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影のオンブリア

  • 出版社:早川書房
  • サイズ:16cm/398p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-15-020382-2

影のオンブリア (ハヤカワ文庫 FT)

パトリシア・A.マキリップ (著), 井辻 朱美 (訳)

  • 全体の評価 4.53件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:79822pt
  • 発行年月:2005.3
  • 発送可能日:購入できません
  • 文庫

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商品説明- 「影のオンブリア」

【世界幻想文学大賞(2003年度)】【「TRC MARC」の商品解説】

ユーザーレビュー- 「影のオンブリア」

全体の評価
4.5
評価内訳 全て(3件)
★★★★★(2件)
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★★★☆☆(1件)
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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2011/01/01 11:14

扇の裏と表 都の光と影

投稿者:星落秋風五丈原(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

オンブリアという名の都で、若く美しい大公の愛妾リディアが、大公の幼君に語って聞かせるのは、この世で一番、きれいな都」「この世で一番、力のある都」「この世で一番、豊かな都」-オンブリアの物語。オンブリアを語りながら、リディアが広げるのは、表に絵、裏に切り絵細工がされた扇。表と裏が一体になっていても、それぞれは別のもの。そのありさまは、影の都をもう一つ持っているという、オンブリアそのものの姿と重なる。そして
裏表のある人そのもののありようにも…。

非力ながら大公を献身的に支えようとするリディア。摂政という権力を手にしてもなお、策謀を巡らせる大公の叔母ドミナ=パール。画家で庶子ゆえに権力の外側にいられた甥デュコン。大公の死により、一気に「表の都」の人間関係が動き出し、更に「裏の都」の住人達が関わってゆくことで、別々だった二つの世界が交錯し始める。

「美しい都」という表側と、貴族たちの権力争いという「裏側」。本心を隠すデュコンと、正体を隠すリディア。至る所に表と裏、本心と見せかけというキーワードが複雑にくみこまれ、シェイクスピアの『マクベス』の一節【良いは悪いで悪いは良い】を想起させた。

幻想的な都や、儚げな女性という作品のイメージを体現させたカバーイラストもぴったり。

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/05/08 15:14

世界で一番古い都の歴史が堆積した「影の都」

投稿者:YO-SHI(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者は「妖女サイベルの呼び声」で1975年に世界幻想文学大賞を受賞し、30年近く後の2003年に本書で再び同賞を受賞している。作家は一生の仕事だと思えば、30年という年月は驚くことはないかもしれない。しかし、息の長い作家だということはできるだろう。

 どちらも大賞受賞作ということで、どうしても比較してしまう。良し悪しは言えないが、私は「妖女サイベルの呼び声」より本書の方が好きだ。本書の方が設定やストーリーがファンタジーのスタンダードに近いから、楽しみ易かったのだと思う。

 もちろん、スタンダードとは言えありきたりの物語ではない。著者の持ち味であろう不思議で淡い独特な雰囲気は健在だし、何よりもしっかり性格付けされた登場人物たちが魅力的だ。

 舞台はオンブリアという名の都。王が亡くなり幼い王子が即位する。その王を支えるはずの摂政は魔女で邪な野望を持っている。前王の妾妃や甥など幼王を支えようとする人々との攻防が物語のタテ糸。

 そして、世界で一番古いと言われるオンブリアには、その地下に影の都が存在する。「影のオンブリア」は、オンブリアの長い歴史が堆積したもので、そこにはあらゆる時代の記憶や人々が今も存在している。

 その影のオンブリアの住人である魔女やその僕の少女が、現実のオンブリアの争いに関与し、前王の妾妃や甥も含めたそれぞれの生い立ちや事情がヨコ糸となって、物語の織物を重層的に織りだしていく。ファンタジーファンなら一読をおススメする。

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5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/06/01 19:47

世界で一番古く一番豊かで一番美しい都のお話し

投稿者:読み人(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 世界で、一番古く、美しい都その名もオンブリア、
そのオンブリアの大公が崩御します。
幼い御世継ぎの摂政として実験を握ったのは、通称<黒真珠>のドミナ・パール。
 果たして、その後、この都オンブリアは、、、と、いうお話しです。
 異世界での、剣を使っての冒険活劇という概念からは、
ちょっとかけ離れたファンタジーになっています。
 登場するのは、父親が不明な庶子の若き画家に
亡くなった大公の元愛妾、そしてこのオンブリアの地下都市に住む、
魔法使いに、人形と呼ばれるその召使い、そして、敵役に、ドミナ・パールとなっています。

 併し、欧米人の描く、ファンタジーは、我々東洋人の描くものと違い一味も二味も深いです。
描かれている背景の描写等、本当にイメージ豊かで正にそこにそれらがあるみたい。
 今回特に気がついたのが、明かりに使われる、獣脂蝋の匂い。
どんな匂いなのだろう??。
 又、このオンブリアという架空の都市の設定も大変面白くて
勿論、宮廷のある内城から、外側にも庶民の住む町は、広がっているのですが、(港もあるみたい)
なんと、下にも街は広がっていて、歴史を経るごとに、上へ上へ
発展していったみたいなのです、
 つまり、三次元的に、このオンブリアは、大きくなっていったというわけです。
 そして、その地下の街に住むのが上記した魔法使いなのです。
 イメージ豊かな言葉で紡ぎだされる、オンブリアの世界に
くらくらしてください。と言った感じの一冊です。

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