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食卓の文化誌(岩波現代文庫)

食卓の文化誌 (岩波現代文庫 社会)

石毛 直道 (著)

  • 全体の評価 51件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,05030pt
  • 発行年月:2004.11
  • 発送可能日:1~3日
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5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/05/15 17:15

読むのがとても楽しい「食文化人類学」の本

投稿者:緑龍館(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

文化人類学者による「食文化人類学」の本。専門書ではなく、味の素の広報誌に連載されたエッセイをまとめたものです。料理や食事の器具・道具類からはじまり、調理方法、香辛料や食材、レストランに至るまで、「食」のすべてをテーマに様々な文化的、歴史的、民俗学的な薀蓄が語られます。話題が身近で、全ての人が興味を持っている事柄であるため、読むのがとても楽しい本です。トリビアが山盛り。ちょっと紹介しときます。

●欧米語ではスープは「飲む」といわず、「食べる」という。中世までスープはスプーンですくわず、パンを浸して食べていた。スープそのものも具が多くて汁が少なく、飲むものではなく食べるものであった。
●朝鮮の箸やスプーンは、2000年来このかた形がほとんど変わっていない。飯をスプーンですくって食べる習慣は、もともとキビ、アワ、コウリャンなどの雑穀が主食で、ボロボロなため箸で飯をすくうことができなかったことから。
●世界にはまな板が存在しない食文化も多い。箸とまな板は、セットになっている食文化。箸で食べるためには、調理段階で箸でつまんで口入れられる大きさに材料を切り刻んでおかなければいけない。つまり、まな板が必要になる。
●ソバのセイロが上げ底なのは、江戸時代にそばや一同がお上にソバ代値上げの陳情をしたところ、値上げはダメだが、「上げ底にして苦しからず」と実質値上げの許可が出たため。
●ハマグリの澄まし汁の吸い口にコショウを用いるとよろしい(江戸時代の料理書)。― ホントにうまい。
●ダシは、日本固有のもの。肉食をしないため、料理に油を使うことができず(植物油は高価で一般的に使うことができなかった)、野菜のなどのうまみを引き出すために、塩と一緒にアミノ酸などのうまみを含んだ「ダシ」を用いる必要があった。脂肪分無しで塩だけではなかなかおいしい味が出ない。肉食文化では、肉そのものから出る蛋白質と脂肪の味があるため、塩だけでも割りとおいしくダシは必要ない。日本で味の素が発明された背景にもこれがある。

→緑龍館 Book of Days

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