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北の動物園

北の動物園

倉本 聡 (著)

  • 全体の評価 41件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,47042pt
  • 発行年月:2004.12
  • 発送可能日:7~21日

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商品説明- 「北の動物園」

ヒトこそは一番の珍獣じゃあるまいか…。少年時代やニッポン放送在籍時のエピソードから、劇団・テレビ・文壇・富良野の仲間たちの愉快な裏話まで、計97本のユーモアたっぷりのエッセイ集。『夕刊フジ』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「北の動物園」

倉本 聡

略歴
〈倉本聡〉昭和10年東京生まれ。東京大学文学部美学科卒業。ニッポン放送入社、38年退社後、シナリオ作家となる。紫綬褒章受章等。著書に「さらば、テレビジョン」「北の人名録」「ニングル」など。

ユーザーレビュー- 「北の動物園」

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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/04/07 00:42

抱腹絶倒の日々。

投稿者:悠々楽園(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 倉本聰といえばどうしても「北の国から」を思い浮かべるわけで、(細かなことは忘れて)とにかくあの「愛と感動の物語」の延長線上の話を期待してしまう。
 このエッセイ集に関していうなら、その期待はまず大きく裏切られる。
 帯裏を見ると「夕刊フジ大好評連載」とある。夕刊フジといえば、満員電車で通勤・移動する中年男性が、おもにKIOSKで買う大衆紙である。視聴率の厳しさが身にしみている人気脚本家は、的確にその読者層を把握し、サービス精神を発揮するのにぬかりはない。グルメや旅や病気だのといった定番の話題に加えて、中年男の関心を引くシモネタやトイレネタがそこかしこにちりばめられることとなる。それだけではもちろんないが「愛と感動」からはほど遠い。期待を大きく裏切られた気持ちになり、「おかしいな、倉本聰ってこういう人だったっけ?」と腹さえ立ってくる。
 しかし、だ。よくよく考えれば「北の国から」もいろんな意味でサービス精神満載だったではないか。まるですぐ目の前に手で触れられそうな酷寒の大自然と生き物たちの貴重な映像。北の大地の厳しさは自然だけではなく経済にも及ぶ。21年にもわたって制作され、20世紀末の叙事詩ともいえそうなこの比類のないTVドラマには、必然的にありとあらゆる人間模様が織り込まれ、まことに人間臭いストーリーでもあった。
 自然や、野生の動物は美しいが、人間から見れば残酷でもある。その人間だってまさしく自然の一部なのであり、他の動物に比べて特別上等でもきれいでもあるまい。ものを食べ、排泄する。子孫をつくり育てる。我が身を守るために少しは嘘もつけばごまかしもする。ある時は敵と戦い家族を守る。基本は変わらない。そんな中でも、喜び悲しみ、時に憎み恨み、でも懸命に生きている。けなげに生きる人間たちの姿は、滑稽だが、いとおしく、時に美しかった。ずいぶんと涙したなあ。

 新聞連載のエッセイなので1篇の話が3ページに収まっている。かなり短い。ちょっとした時間に読むにはうってつけである。我が家では1年近くトイレに常備しちびちびと楽しんでいた。
 (品はたいてい失われたままだが)面白さを受け入れたら、もうおかしくて仕方がない。誰かに話したくてうずうずするようなエピソードが満載である。現実が悲しいばかりだとやりきれないし、救いもないから、このエッセイ集は笑いに重点を置いている。涙と笑いはしょせん裏と表である。97篇もあるが残り少なくなるにつれ、ただ下品でおかしいだけでなく、こうした倉本聰の生きざまこそ「北の国から」の本質そのものだと思えてくる。
 そうはいっても、きれいなもの、美しいものからは、汚いものや醜いものは遠ざけたい、と考えるのは自然な感情だろう。子供や妙齢の女性にはあえてお薦めはしない。「北の動物園」よろしく珍獣が闊歩する大人の世界を覗くには多少の覚悟も必要となる。

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