サイト内検索

詳細検索

全品ポイント2倍(~8/31)

チェーホフ(岩波新書 新赤版)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.6 6件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×

新刊お知らせメール登録

この著者の新着情報

一覧を見る

  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2004.12
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波新書 新赤版
  • サイズ:18cm/213,3p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-00-430926-3
  • 国内送料無料
新書

紙の本

チェーホフ (岩波新書 新赤版)

著者 浦 雅春 (著)

チェーホフ (岩波新書 新赤版)

821(税込)

このセットに含まれる商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

関連キーワード

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー6件

みんなの評価4.6

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (2件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

百年早すぎた作家

2005/02/28 17:28

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Tabby - この投稿者のレビュー一覧を見る

とあるクイズ番組の風景。

司会者「スクリーンの向こうに赤く丸い物体があります。さてこれは何でしょうか?」

解答者A「リンゴです」
司会者「Bさんもリンゴだとお思いですか?」
解答者B「いいえ、トマトです」

司会者「ブー、残念! お二方とも間違いです。正解は……ナイショ!」

チェーホフの小説・戯曲を読んでいると、このふざけたクイズ番組のように、いつもはぐらかされた気分になる。読むたびに違った印象を受けるのである。ある登場人物に肩入れすると、その人の言っていることが正しいように思え、また別の人に肩入れすると、別の見方が正しいように思えてしまう。チェーホフ後期の代表作の一つ、『中二階のある家』など、その最たる例であろう。風景画家である「私」と、社会運動に精を出すリーダの議論は、一向に噛み合わないまま繰り広げられていく。語り手である「私」の言っていることが一見正しく思えるものの、そうでもなさそうだ。リーダの主張することにも一理ある。

だからチェーホフは嫌いだ、本当は何を言いたいのかが分からない。という向きもあろう。そんな中、チェーホフ読解の手がかりを与えてくれるのが本書である。
チェーホフの生い立ちから始まり、不幸な少年時代、駆け出し作家の時代、名声の獲得、そしてサハリン旅行と、ごくごくオーソドックスながら、チェーホフについて押さえておくべき背景は本書で懇切丁寧に語られている。またとないチェーホフ入門書である。
代表的な短編にも言及されているので、気に入った短編があれば、手にとって読むこともできる。

チェーホフは、ドストエフスキー、トルストイといった、いわば「文学の父」亡き後に登場した作家である。まさにこれは、その百年後の、「大きな物語」が崩壊した「ポストモダン状況」と符号が一致する。となれば、去年に没後百年を迎えた今こそ、チェーホフは読まれるべき作家なのかもしれない。
『六号室』なんてどこにでもあるし、『箱に入った男』も、誰の周りにも一人や二人はいるはずなのだから。

本書を読んでも、チェーホフが何を言わんとしているかはおそらく分かるまい。冒頭のふざけたクイズ番組のごとくはぐらかされる事多々あるだろう。
だからこそ、チェーホフのおびただしい数の短編・戯曲には、これからも読者各自の「答え」を出す楽しみが残されているのだ。本書はその「答え」の土台を提供してくれている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2006/04/18 03:55

投稿元:ブクログ

http://aozora.nishinari.or.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=201

2009/08/30 15:57

投稿元:ブクログ

高校のときに現代文で引用されていたフレーズが
気になって調べる時に読みました

受験直前だったけど

2011/05/11 18:47

投稿元:ブクログ

[ 内容 ]
日常に生きる人びとの悲喜劇をやさしく見守り、穏やかで端正な作品を残したチェーホフ。
そんな慎ましやかで愛すべき作家の相貌の裏には、「無意味」の深淵をのぞいた「非情」な世界が秘められていた。
この世界からの脱出はいかにして可能か。
没後百年の今、現代の抱える課題を先取りした作家の深層を、作品と生涯から具体的に読み解く。

[ 目次 ]
第1章 作家チェーホフの誕生(チェーホフとその時代;ひそかな父親殺し;届かない手紙;カメレオンとペンネーム)
第2章 サハリンへの旅(感情からの逃避;石と化したこころ;「退屈」と意味;仮死と再生の旅―サハリン)
第3章 コミュニケーションへの渇き(ナンセンスな世界;主人公の消失―『イワーノフ』から『かもめ』へ;小説の文体、戯曲の構造;呼びかけと応答)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

2011/09/05 21:40

投稿元:ブクログ

チェーホフ入門書というより、著者・浦雅春があとがきで、「もともと伝記を書くきはなかったが、・・・・ぼくは、なるたけ自分がおもしろく思い、関心がもてるものだけを書こうとした。チェーホフの作品が何を意味しているのか、彼の作品からどんな問題を引き出せるか、というのがぼくの最大の関心事だった。」と語るように、彼の人生の紹介、各作品の簡単な紹介よりも、より深く、その作品の分析に重きを置いた作品。

2011/11/14 21:34

投稿元:ブクログ

本書ではチェーホフの作品を「父親殺し」、「中心の喪失」、「対話不全」、「意味からの自由」などの観点から分析しています。単純に読んだだけではその魅力がモヤモヤした感のあるチェーホフの作品。作品を読んだり観たりする前に、そして後に本書を読むと、味わい方が豊かになってくること間違いないです。