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娼年(集英社文庫)

  • 出版社:集英社
  • レーベル:集英社文庫
  • サイズ:16cm/223p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-08-747694-4

娼年 (集英社文庫 call boy)

石田 衣良 (著)

  • 全体の評価 4.53件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:42012pt
  • 発行年月:2004.5
  • 発送可能日:24時間
  • 文庫

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ユーザーレビュー- 「娼年」

全体の評価
4.5
評価内訳 全て(3件)
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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/08/14 22:58

優しさと静けさに満ちた小説。

投稿者:かず吉。(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

娼年。文字どおり、体を売る男の子の話。
男の子といったら語弊があるかもしれない。

主人公とは大学にほとんどいかずにBarでアルバイトを
している、何をしたらいいのかわららない、20歳。
偶然であった、女性のためのCall boy Clubを経営している
女性と知り合い、体を売るようになる。女性もセックスも
つまらないと言ってはばからなかった主人公は、その世界に
はまっていく。

お客さんごとに違う要求、違う性的指向を目の当たりに
して、主人公は性を追求していく。セックスの指向なんて
ほんとに人の数だけあるんだと思う。

石田衣良さんの小説の中でも雰囲気がだいぶ違う本で、
その雰囲気がとても僕は好きで、何度か読み返している。

小説に漂っている、静かな、穏やかな雰囲気がとても
気に入っている。

性的な描写もとてもきれいに書かれていて、嫌悪感は
僕にはない。もしかして、読む人によっては嫌悪感を抱く
かもしれない。

今回も読み返している最中から、何かうまく説明できない
けれど、心に浮かんできて、読み終わった今、心の片隅には
何かが確実に、残っている。そんな小説。



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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/02/03 11:50

傑作。

投稿者:ひろし(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

石田衣良を知らずしてこの本を手にする人はあまりいないだろうが、もしそんな人がいたらちょっと眉を顰めるような内容かもしれない。20歳の青年リョウが、娼夫として一夏を過ごす中で色々な女性と知り合い、成長していく?と言った物語。特殊な趣味を持った女性もいる。いや特殊な趣味をもった女性の方が多い。中には自分の祖母より年上と思しき女性とも、ベッドを共にする。その中で、女性と人間とを知っていく。
性的描写が細かく具体的で、ちょっと面食らう部分もあったが、しみじみと胸に染み入って来る物が確かにある。そして、確かに彼の作品でしかありえないと思わせられるテイストがある。
大変な売れ行きを見せ、直木賞候補になったのもうなずける1作。彼の作品はどれも素晴らしいが、その中でも珠玉の1作と言っていいのではないだろうか。特に女性ウケしそうな作品に思えた。

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2004/05/24 10:34

「娼年」というタイトルながら、少女のように心震わせる女たちに目が吸い寄せられる

投稿者:ミケ子(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「娼年」というタイトルが、目に飛び込んできた。
電車で居眠りをしていて、ふと目が覚めたそのときに。

 少女漫画「正しい恋愛のススメ(一条ゆかり)」を読んだことがあるので
あんな感じで美少年の男娼が出てくる話かな、と思って読み始めた。
そう、その通りでした。
美少年(美かどうかわからないけど)が、ふとした好奇心から男娼になり
普通のホストクラブなどには、たぶん来ないであろう種類の女性たちを相手にする。
 タイトルが「娼年」だから、20歳の大学生リョウが主人公の、ひと夏の成長物語であると
思うのだが、私はリョウが相手をした女性たちの方に意識が流れていった。
それは私が女性だからかもしれない。
男性作家の描いた女性なのに、これほど彼女たちの哀しみのようなものが私の心に
沁みてくるのが驚きだった。
名のある男性作家の描く女性像というのは、今までちっとも心に響かなくて
「何なの、コレ。」という感じで反発を覚えたものだ。
女性が女性を描いた時もまた、特に官能的な場面は生臭い感じがして私は好きではないのだが
この小説の中の女性の描写には生臭さを感じなかった。
女性が知っている女性というものを、生臭くなく、まるで少年のような透明さで描いていると思う。

 陽炎のような、水のなかでゆらめいているような、そんなつかみ所のない印象の中で
(つまり、そのことで登場人物すべての不安な心の揺れを感じ取れるのだが)
ひときわ実在感を持って迫ってくるのが、リョウの大学の同級生メグミだ。
あの、断定的な物言いは、「常識的」すぎて、逆に何かに取り憑かれているような狂気を感じた。
「きっとリョウくんも、いつかわたしに感謝するようになる。
わたしはすべてリョウくんのためにやるんだからね。」
とたたきつけるように言ったメグミの姿は、そのまま子どもに対する母親の姿と重なって怖かった。
リョウが男娼として売れっ子になりダブつくほどのお金を稼いでも、金銭的な感覚が
マヒしないようにとバーテンダーのバイトを辞めないのと同じで、メグミのその怖いくらいの
「常識的行動」もまたこの社会で生きているんだという実感を忘れないためにリョウには
必要かもしれない。

 石田衣良の小説は「うつくしい子ども」とこの「娼年」しか読んだことがないけれど
繊細なタッチがかなり読み心地が良いので、他の作品も読んでみたいと興味が湧いてきた。

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