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憲法で読むアメリカ史 上(PHP新書)

  • 出版社:PHP研究所
  • レーベル:PHP新書
  • サイズ:18cm/290,23p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-569-63361-7

憲法で読むアメリカ史 上 (PHP新書)

阿川 尚之 (著)

  • 全体の評価 52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:84024pt
  • 発行年月:2004.10
  • 発送可能日:7~21日
  • 新書

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商品説明- 「憲法で読むアメリカ史 上」

【読売・吉野作造賞(第6回)】【「TRC MARC」の商品解説】

関連キーワード- 「憲法で読むアメリカ史 上」

ユーザーレビュー- 「憲法で読むアメリカ史 上」

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評価内訳 全て(2件)
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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/08/05 17:52

アメリカを「知る」ために

投稿者:Hotel.(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

9.11、アフガン戦争、イラク戦争と、我々は現代のアメリカを見てきた。ある者は親米の立場を取り、またある者は反米を掲げる。それはジョージ・W・ブッシュ大統領の言う「敵か味方か」の二元論とは若干違う座標系ではあるにしても、マスメディアを通じて見てきたアメリカの姿だけを「アメリカ」であると信じ、我々はアメリカに対する立場として、単純な座標の両極に自己をプロットするという罠にはまりがちである。しかし我々は本当にアメリカを「知っている」のか?この書は”The United States of America”を理解するための1つの視座を与えてくれる。単純な二元論に陥らないために、我々は共時的見方と同時に、通時的パースペクティブも必要とする。この書はアメリカ合衆国設立から現在までの歴史を、合衆国憲法に対する各時代の解釈を参照しながら綴られている。この書を読み終えたとき、我々はアメリカという国を「知る」ための枠組みを1つ増やすことができ、アメリカの今まで「見て」きた姿とは違った側面を「視る」ことができるだろう。
この上巻では、まず2000年の大統領選挙を振り返ったあと、合衆国憲法の誕生から南北戦争までをカバーする。

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2004/11/14 17:19

moreperfectunion完璧を求めて更なる統合を目指して

投稿者:まさぴゃん(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

ソニー時代にロイヤーの資格を取り(「アメリカンロイヤーの誕生」という著作がある。)現在、米国公使の職に就く阿川尚之さんの著作です。海軍小説を描いた阿川弘之さんの息子という方が、わかるかもしれません。彼は米国法律事務勤務の実体験に基づいて、学者に定型的な説明ではなく米国憲法の紹介本になっていると感じました。米国史の大きな事件に即して、弱小最高裁判所がどのような判断をし、それがアメリカ合衆国の国家形成にどのような影響を与えたのかを描いています。上巻は、憲法制定から南北戦争までの過程が物語り調で描写されており、判例等の詳細説明は省いているが、その分本質の大きな流れ分かり、米国憲法の位置づけ、国家の本質を知る上で紹介本的な機能があって、おもしろかった。「読みやすい」「おもしろい」というのは、この手の新書では非常に重要な機能だと思うからです。
また米国の悪口を言うことが一種の流行となっている昨今で、矛盾を抱えながらも西欧近代政治思想の結実として多民族を抱えながら統合国家を運営する米国を、精確に知ることなくして、単純な批評をすべきではないと思います。たぶん我々日本人など国家が自然に出来上がる(もともとある)という歴史的経緯を経ている人々には、憲法によって無から国家システムを創造し続ける「人工的な実験国家」というものは、理解するのが困難なものだと思います。その本義の理解のキーとなるのは、憲法に対するスタンスでしょう。
個人的には、物凄く有名な前文more perfect unionという前文が、13州の連合ではなく、当時ヨーロッパに比べて弱小国だった米国が、1つの国家として自立するという意味が込められていたこと、そして実は米国を単一の国家として考えることに当時の(いまも)多くの米国民が拒否嫌悪感を抱いていたというのは、興味深かった。もともとはアメリカという統合国家があったのではなく、フィラデルフィアなど13個のそれぞれ国家が、大英帝国から独立したというのがスタートだったんですね。だから連邦政府が、直接に人民にコンタクトするのを、強く拒否するのです。各州(ステイト)の政府と連邦政府は、どちらが上かというのは根深い論争があるのです。いまでも、大統領選挙が、直接民主制ではなくて選挙人(州の代表)の獲得数で決まるのは、そのためなんですね。州の連合という考え方は、国家というリヴァイアサンの独走を防ぐ安全弁なのです。同時に地方分権の強さが差別を残す結果にもつながるのですがこのことを理解していると、ケリー対ブッシュの選挙戦で、選挙方法に関する違憲論争があちこちで見られること(なぜ国民投票をしないのか?)等々が、非常によくわかりました。
また上巻では、南北戦争で国論が完全に二分した後、北部による南部の占領軍政による社会改革が出てきます。ここは、ケリー対ブッシュで国論が分裂した今の米国の状況と非常に似ています。また米国はイラク占領に代表されるように、不思議なくらい占領政策が下手な国家ですが、南部の占領においても結局全く成果(奴隷制度はより強固に温存されてしまった)が残せず、軍隊を引き上げてしまっています。むしろ、奴隷制を温存することを許容することによって、国家の分裂を回避した節さえ見えます。国論分裂後のアメリカの行動は、実は南北戦争後の行動と酷似している気がしました。
現時点では事実上の単独覇権国家である米国を無視して、地球の未来は語れません。アメリカは分裂と統合に揺れ動く政治体で、不思議なほどの分裂と多様性を維持させる特徴を持っています。ただ単に批判するのではなく、アメリカの自分達と理想を共有する勢力と手を結び社会改良を目指すことこそが、これからの地球市民のあるべき姿だと僕は思います。そして困難ではありますが、米国憲法にはその門戸は開かれていると思います。

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