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ローマ人の物語 8 ユリウス・カエサル 上

  • 出版社:新潮社
  • サイズ:16cm/215p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-118158-6

ローマ人の物語 8 ユリウス・カエサル 上 (新潮文庫)

塩野 七生 (著)

  • 全体の評価 54件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:42012pt
  • 発行年月:2004.9
  • 発送可能日:24時間

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商品説明- 「ローマ人の物語 8 ユリウス・カエサル 上」

【新風賞(第41回)】【「TRC MARC」の商品解説】

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ユーザーレビュー- 「ローマ人の物語 8 ユリウス・カエサル 上」

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4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/09/14 22:28

「ローマ人の物語」で最も面白い巻といえばココ!

投稿者:homamiya(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

塩野七生による、ローマの誕生から滅亡までを描いた傑作名著「ローマ人の物語」。
このシリーズの中で最も面白いのは、文庫版で3~5巻の「ハンニバル戦記」と、8~13巻の「ユリウス・カエサル」だと思う。
これらの巻だけを抜き出して読んでもハナシはわかるので、友達に「面白い本ない?」と言われたらこの9冊だけを渡すこともある。

歴史本なのに、小説にも負けないドラマチックなストーリーと、登場する英雄達を実に生き生きと描く著者の筆が、「ハンニバル戦記」と「ユリウス・カエサル」を、盛り上げる。
特に、カエサルを書く著者の筆は、本当に面白い。著者は、きっとカエサルが大好きなんだろうと微笑ましくなるくらい。
カエサル自身の発言、まわりの評価、後世の歴史家のことば、著者自身の考えをおりまぜ、その魅力をあますことなく紹介してくれる。

「ユリウス・カエサル」は、カエサルの若い時からガリア遠征を描く「ルビコン以前」と、ローマの共和制打倒のために内乱をおこす「ルビコン以後」に分かれる。

若い頃は、あまりぱっとしなかったようだ。
30歳を過ぎて、アレクサンダー大王の像を見て、彼が世界を制覇した年齢に達したのに自分は何もやってない、と反省し、ここから、広大になり統治システムがうまく働かなくなったローマ国家を変えるべく、その目的に向かって、ひたすら進む。
政界に進出し、自分も他人も利をこうむるやり方で、着実に出世し、有力者と手を組み、そして8年間にわたる遠征で、ガリアをローマの支配下におくことに成功。
ガリアの各部族との物理的な戦争がある一方でカエサルが倒そうとしている共和制をになう元老院との政治舞台での戦いがあり、ガリア平定後、元老院から最後通告をつきつけられ、ルビコン川を渡って国家に内乱を起こすか、元老院に従い志をあきらめるのか!?というところで「ルビコン以前」はドラマチックに終わる。

リーダーたるものこうあるべき、という理想像のようなカエサル。その言動は、現代の人が読んでも参考になるのでは。

どんなときも自信があり機嫌のよさを失わず、知性と教養にあふれ、ユーモアを忘れず、女にモテて、目的を達成するための合理的な考え方、部下へのいたわり・敗者への寛大さ(それも目的を達成するための手段かもしれないが)・・・・・。著者の書くカエサル像に、魅了され、ルビコン川を渡るときには、自分も一緒に戦いたくなってしまう。

何故カエサルが女にモテたのか?という考察や、借金まみれでも平気だったという彼のお金に対する考え方、なども面白い。

私財をためる事には興味のなかったカエサルだが、公共事業など必要なものには金をおしまなかった。そのために莫大な借金をしても、全く平気。
それは、あまりに多額の借金は、債権者にしてみれば債務者が破滅して取立て不能になっては困るものとなり、債務者を援助してしまうようになる、という人間心理をついた理由から。
事実、カエサルは多額の借金の債権者にさまざまな事で手を貸してもらっている。
金に飢えず、他人の金と自分の金を区別しない、お金に対する絶対的な優越感。
後世の研究者に「カエサルは他人の金で革命をやってのけた」と書かれる様な。
この一事をとってみても、タダ者ではない感じがステキだ。

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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/03/07 20:01

闘いを勝利に導くもの

投稿者:hisao(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

塩野さんが“ローマ人の物語”が書かれ始めたのが92年、この名作もついに14巻。
なかでも共和制の幕を引き、かのローマ帝国への道を開き、ヨーロッパ世界を創出したカエサルの章は圧巻です。
ご自身が書かれたダイジェスト版“痛快ローマ学”で塩野さんは“指導者に求められる5つの資質”として知力・説得力・肉体上の耐久力・自己制御力・持続する意志を挙げ、このカエサルに全ての面で100点満点を献上しておられます。
塩野さんは1937年生まれ、今年69才だそうですが、史上最高の英雄カエサルを描く筆致には、まさに瑞々しい恋慕の情さえ感じられ なんとも微笑ましい気が致します。
メインテーマーはルビコン以前は祖国ローマーを守ってのガリア、ゲルマンとの闘い、ルビコン以降は共和制に固執する元老院勢力との闘いですが、私が“女たらしの借金王”としてのカエサルにも特に引かれたのは“平和惚け”故でしょうか。
貧乏貴族の青春、同僚貴族の妻子を次々とモノにしてはの別れ。別れた彼女から決して恨まれたり憎まれたりした事は無かったそうです。カエサルの“優しさ”に通ずる“心理洞察力”の大きさにほとほと感心させられます。
闘いに於いても“心理”を最も重視するカエサルは兵站と工作を重んじ戦士の士気を最も重視する事は勿論、敵に“逃げ道”を与えローマ市民権を与え彼の家名ユリウスさえ与えます。
“寛容”と言うより、全ての人民を彼のめざすコスモポリス(世界国家)構築に巻き込むのです。
属州民の征服を属州をローマ化する事で成し遂げる戦略、元老院議員を増やす事で逆にその勢力弱体化を図る戦略は、青年期海賊に捕獲された際“俺を誰だと思っているのか”と一喝、逆に自分の身代金を自らつり上げる事で窮地を脱したり、借金を際限なく大きくする事で逆に自分の立場を強め返済を免れた戦略に通じます。
物事を深い心理洞察力で多面的複眼で捉えながら、何者も決して恐れることなく実行に突き進むカエサル。
“劇場政治”家にして読書家の小泉首相も塩野さんの畢生の名作“ローマ人の物語”を手に取られ感動、英雄カエサルの戦略・戦術を 我が物にされたかったのでは無いでしょうか。
それ程に この本に書かれている内容は現代に通ずるものが有ります。
当時の元老院“共和制”との闘いは優柔不断で保身に汲々とする“官僚”との闘いと申せます。ある時は心情に訴え、ある時は強気の恐喝。小泉首相の“官界”リストラに賭ける信念と自信のエネルギーもひょっとしてカエサルにならったモノかも知れません。
しかし 塩野さんも言っておられます。闘いの最終的勝敗を決するものは やはり古今東西、指導者の“人望”に尽きるようでは有ります。
“司令官に求められるのは戦略的思考だけではない。待つのは死であるかもしれない戦場に兵士達を従えて行くことの出来る人間的魅力であり人望である”
人望とは“人を寄せる心”です。支配される者への“優しさ”こそが支配者への“人望”を形作り闘いを勝利に導くように思います。

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2005/04/05 20:21

カエサルの自信は、どこから来るのか?

投稿者:明るい仙人(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本は、ローマの英雄カエサルの40歳までが語られています。

カエサルは、生涯を通じて、絶望的な状態になっても機嫌の良さを失うことがなかったこと人だということを初めて知りました。

塩野さんは、カエサルの機嫌の良さは、ゆるぎない自信に基づくもので、それは、母の愛情に植え付けられたものであると言っています。

塩野さんは、母の愛情について、さらに語ってくれます。

母の愛情が、男にとって最初に自負心をもたせてくれる。
母の愛情で、人は自然に、自信に裏打ちされたバランス感覚も会得する。
そして、過去に捕われずに未来に眼を向ける積極性も、知らず知らずのうちに身につけてくる。

塩野さんの言葉は、非常に重い。

子供に必要なのは、環境でもお金でもなく、母親の愛情である。
逆にいえば、母親の愛情さえあれば、子供は、これから生きていくうえで大切なものを得る。

愛情というものの大切さを、教えられました。

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2004/09/20 20:27

一石三鳥の英雄譚

投稿者:佐伯洋一(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 主人公はユリウス・カエサル(シーザー)といいたいところであるが、この「ローマ人の物語」シリーズは、特定の主人公にカッコつきで喋らせたり、ということはない。この時期のローマを語ると必然的にカエサルが主人公となるにすぎない。
 叙述は、あくまで客観的に史実を概観する文体を採る。それだけに、史実に忠実であり、小説的な面白みを味わいつつ、勉強も出来るのが本書の凄いところ。
 
 ヨーロッパでは、このローマの傘下に入っていたことが国家の誇りであり、それ故にカエサルに無視されたゲルマン系民族(現ドイツなど)は今でも肩身の狭い思いをしている。磐石に見えるEUも歴史問題の細かいところには未だに結構問題を抱えており、本書はその問題の根本の部分を見ることが出来る。
 
 イギリスが始めて国際舞台に姿を現すのも、このカエサルによるイギリス上陸からである。この点についてもドイツとイギリスの研究者たちにはかなり白熱した議論になるところで、本書ではその点についても史実を追いつつ説明が加えられる。さらに、諸葛孔明、楽毅、韓信、家康、秀吉その他東洋の天才たちと西洋の天才の違いが随所に出ており、そこにさえ民族的な何かを感じる。三国志や関ヶ原などで東洋的英雄に馴染んで来られた方にとっても多くの新鮮な発見があり、新たな世界が拓けるだろうと思う。

 カエサルはアレクサンダー大王、カール大帝(シャルルマーニュ)と並んでヨーロッパ最大の英雄であり、ヨーロッパ人なら子供でも知っている。東洋人の私たちも、これからの国際社会では絶対に知っておくべき人物だと思います。外国人が自分たちの歴史に詳しいと、とかく嬉しいもので、そういった知識のストックのある人こそ「教養ある国際人」なのかもしれない。

 そして、もしこれから海外旅行を計画しておられる方がいたら、ぜひ本書を読むことをお勧めします。そうしたらその行き先にイタリア・ローマがかなりの確率で候補に加わると思います。ヨーロッパの至る所にカエサルらローマの残した史跡や戦場跡などがある。その中には本書でお馴染みの地名や場所も相当ある。
 本書は、楽しみと教養のみならず、ただの海外旅行に大いなる価値をも与えてくれる(実際、私もそうでした)。これがきっかけで海外旅行を計画される方もきっと多いでしょう。

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