紙の本
生きる歓びとしての社会起業
2004/10/10 19:39
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
NPOのような企業(ビジネスの社会化)、企業のようなNPO(NPOのビジネス化)。営利(経済的価値・市場原理)でも非営利(社会的価値・使命感)でもない問題解決型の社会事業。企業(純粋な商業主義)とNPO(純粋な社会貢献)の中間に位置するもの。社会を変えるための道具として会社を使うこと。所属組織に対する忠誠心ではなく、目的達成に対する忠誠心。ビジネスマンや事業家である前に市民であること。働き方と生き方とが同じ。好きなこと、楽しいことと仕事との一致。サラリーマンと社会起業家の二足のわらじ。──思いつくままキーワードをいくつか並べてみた。十年前なら世迷い事だったろう。日米の社会起業家の軌跡と志、彼/彼女らの活動を生み出した潮流とその帰趨、そして自らの体験を通じた理論化の試みがコンパクトに凝縮された本書を読むと、なにかしら未知の時代への変革の扉がしっかりと開かれているように思えてくる。(生きる歓びそのものとしての社会起業。中世的とでも仮に名づけられる宗教経済のネットワークを立ち上げること。あるいは「日本的経営」なるものが流産させてしまったもの。)
投稿元:
レビューを見る
1.自分の好きなこと、楽しいことに夢中になろう。 2.いろいろな人と喜びや悩みを分かち合おう。
3.効率を優先させない。何が大切かを見極める。 4.かわいい子には旅をさせよ。かわいい子だけでなく、自分がかわいい大人も旅に出よう。きっと名案が浮かぶから。
5.おかげさまで、の気持ちを忘れずにいよう。 6.あきらめるから失敗する。成功するまで頑張ろう。 7.人と競争するのではなく「協奏」しよう。
8.人生に無駄はない。一見、マイナスなことでもそこから何かが見えてくる。 9.人がどう思うかではなく、自分がどう思うかを大切にしよう。 10.たまには自分を褒めよう。
投稿元:
レビューを見る
筆者が社会起業家から教わった生きかた、働きかたの10の極意。
?自分の好きなこと、楽しいことに夢中になろう。
?いろいろな人と喜びや悩みを分かち合おう。
?効率を優先させない。何が大切かを見極める。
?かわいい子には旅をさせよ。かわいい子だけでなく、自分がかわいい大人も旅に出よう。きっと名案が浮かぶから。
?おかげさまで、の気持ちを忘れずにいよう。
?あきらめるから失敗する。成功するまで頑張ろう。
?人と競争するのではなく「協奏」しよう。
?人生に無駄はない。一見、マイナスなことでもそこから何かが見えてくる。
?人がどう思うかではなく、自分がどう思うかを大切にしよう。
?たまには自分を褒めよう。
ちょっとクサイ部分もあるけれども、本当にその通りですね。いちいち納得です。日々変わりゆく社会を見る眼が、よりポジティブになりそうな素敵な一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
★必要なもの
・熱い思い
・行動に移すパワー
・現実問題を乗り切る頭のよさ、要領
・個人でできることと、他人とつながって初めてできることを区別する
★社会起業家の形態
・NPOのような企業(社会運動として、会社のイメージアップのため)
→EX.)アイスクリーム屋、環境専門の法律事務所、パタゴニア等、CSRの強化(多国籍企業の責任の拡大)
・NPOやNPOのような企業に出資する企業
・事業型NPO
→効率化を図った。寄付ではなく、投資を受ける。
Ex.)投資先企業を査定するNPO、地域開発
★扱う分野
人権・環境・労働・貧困・不正など
★個人の参加
・消費者として→ボイコット
・投資家として→投資(優良企業の基準、「ダブル・ボトムライン」)、物言う株主
★社会起業家の育成
・MBA:NPO運営、CSR、資金調達方法
・「かっこいい」「好き」のエネルギーを使ってよし!
★社会起業とは・・・
「問題解決型の社会事業」
ボランティアは助けるだけでなく、問題にこだわること。
投稿元:
レビューを見る
社会起業家って友達が喋っててなんだろうって思ってて
この本を見つけた時にその疑問が再び沸き起こってきたから読んでみた。
利益一辺倒ではなく、社会の利益(いわゆるNPOがカバーする事)を考えて行動する企業
ないしは、寄付金等に頼ってばかりではなく、利益をあげる事ができるNPO
のどちらかを率いる、設立する人たちを社会起業家と呼ぶらしい。
例えば、営利企業として設立されたアイスクリーム屋さんなんだけど
売上の多くを寄付に回したり、アイスクリームのカップをエコな紙で作ってたり
っていうのが、社会の利益を考えて行動する企業(企業の社会化)
逆に、NPOなんだけどやたら資金に占める売上高の割合が高い事は
NPOのビジネス化、というらしい。
はっきりした定義があるようだけど実はないっていうのはわかった。少なくとも伝わってこなかった。
今まであった営利企業がCSRとかをはじめたらそれは社会起業家が率いてる企業と呼ぶのか?
普通のNPOも収入の50%以上が売上というところがほとんどらしいが、
じゃあどこからが資金に占める売上高の割合が高いというのか? とか、疑問は湧いたけど答えはなかった。
まあ、たぶん言葉の定義なんてそんなに重要じゃなくて、重要なのはこういう現象が起きてる事、だろうけど。
なぜ、こういう状況になったのか。変化が起きつつあるのか。
会社は、
グローバル化し国家を凌ぐほどの経済規模を持ち始めたから
ステイクホルダーズの要求が変わったから
エンロン事件の影響(エリートMBAホルダーが大企業のあり方に疑問を持ち、公正な企業の起業に走った、らしい)
NPOは
小さな政府の増加
資金調達が困難である事
ベンチャー・フィランソロピーの登場(ビルゲイツの財団とか。今までの寄付者と違い、長期的な視野に立ち寄付をし、
かつNPOに足りない経営手腕等々を重要視し、それを提供できる財団が増えた)
らしい。
さらに、彼らが協力し始める事がどちらの利益にもなるため
パートナーシップを組み始めている(例として、スタバがフェアトレードのコーヒーを使ってる事)
その潮流は、
グリーンMBA(コンプライアンスやサステイナビリティ等の授業がMBAでも必須科目になり始めている)
社会責任投資(Social Responsible Investment:SRI)
社会起業家ネットワーク
みたいなものでさらに補強されてるのだとか。
投稿元:
レビューを見る
「社会をよくしよう」という志の下に、問題意識を持ちながら働いている社会起業家。
こんなポジティブな彼らにも悩み、ジレンマ、葛藤はある。
例えば、「社会にやさしいビジネスというだけでニッチ産業と受け取られ、ビジネス界のメジャーと見てもらえず、投資家や取引先を探す上で困難がつきまとう」、「NPOで働くことは尊い行為と思われているが、実際にはそれなりの見返りがなければ続かないし、優秀な人材も集まらない。そこでビジネス化を進めようとするが、今度は逆に、商業的との批判を浴びる結果となる」などだ。
しかし、「NPOのような企業」や「企業のようなNPO」が存在し大活躍している。
また、ビジネスの社会化やNPOのビジネス化が高まっている。
本書はビジネスや社会のことを深く考えている人々にとって、なんらかのヒントを与えてくれるだろう。 ☆y1☆
投稿元:
レビューを見る
社会起業家の事例研究の教科書、といった感じ。
特に、海外の例をシンプルかつ淡々と記しているのは、効率的に海外事例を頭に入れられるのでよいかも。
投稿元:
レビューを見る
印象に残った事例
・ヒューレット・パッカード。インド南部の貧困地域にコンピュータを普及させようとしたとき、現地に電気が通っていないこと、インド人が写真付き身分証明書を持たなければならないことから、太陽光発電式のプリンターとデジカメを売り込んだ。現地では写真ラボというビジネスが生まれた。
⇒自社の新製品の開発、現地の新ビジネスの普及とステークホルダーの利益に貢献
・パタゴニア。自社がつくる洋服が環境に与える影響の自己調査を実施。綿布には枯葉剤や化学薬品が使われていた。その結果、ペットボトルを再生したフリースやオーガニック100%のコットン
に切り替えた。環境に与えるダメージは購入した後にも発生する。洗濯、アイロン、ドライクリーニングである。そこでアイロン、ドライクリーニングが不要な製品をつくった。製品の影響はトータルコストで評価する必要がある。自然染料でも色落ちが早ければ、すぐ棄てられて環境負荷は大きくなる。そんな場合は科学染料のほうが良いかもしれない。
・画期的な喫茶店「ホワイト・ドッグ・カフェ」。市内の貧困地域の子供たちをレストラン産業へ結びつける専門学校の設置。リサイクルや水質浄化の現場を見学するエコツアー。(これらは
第一義的な知識と経験を得られることができる。これらの知識は直感を与える。)日曜の映画上映会。国際問題を話題にしたテープルトーク。(このような話題は当事者意識が醸成されにくいため、知識のひけらかしに終わってしまう可能性もあるだろう。)食事、教育、体験のトータルコーディネーションとしての場の提供が先進的である。
投稿元:
レビューを見る
社会起業家と言う話が内々で出ていたので読んでみました。特に社会責任投資(SRI)中心に読んだんですが、あまり日本では進んでないんですね。特にSRIの市場規模と言うのは余りに小さい。ヨーロッパとかは比較的早い段階で社会貢献に関する動きと言うのはあったみたいです。オランダはこういう社会的に有望なテーマに早くから取り組んでるイメージがあります。本読んでてもよく出てきます。このSRIについてもオランダのトリオドス銀行と言う存在をWBSで知ってから興味を持ち出しました。日本では単純に起業と言うことを後押しする制度が弱いと、この本にもありますが、更に新しい概念である社会起業と言うものにどれほど寛容なのかが気になります。新しいと言いましたがもう何年も言われているテーマです。お金もそうですが回転力を上げて物事に取り組まないともはや先進国としてやっていけない気がします。いずれ外国の力を借りなければ前に進めないのかと、この日本国だけを見てると思ってしまいます。まあ、もちろん個人的に協賛を得れると言うこともあるとは思いますけど。
投稿元:
レビューを見る
様々な社会起業とそれを支援する団体や取り組みなどが書かれている。
社会起業が今後の社会において重要アクターであることはよくわかるが、リスキーな行動をできるだけ避けたがる日本社会では、その重要性がわかっていても実行に移す人は少ないだろう。
著者がアメリカで研究をされていることもあるため、アメリカの事例が多く、社会起業がおこる前提がアメリカの慈善活動支援・活発な結社を前提としているため、日本で応用できるところは少ないかと思われる。
投稿元:
レビューを見る
E-KENが貸してくれました
「ソーシャルビジネス入門」では、
企業の活動や理念について書かれていたのに対し、
社会企業家、社会的企業の理念について書かれている本。
グリーンMBAは初めて知りました!
とても勉強になる本。
2009.11.29 推薦入試に向けて
投稿元:
レビューを見る
社会起業家の全体的なイメージをつかむのに非常によかった。
というのも
・社会起業家とは何かについて書かれている
・事例が多く載っている
この二点がよかったからであろう
投稿元:
レビューを見る
社会起業家ってなんだ?と聞かれても、正直答えられない。この本は「社会起業家」として活動してる人びとの実際の活動中心に書かれている。私はこのことを「考えるのではなく、感じて、行動しろ!」という著者からのメッセージとして受け取った。たぶん著者が伝えたいのはそういうことなんじゃないかな。日本の例が少ないのが惜しい。
投稿元:
レビューを見る
2004年に書かれた本である。
恥ずかしながら僕は社会起業家という言葉をこの本に出会うまでは知らなかった。そういう仕事の仕方があることは知っていたけれど、それにしても社会責任と言えば社会福祉、少し広義に捉えて環境に優しい、くらいのイメージでしかなかった。
ホットワイアード誌(現在はワイアード・ヴィジョンhttp://wiredvision.jp/)によるアンケート結果が紹介されていたが、社会起業家に共感するかどうかという質問に307人中276人が「共感する」と答えたそうである。既に言葉の意味が分かる人が母集団であったと思えなくもないが、それにしても高い数字である。
さて、その社会起業家。社会を良くするという理念のもとに起業する人であり、それ以上の定義は重要ではない。働く内容よりもその姿勢に特徴があり、「働き方と生き方が同じ」と斎藤さんは解説する。「事業を通じて自分自身をさらけ出し・・・」という表現は、起業した人がどういう価値観を持ち、それをどういう形で社会に問うか、あるいは貢献するかということをあらわしているのだろう。
ある程度大きな会社を対象とし、社会起業家あるいは社会責任に積極的な会社を応援する動きに、社会責任投資(SRI)や国際組織であるBSR(http://www.bsr.org/)などがある。
しかしSVN(=Social Venture Network, http://www.svn.org/index.cfm)の活動を見た斎藤さんは「自分ができることから始めるという単純な行為が大きな力を発揮しうる」と言う。つまりは、自分の価値観を大事にしつつも、「まずはできることから」というのが大事で、誰かが見ているからやるとか、競ってやるというのではなく、自らの精神性に素直に反応する、好きなことをやる、というのがその本質なのだろう。
ちなみに、NPOであっても株式会社であっても社会起業家になりうる。事業を続けるためには、キャッシュフローを継続的に確保することが大事なので、利益を出していくことも構わない。しかし、いくつかの社会起業家を例として紹介していたが、その多くは規模を追うことはせず、自分たちがコントロールできる範囲にとどめているところが印象的だ。
元同僚も最近、社会起業をした。日本では実績がない人が銀行借入れをするのは大変だという話を聞いた。上記にあるBSRやSVNなどは、アジアに拠点はあっても日本にはない。起業する人の割合も日本は低い。こういう残念な環境ではあるが、身近には既に行動を起こしている人がいるというのは実に嬉しい。
ボクのブログより:http://d.hatena.ne.jp/ninja_hattorikun/20090901
投稿元:
レビューを見る
利益追求を最上の使命とする、現代の資本主義。
だが最近その前提は、崩れつつある。
「社会のための良いことをしよう」「生きがいを持ちながら働こう」そう思いながら活動する人間たちの増加により、社会の在り方自身が変わりつつあるのだ。
以前、table for twoの代表者の方が書いた本を読んで、結構面白かったので、社会起業、というものに興味を持って読んでみました。
自分個人としては、寄付から成り立つボランティアよりも、ビジネスとして成り立つ社会活動、この本で言う第二派の社会企業に興味を持ったクチです。
こちらの本は、第一派、つまりボランティア・寄付を主体とした団体の紹介をすることが多かったように感じます。
自分は最近の人間なせいか、「無償を基本とする活動」がどうにもピンときません。
「無償での活動」は、活動をやる人に余裕があるからこそ出来るもので、余裕が無くなればすぐさま切られることの一つだと思います。その点、それがビジネスであるのならば、余裕の有無に関係なしに続けられる。
もちろん、本人が大変でも無償活動を続けられる人もあるでしょうが、世の中にはそんな特別な人だけではないし、その他大勢の人の意識が変わっていくからこそ、社会自体も変わって行くものだと思います。
そんな多くの人の、何気ない、本人の大きな負担にならないような善意を呼び起こし、それをそのまま困窮している人々に届ける、それが自分の思い描いていた社会活動でした。
そもそも、社会活動の多くは、「No」の提唱から始まるものです。
「CO2を増やしてはいけない」「児童就労を許してはいけない」「貧困層からの搾取をしてはいけない」――。
それは至極まっとうな「No」であるからこそ、押しつけがましい空気を出しては、人を悪い意味で圧倒してしまうのではないでしょうか。
と言う訳で、ためになる本でしたが、「『悪い』と思わないあなたが悪い」と言われているようで、悪い意味で圧倒されてしまったようで。
何となく社会に良いことをしたいな、と思いつつも、そんなに強く「No」の意思表示をする覚悟の無い自分にとっては、実際社会活動を踏み込むのには二の足を踏んでしまいそうだな、と思ってしまいました。
いや、実際は、小さなことから始めていけば良いのでしょうが。