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古本生活読本(ちくま文庫)

  • 出版社:筑摩書房
  • レーベル:ちくま文庫
  • サイズ:15cm/299p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-480-42043-6

古本生活読本 (ちくま文庫)

岡崎 武志 (著)

  • 全体の評価 52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:81923pt
  • 発行年月:2005.1
  • 発送可能日:購入できません
  • 文庫

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商品説明- 「古本生活読本」

〔「古本めぐりはやめられない」(東京書籍 1998年刊)の改題〕【「TRC MARC」の商品解説】

関連キーワード- 「古本生活読本」

ユーザーレビュー- 「古本生活読本」

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/01/23 22:26

「もう、古本ばっかり買って」とおっしゃる前に、ぜひ読んでいただきたい。

投稿者:木の葉燃朗(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 古本に関する色々な話を集めたエッセイ集。古本好きにとっては、「そう! その通り!」と嬉しくなるような話がたくさん登場する。
 例えば、

・「十年前の本は古いが、三十年経てば新しい」(pp.233-238)というタイトルのエッセイ。これは、タレント名鑑や地図帖を例に挙げて、十年前のものは役に立たず価値もないが、三十年経つと価値が出てくる、という話。

 それから、

・古本にはさまった色々な物の話。「本の間には実にさまざまなものが挟まっているものなのだ。ほとんどが、しおりの代用として、紙類が挟まっている例」(p.249)で、こうした「さまざまな紙類は本に閉じ込められたままほぼ密閉状態で、数年後、あるいは二十年後、三十年後まで保存される。まさにタイムカプセル」(p.249)という話。

 また「古本に興味はあるけれど、よく分からない」という方も、色々なエピソードを元に古本の楽しさを教えてもらえます。例えばこんな話。
 朝日新聞本社、毎日新聞本社には、ビルの屋上に鳩のモニュメントがあるそうな。平和の象徴ということではないですよ。その理由を紹介したのが、「伝書鳩は空を翔るファックス」(pp.122-129)である。この話にはびっくりしますよ。

 最後に、古本好きの気持ちを代弁してくれるこんな言葉で、紹介を終わります。

「古本屋の特殊性、ということで言えば、無目的に訪れる客が圧倒的に多いことも他の商売ではあまり見られない」(p.16)。「たとえ十五分でも二十分でも、古本屋の棚の前をうろうろし、背文字を追い、ときに目に止まった本を抜き出し、ぱらぱらとページをめくる。また棚に戻す。/そうした一連の動作、本棚との対話にすでに本好きの客を慰安する力があって、それはほかのどの場所でも得られない」(p.17)

 古本・古本屋の魅力はそこなんですよ。

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/01/23 16:14

古本屋めぐりの心躍り

投稿者:北祭(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いま、書店にある文芸評論の棚をよく見れば本、古本、古本屋にまつわる著作は意外に多い。作家、書評子、書店員、書き手はプロアマ総出の態である。そのなかにあって、古本屋めぐりの心躍りを語らせたなら著者の右に出るひとはそうはいない。

「まず、私という人間が、一日に一度は、古本屋の軒先をくぐり、古本の匂いをかぎ、棚に並んだ背の文字を目にやきつけないと、身体の調子がおかしくなる人種だということを、申し述べておかねばならない。お通じのない日はあっても、古本屋へ行かない日はない」

 鹿島茂の著作『子供より古書が大事と思いたい』というタイトルは記憶に新しいが、著者は「お通じよりも古本屋めぐりが大事と思いたい」と宣言しているようでもある。もちろん洒落だが、そこが著者の語りには欠かせない妙技である。本、古本、古本屋の話をするなかで薬味がわりの漫談が洒落た空気を醸しだす。

 古本屋の「均一台」めぐりが何といっても著者の真骨頂である。いかに廻り拾うのか、その楽しさ明るさ奇天烈さまで本書はよく伝えてくれる。じつのところ、それはすべて古本屋あっての物だねなのだが、そこを衝いた著者の古本屋とその店主に対する目線が印象深い。

「…本当の意味での本屋とはじつは古本屋のことなのだ。しかも、そこには古今も東西も超越した、ありとあらゆる本の中から、店主の眼力と個性によって選ばれた本が、いかにして客の手に取らせるかを考え並べられている。混沌の中から結晶を導きだし発光させるわけだ」

 書物がとことん好きな古本屋の店主なら、本をただの売り物などと見切れるはずはないであろう。自分と同じようにその本に価値を見出す者があるはずだ、との思いが込められた古本が書棚や均一台には積まれている。著者は、それらの古本はすべて「店主の蔵書」であることに注意を促すことにも怠りがない。

 自らの拠って立つ足場を古本の世界に見いだし、ひた走り、そのすばらしさを真摯に説く清清しさが、著者の文章にはみなぎっている。

 本書は6年前に刊行された『古本めぐりはやめられない』(東京書籍)を元本とし、そこからの三十ページの削除と、新たに書下ろしを加えての文庫化ということである。欲をいえば、文庫王というニックネームをいただく著者の書物ゆえ、「文庫」の魅力を伝える新鮮な文章をもっと読みたかった。が、それは次作への期待としたい。

 解説はこのほど直木賞を受賞された角田光代。おそらく原稿は受賞直前のもの。「本書が指南する古本のたのしみは、知らなくたって充分生きていける。けれど、ここに書かれている種類のたのしさは、たぶんほかのことでは味わえない。古本だけが与えてくれるものである。そういうたのしみを分けてくれる太っ腹な著者に、私はたいへん感謝する」との言葉にはまったく同感であった。 

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