告白したのは「義父のヅラ」。送球のコントロールが効かなくなったプロ野球選手の不安「ホットコーナー」。自信をもって書き上げた作品が売れない、それがきっかけで自己不信に陥った「女流作家」。

友人が興味を抱くのも、尤もである。前作も褒めたけれど、今回もいい。とくに表題作「空中ブランコ」のラストの一行、目に浮かぶようである。無論、どんでん返しなどではない。階段を上り詰めた最後に見る光景とでも言ったらいいのだろう、予想通り、でもそれが鮮やかなのである。この人は上手い。ご当人は犯罪小説が好きなようだけれど、私はこの人のユーモアセンスを買う。

とくに伊良部が嬉々として遊ぶ(本人は治療と言い張るけれど)が、なんとも可愛い。サーカスでは空中ブランコ、深夜の都会では悪戯書き、プロを相手にキャッチボール、ベストセラー作家に自作を押し付けることに目を輝かせる肥満児。その様子の美しいこと。阪神の伊良部だって、このくらい楽しげな表情を見せれば、ぜったいに勝ち星だって増やせるはずだ。

おっと、赤ん坊の使い回しについて触れておこう。何の話かって? カバー左上にいるキューピッドのような裸ん坊のことである。よーく見てご覧、前作『イン・ザ・プール』と同じ位置、大きさ、ポーズ、表情、違うのは色だけ。使いまわしもここまで堂々とやられると、降参です。次回も同じ路線でやっておくれ。

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紙の本

前作も面白いが本作はさらにパワーアップ!

2004/06/14 08:21

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

“満を持して刊行”ってこの作品のことなんだろう。
読者がワクワクして本を手にとる。
きっと出版界の理想であるにちがいない。
それもこれも“スーパーキャラ”伊良部大先生のおかげだ。
前作『イン・ザ・プール』で初登場してファンの度肝を抜かせた伊良部先生。ますますパワーアップして再登場です。
もちろん男性ファンお待ちかねの“Fカップ看護婦”のマユミちゃんも健在。
一気に読めること間違いなし。
ただし電車の中では読まないで下さい。
あなたが伊良部先生のように思われてしまうから(笑)

前作と比べて患者の悩みが“ナーバス”な悩みが多くなったような気がする。
というか、前作は奇人・変人な患者が大くて読後は伊良部先生の方がまともだなあと思ったもので滑稽さだけが目についていたきらいがあったような気がするのだが、本作は職業こそ違えども読者が日常同じような体験をすることが出来るレベルの悩みが各編の主流となっている点は見逃せない。
いわば患者が“読者の分身”といえよう。
だから、自然と読書にも熱が入るし応援してしまう。
例えて言えば、前作はプロ野球を自宅でテレビ観戦、本作は球場で観戦って感じである。
通常、続編ってトーンダウンすることが大半だと思うが、本作は明らかにレベルアップされてるように感じられる。
“直木賞受賞間近”と言って良さそうだな。

本編に出てくる5人の患者は以下の通りである。
相方を信用出来なくなった空中ブランコのり、先端恐怖症のヤクザ、学部長(養父)のカツラを剥(は)ぎたい衝動に苦しむ大学病院の精神科医、突然コントロールが悪くなり一塁に送球できなくなったプロ野球のレギュラー三塁手、小説が書けなくなった女流作家…

どれもこれもシリアスな悩みを“伊良部キャラ”で癒し→治癒してくれる点は見事のひと言。

とりわけ最後の「女流作家」は伊良部先生のいつものハチャメチャぶりはもちろんのこと、話の内容としてかなり辛辣で一読に値する。
やはり本が1冊でも多く売れて欲しいという切なる奥田さんの願いが込められている点は読者の胸に深く刻まれたんじゃないかな。

あと面白いエピソードとして伊良部先生の大学生時代のエピソードが出てきてこれも微笑ましく感じちゃうから大してものだ。
きっと伊良部先生自体が読者に幅広く受け入れられた事の証しであろう。

他のどの作家のシリーズ作品よりも“再々登場”を願ってる読者が多いと断言して良さそうですね(笑)読者が伊良部先生によって普段心にこもってることが解決された気分になるから凄いよね。

未読の方は是非手にとって欲しい1冊です。別に本作を先に読まれてもなんら問題ないということは付け加えておきたい。

トラキチのブックレビュー

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紙の本

笑える、ブラックジャックかも。

2004/05/12 15:36

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:池のワニ - この投稿者のレビュー一覧を見る

デブで中年で二重顎で、髪はぼさぼさ。
どこから見えても不恰好。そばにいたら、めっちゃ居心地悪くてたまらんでしょう。ここまでみっともないアンチ・ヒーローなんて、いただろうか。
お話のカギを握る伊良部一郎は、いしいひさいちの漫画「がんばれ!!タブチくん!」を百倍くらい、ぶさいくーにした男。ただの愚鈍なブタにしか見えないこの男、しかし次々と救いを求めるひとたちを助けてしまう。
「イン・ザ・プール」に続く連作シリーズものですが、前作よりさらにコミカルさに磨きがかかっている。
彼は親の七光りで、親父の建てた病院の地下で精神科の看板を掲げている。患者は滅多に来ない。そりゃそうだろう。何かというとビタミン注射を打ちたがる「注射フェチ」。カウンセリングも、人の話は半分も聴いちゃいない。薮も薮。そんな医者のところにも、ときおり客は迷い込んだかのようにやって来る。即座に逃げ出すのが通常の神経の持ち主なのだが、患者たちもよっほどな事情を抱えていた。鉛筆の先さえ怖くてたまらない「先端恐怖症のやくざ」、突然スローイングができなくなった名三塁手など、誰にも打ち明けられない病におかされた人たちを、いったいドクター・イラブはどう救うのか。いや、人は自分の力でしか救われない。それを気づかせるのが彼の役割でもあるのだけれど。二作目とならば展開のパターンは読めてしまうのだが、それでも傑作。キリストって本当はこんな人間じゃなかったのって思わせもする。ま、そんなはずはないでしょうが。
とにかく、一言でいうなら、
みっともないことがこんなにもカッコいいだなんて、サイコーです。

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2004/09/22 03:49

投稿元:ブクログ

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2004/09/28 23:58

投稿元:ブクログ

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2004/09/30 21:42

投稿元:ブクログ

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2004/10/13 14:24

投稿元:ブクログ

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