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蒼穹の昴 1(講談社文庫)

  • 出版社:講談社
  • レーベル:講談社文庫
  • サイズ:15cm/377p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-06-274891-6

蒼穹の昴 1 (講談社文庫)

浅田 次郎 (著)

  • 全体の評価 4.54件のユーザーレビュー
  • あなたの評価 この商品を評価して本棚に反映 評価しました! ×
  • 税込価格:66018pt
  • 発行年月:2004.10
  • 発送可能日:24時間

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書店員レビュー- 「蒼穹の昴 1」

ジュンク堂書店天満橋店

いまさら本書の書評を...

ジュンク堂書店天満橋店さん

いまさら本書の書評を書くとはなんともおこがましいが、ちょうど今月下旬より、NHK地上波でドラマが始まるということで、宣伝のつもりで書かせていただく。
中国清朝末期を舞台に繰り広げられるストーリーは、日本人には馴染みの薄い中国独特の世界観や、科挙制度、当時西洋列強に浸食されつつあった世情など、一見はいりにくいと感じられるかもしれない。実際に私も、読み始めたのはすでに文庫化されてからで、単行本で新刊が出た当時、あれだけ騒がれていたのに手をださなかった。やはり敷居が高く感じられたからだ。
その時間のロスを、どれだけ後悔したことか。こんなに面白い小説を読まなかったなんて!と自分の浅はかさを呪ったほどだ。
本書は4巻(単行本は上下巻)まで続き、この後「ちんぴの井戸」「中原の虹全4巻」そして、この9月17日に「マンチュリアンリポート」という新刊も刊行される。浅田氏のライフワークということで、現代の中国まで書き続けていかれるようだ。

ユーザーレビュー- 「蒼穹の昴 1」

全体の評価
4.5
評価内訳 全て(4件)
★★★★★(4件)
★★★★☆(0件)
★★★☆☆(0件)
★★☆☆☆(0件)
★☆☆☆☆(0件)

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8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/10/14 20:09

ずっと読みたかったのですが

投稿者:龍.(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

ずっと読みたかったのですが、文庫化されるまで我慢していました。

場所は中国。時代は清朝末期。

どのような時代でも、悲惨な家族はいるものです。しかし、清朝末期の人々は、本当に可哀想な国・時代に生まれてきた人だと言えるでしょう。

この物語の主人公は、春児(チュンル)。極貧の家にうまれ食うや食わずの生活で、生きる長らえることこそが彼の人生。

一方、彼の幼なじみの文秀(ウエンシュウ)。かれは村の裕福な家にうまれ、中国最難関の試験、科挙に挑みます。

この対照的な二人が、故郷を離れそれぞれの道を歩んでいく様は、まさに人生そのもの。

ただ、あることから二人を運命の糸が結び付けていくのは、小説ならではと言うところでしょうか。

中国へは何度も言ったことがあるのですが、最初にいった15年前の北京の路地裏の風景はこの物語に出てくる感じだったと記憶しています。

清朝。

ロマンを感じる時代ですが、大変な時代だったと実感。

http://blog.livedoor.jp/c12484000/

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4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/12/05 00:00

その続編だと思われる『中原の虹』を読む前に再読しておく価値はあった。浅田次郎初期の大傑作。

投稿者:よっちゃん(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

読んだそのときには心に留まった作品でもエンタテインメント系の長編小説となるとうまいタイミングでもなければ二度読む気にはなれないものですが、この作品の続編にあたる『中原の虹』が目下刊行中とあってまさにタイミング到来、再読しました。1996年に読んだ浅田次郎の初期の作品です。「この物語を書くために私は作家になった」とキャッチコピーはオーバーな表現に思われましたが、そんなことはなかった。この大ロマンの構成の妙に驚かされた記憶があります。
必ずや汝は西太后の財宝をことごとく手中におさめるであろう。中国清朝末期、糞拾いの貧しい農民の少年春児は老婆の予言を信じて宦官になるのですが、宦官になるために「男」を切り落とす浄身はこれほどの凄惨な施術だとは、いやぁ生き地獄のこのくだりはいつまでたっても忘れることはできません。
地獄といえば科挙の試験のすさまじさもこの作品ではリアルでした。
梁文秀、汝は長じて殿に昇り、天子様の傍らにあって天下の政を司ることになろう………とこれも老占い師の予言。文秀は科挙トップ登第を果たすのですが、夢うつつに合格答案の作成に導く奇跡も忘れられないところでした。
物語は「都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道」なのですが、彼らの周囲にある脇役たちがいいんですね。そこには男と女の美しい愛の形、兄弟愛、師弟の恩愛、男同士の友情、差別されたものたちの連帯など感動のエピソードが次々に展開されます。登場人物のほとんどが善人なのですね。悪者をあえて挙げるなら、これらの人物群に悲劇をもたらす時の流れなのでしょう。そして逆境にあって運命を切り開いていく勇気を至高のものとして謳いあげている作品なのです。
ところでこの作品の人物造形でもっとも秀逸なのは西太后ですね。漢の呂后、唐の則天武后と並んで中国史上三大悪女といわれたこの烈女、咸豊帝の妃で、世継ぎを生み、咸豊帝の死後に政権を握った。そしてわが子同治帝と甥の光緒帝の二代にわたり、皇太后として権力を振るい続けた。呂后や則天武后の専横は15年ですが、西太后は47年間と長きに渡って君臨しています。一般的には内憂外患にあえぐ落日の清朝にあって、権力の座を維持するため武力、謀略、暗殺で内外の勢力と綱渡りの糾合を繰り返してきた血も涙もないワルモノの代表です。だが浅田次郎はそうはしなかった。西太后は清の最盛期を築いた乾隆帝の亡霊がその歴史的役割を与えた宿命の人なんです。
帝が政をなし、官が民をしいたげる五千年の歴史、そちは鬼となり修羅となって、国を覆す。そちが未来永劫に悪名を残してこそ、未来永劫この国の民は救われる。夜叉の仮面を被った真の観世音として生きよ。
と、つまり中国が五千年の君主専横政治に終止符を打ち、近代的な民主主義国家に飛翔するための積極的捨石の役割でもって登場させているのです。この発想の豊かさ、その新鮮さ、ドラマチックであります。
洋務派で忠節の士・李鴻章の武力と政治力を背景にした西太后。しかし日清戦争の敗戦後,李鴻章は政治の表舞台から退く。文秀の属する光緒帝派の発言力は増し、98年、康有為ら変法派とともに光緒親政のクーデターが行われた。これに対し宦官のトップランクに立った春児は西太后の信任が厚い。彼女は袁世凱の武力を背景に戊戌政変を起こして新政を失敗させ、変法派を処刑・追放、光緒帝を幽閉して,三たび垂簾政治を始めた。文秀は日本に亡命する。
『蒼穹の昴』はこのあたりで完結しています。
浅田次郎の独創的な歴史デザインにより、歴史小説の趣はありません。帝国主義列強の貪欲な素顔はなく、歴史観を云々する類ではありません。伝奇小説風な華やかな妖しさが全編に流れ、私たちが忘れがちな本物の愛と勇気、義理と人情を浮き彫りした壮大な人間ドラマと言えるでしょう。

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/02/23 03:23

読み出したら止まりません!

投稿者:apple(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『蒼穹の昂』、本当に感動しました。自分は良い本に出会えたと心から思える作品でした。

 ストーリーとしては貧乏な家に生まれた春児と科挙を目指している文秀の生涯を描いたものなのですが、彼らの周りの人々にもぜひ注目してもらいたいと思います。それは登場人物、一人一人に心に響く物語があるからです。彼ら一人一人のストーリーは、後半に描かれる時代の大きな移り変わりへと繋がっていきます。この物語の時代設定は清時代の中国。変法運動が叫ばれ、革命に今にも火がつこうとしていた清の末期です。西太后はもちろん、猿世凱、李鴻章、康有為など、実在の人物も多く登場します。しかし、小説の中では、明・清あたりの中国の複雑な歴史、民族の勢力など、分かりやすく書かれていて、大変読みやすくなっています。中国史は複雑でちょっと…、という方も大丈夫だと思います。

 特に長編小説の場合には最初の方が結構退屈で、途中で断念してしまったり、読むのにすごく時間がかかってしまったり、ということもあるのではないかと思いますが、『蒼穹の昂』においてその心配は無用でしょう。私はこの小説を読むまで浅田次郎の著書を読んだことがなっかったのですが、本当に読み出したら止まらなくて、驚いてしまいました。他にやらるべきことがあるにもかかわらず、4巻を読了するまで、頭の中はこの本のことでいっぱいでした。読み進めることに夢中になり、他のことに手がつかなくなる方も多いでしょう。連休など、時間のあるときに読むことをオススメします。そしてこの感動の物語をじっくり楽しんで下さい。

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/01/29 00:15

こんなに面白いなんて…。

投稿者:真琴(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

中国の歴史小説という苦手なジャンルだが、「今まで読んだ本で1番面白かった!」今なら自信を持って答える。(ちなみに2番目は同作者のプリズンホテル。)
寝不足に耐え、4冊一気に読みきった。そしてため息の出るような充実感。
貧乏な家に育ち、糞拾いを仕事としていたが、人との出会いによって出世していく「春児」。
春児の幼馴染で、お金持ちの家に育ち、科挙試験に合格して出世コースをゆく「文秀」。
主人公はもちろんのこと、それ以外の人物も負けず劣らず魅力的だ。(何故か西太后はギャル系…)
単にサクセスストーリーというわけではなく、主に2人の目を通して、中国の歴史・文化等を、自然な気持ちで見ることが出来る。
難しい内容であるにも関わらず、さすが浅田次郎!と思わせる軽快な語り口で、笑い、泣き、頷き。飽きることなく読破出来るだろう。
「外国の話は名前がわからなくなるから嫌。」「歴史の話しなんて興味ないもん。」という私のような読者には特にお薦めしたい。
書評に興味のなかった私も、「とにかく読んで欲しい。」という思いで、投稿させてもらいました。是非読んで下さい!

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