- 出版社:新潮社
- サイズ:16cm/279p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-10-116751-6
格闘する者に○ (新潮文庫)
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(2件のユーザーレビュー)
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- 税込価格:546円(15pt)
- 発行年月:2005.3
- 発送可能日:24時間
- 本
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書店員レビュー- 「格闘する者に○」

職が無いことが恥ずか...
ジュンク堂書店天満橋店さん
職が無いことが恥ずかしいと思うのは
どうやら昔の話のよう。
現代はむしろ、興味のない世界でひたすら
身を粉にして働くなどありえないらしい。
「自分の好きなことは全力で、
苦手なことは回避して。」
昭和世代からすれば、「何を甘えたことを!」と
思えるが、彼女たちも家のしがらみやら何やらと
それなりに壁にぶち当たっているのかもしれない。
フルスロットルで闘う様を描く軽やかな“三浦
しをん”味をあまり堅ブツぶらず味わってみて下さい。
文庫担当 坂本
ユーザーレビュー- 「格闘する者に○」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2012/01/25 07:57
面白い!誰でも楽しめる本。
投稿者:のちもち(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
三浦しをんさんのデビュー作。女子大生の就職活動をつづる。実は普通の女子大生ではなく、複雑な環境に置かれた「お嬢様」だったりします。特に強い「将来設計」があるわけでもなく、大学、アルバイト、漫画喫茶に時間を使う毎日...その中で「なんとなく」出版社への希望になっていくんだけど、結果はどうあれ、それだけがメインではないところが、多面的で立体的で面白いです。
政治家の父親、由緒ある家。就職活動に焦りを感じずマイペースを貫く友人。主人公と付き合っている老人。それぞれが個性があり、キャラクターが「立って」いるんだけど、主人公の「就活」という軸は一貫している。それを邪魔しない程度に、「脇」として光っている、というか。
現在の「女性の就職活動」が、どれほど大変なものか、異性でもあり、この時代の学生でもない自分には想像するしかないけれど、いまだに残る「女性蔑視」についても、チクっと触れていたり、「結婚しても働き続ける」という女性の意識が垣間見れたり。とっても「現代的」だと思うのだけれど、「漫画喫茶に通い詰めるほどマンガが好きで、おじいさんとつきあっている」主人公の考え方は、至極まっとうで、実際に或いは想像の中で啖呵を切る場面なんて、「痛快」に感じるほどです。
マイペースなお嬢様ストーリーの一面がある一方で、就職難や、旧態依然とした企業面接、政治家の「裏」の行動、等々、「リアル」な「シビア」な指摘も含まれています。それらがお互いに打ち消しあうことなく、主人公の行動と周りの「脇役」の登場で、心地よい展開で、最期まで一気にいけますね。
それぞれのセリフから、行動から、とにかく引き込まれてしまいました。著者の本は4冊目(小説は3冊目)ですが、直木賞受賞作と同じくらい面白い。比較する必要もないけれど、これだけの「作品」を世に出せる才能は、後の受賞も「あたりまえ」のように感じてしまう。
もちろん、その年代の女性も引き込まれると思うし、自分のようにまったく違う世界にいる人間でも十分楽しめます。
著者がまだ20代前半の時代に書かれたということなので、自分の周りの出来事と重なる部分もあるのかもしれない。 自分と同じ大学だったとは知らなかったけれど...もっと「しをん作品」を読みたい、と思わせる、いい読書、でした。
【ことば】「たとえ『毎日が夏休み』になっても、自分を信じて生きていこうと思います」
就職活動、「家」の騒動などなど。「日常」と、その枠の外のちょっとした「非日常」を通して、主人公は何かを得たのかもしれません。素直な心、就職面接でも「演技」できないほどの素直な主人公の魅力は、また増幅しました。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2011/09/04 19:25
三浦さんのデビュー作。妄想は控えめながら片鱗を見せる。
投稿者:たけぞう(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の読もうリストの中に、妄想作家の双璧がいる。一人は森見登美彦さん、もう一人は三浦しをんさんだ。
就職活動で出版社巡りをしていて、作家としてのセンスを見いだされてデビューした三浦さん。本書は、その時の経験を下地にした小説だ。講談社、集英社、小学館が実名が分かるように登場する。実際の面接が文中の通りだったとは思えないが、ちょっとしたサインを拾って面白おかしく脚色されていると思う。当時、面接した人は冷や汗ものだろう。
漫画が大好きな可南子さん。運動オンチでオタクの香りがする。そして弟の旅人は正反対に運動・勉強に長け、心は繊細とある。そして重要な朋友の二木君と砂子さん。私は三浦さんのエッセーを読んでいるが、この設定は自分の身上にかなり近いものとみた。主人公である自分を冷静に落として笑いを誘うのも得意のパターンだ。いつものエッセーの延長みたいだが、可南子が地元の名士の一家だったり、脚線美が命のじいちゃんとのラブロマンスがあったり等、妄想の暴走モードがちらちら見え隠れしている。
可南子は何社か出版社の就職面接を受け、一次を通ったり途中で落ちたり等の浮き沈みが、物語のベースである。そこに家族の問題や、仲良し三人組などの話が絡まり、デビュー作とは到底思えない膨らんだ展開を見せるのである。
冒頭の四ページの短編は、本編の中盤でエピソードが出てくる。そこを読んでから読み返すと、深い話になる。なかなか良くできた話なのだが、三浦さんがさりげなく解説を入れてくれているので真の意味にたどり着ける。作家さんはそんなことを考えてこの話を作ったんだと思うと、なるほど納得。冒頭を読んだ時に、もわっと感じていたのだが、自分一人ではすくいきれずまだまだ修行不足。うむ、道は険しい。
三浦さんをこれから読んでみたいと思う人にお薦めだ。特徴はしっかり出ている。







