- 出版社:偕成社
- サイズ:20cm/342p
- 利用対象:中学生
- ISBN:4-03-726710-1
タトゥーママ
ジャクリーン・ウィルソン (作), 小竹 由美子 (訳), ニック・シャラット (絵)
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- 税込価格:1,680円(48pt)
- 発行年月:2004.8
- 発送可能日:購入できません
- 本
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商品説明- 「タトゥーママ」
【ガーディアン賞(2000年度)】全身に色とりどりのタトゥーを入れたマリゴールドは、気まぐれで、お酒が好きで、働くのはきらい。おねえちゃんは、おこってでて行っちゃったけど、あたしにとっては世界一すてきなお母さんなの…。少女の母親への愛情を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「タトゥーママ」
ジャクリーン・ウィルソン
- 略歴
- 〈ウィルソン〉1945年イギリス生まれ。ジャーナリストを経て作家に。児童書を中心に、犯罪小説、脚本なども手がける。スマーティーズ賞、ガーディアン賞などを受賞。
ユーザーレビュー- 「タトゥーママ」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2004/12/11 03:45
「それでも大好きだよ、マリゴールド」という、ドルの声が聞こえるようです。
投稿者:花の舟(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
マリゴールド、スター、ドル(ドルフィン)の3人家族の絆を描いた物語。
悲惨にも卑屈にも描こうと思えば、いくらでもそう描ける要素が溢れかえっているのに、この明るさと強さと、清らかさは何なのでしょう。作者ジャクリーン・ウィルソンの、人間への信頼が揺るぎないものであるからこそ、描き得た物語だと思われます。
10歳のドルが語り手となって、風変わりなママ、自分より先に大人びていく姉・スターとの齟齬、貧しく切羽詰まっているはずなのに、どこかあっけらかんとした暮らしの様子などが、ユーモアを交えながら描かれていきます。
ドルとスター(13歳)は異父姉妹。タイトルからわかるように、ママのマリゴールドは全身タトゥーだらけの、気持ちの赴くままにしたいことをする、無責任な人物。なのに、どうにも魅力的な人物として、物語の中から立ち上がってきます。例えば、彼女のタトゥーは、悪ぶるためのものじゃない。一つ一つ大切な自分なりの意味が籠められています。本人は至って真面目で、純な心根で生きたいように生きていることが、読み手にある種の心地よさをもたらすのだと思われます。私などは、いい母いい妻いい嫁たらんと無理をして、夜叉のような貌になっていると自覚しつつも、自分可愛さに保身に回ることが常ですもの。
ある日、マリゴールドは永遠の恋人として恋い焦がれていたミッキーとの再会を果たし、そこからこの家族の至難の時が始まります。
彼の娘であるスターは、本当のパパの出現に舞い上がり、ミッキーと意気投合して、世間体の悪いマリゴールドを見捨てるように、彼の元へ身を寄せてしまいます。これまではママの代わりにドルの世話をし、やりたいことも我慢してきた経緯があるのです。13歳ともなれば、もう充分大人や親を批判し、世間の目で「平均」以下か以上かを見分ける事ができるのです。誰がスターを責められるでしょうか。
ドルの立場は、微妙にみそっかす的なものになってしまいますが、ドルは、ちゃんとわかっているのです。ミッキーという男が、恋人も娘も、まるでアクセサリーのように、自分を飾る都合のいいものとして見ている人間であることを。
見捨てられたマリゴールドの精神が、徐々に歪み始め、ドルの心配をよそに最悪の事態が起こります。ここからラストまでは、ぎゅっと心臓を掴まれるような、緊張の連続でした。
たった一人のママのため、たった一人の友人・オリヴァー(男の子)の助けを借りながら、ドルの奮闘はもの凄かった! 一時的に里親として、面倒を見てくれたジェインおばさんが、素敵な人だったことが救いでした。
シリアスでシビアな展開なのに、目を塞ぎたくなるような閉塞感がないのは、ジャクリーン・ウィルソンの力量ですね。ドルと私が一体になり、ラストまで駆け抜けたような充実感を味わいました。
スターも、ミッキーの本性を知って戻って来ました。鼻にダイヤのピアスをしていましたけれど。それを見たマリゴールドが何と言ったと思います? まるで、フツーのお母さんのように…。
もう、憎いほどジャクリーン・ウィルソンの手中に墜ちて、親子、家族、そういった絆の不思議さ、強さに、改めて思いを致したのでした。家族だから、ではなく、人として惹き合うものを確かめられたドルたち。ママを「どんなふうでも大好きだよ」と思う、ドルとスターをぎゅうっと抱きしめたい気持ちで一杯になりました。
最後に、マリゴールドのタトゥーが、各章のタイトルの上に配されています。なかなか、可愛かったり、意味深だったり、章の内容を示唆していて、面白いですよ。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2004/10/14 22:41
子どもから大人まで全ての年代の方々に読んでいただきたい作品です!
投稿者:ナカコ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
「刺青をしてるお母さん」って聞いただけでちょっとひいてしまいますね。ちょっとコワイ人なのかな?って。 この本の主人公、小学生のドルフィンのお母さんマリゴールドは、ちっともコワイ人ではありません。かなり精神的にムラがあってひやひやさせられるけど、若くて美人でおしゃれで絵を描くのがうまいドルフィンやお父さんの違う姉スターが心から愛しているお母さんです。もちろん周囲の人たちは、体中に刺青をした生活保護を受けている未婚の母を普通だとは思っていません。わたしも近所にそういう家族がいたら近寄ろうとしないかもしれません。でもこの本の著者と訳者のおかげで、わたしはこの「ふつうでない」家庭の母と子の愛情や葛藤を我が事のようにいらいらしたり、喜んだり、心配したり、涙を流したりしました。だって、程度の差はあれ、誰の親でもこどもから見てちょっと困ったところはあるでしょう? またこどもを持つ人は、完璧な親にはなれるものではない、自分もちょっと困った親だと自覚している人も多いのでは? 私自身も子や親とのかかわりの中で日々葛藤しているし、自分がかなり困った人間だと思うことがよくあるので、時には母の立場から、時には娘の立場からこの本を興味深く読みストーリーにすっかりハマりました。
きっと全ての年代の方々が共感できる作品だと思いますので、幅広い年代の方々に読んでほしいです。特に後半のドルフィンにとって長ーい一日の描写は大人の人の胸をうつでしょう。わたしは涙なくしては読めませんでした。小学生の皆さんは、ドルフィンの想像力にとっても楽しませてもらえるでしょう。「魔女の服」を着たドルフィンはその豊かな想像力でいじめっ子や、ヤな先生をやっつけたりします。そのあたりの描写は本当に愉快です! それから欲しくてたまらなかったけど欲しいと言えなかったお人形と想像の世界で親友になったりするところもあります。小学生の皆さんもそんな想像をしたこたがきっとあるでしょう? 中学生の皆さんは、思春期のスターのふるまいがかっこよく見えたり、ときどき子どもっぽさが抜けきれてなかったりするところに苦笑するでしょう。ボーイフレンドができるところも興味しんしんでしょう。
またマリゴールドにとっての刺青の価値や意味が何なのか、お楽しみに! 挿絵もとっても楽しめます。
訳者の小竹さんのあとがきを見ると、この作品はウイルソンさん自身が自分の作品の中で一番好きな作品なんだそうです。本当にいろいろな点で素晴らしい作品です! 日本語訳もとっても自然で、訳書にありがちな意味不明なつながりもないのでスムーズに楽しく読み進められます。オススメです!!







