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恋するスターダスト

  • 出版社:講談社
  • サイズ:20cm/214p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-06-212775-X

恋するスターダスト

新井 千裕 (著)

  • 全体の評価 51件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,57545pt
  • 発行年月:2005.2
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明- 「恋するスターダスト」

携帯電話の画面は君の窓辺だから 僕はその窓明かりを眺めながら 電子のセレナーデを歌おう 心が宇宙なら言葉は星 どうか僕の流れ星で君の宇宙が一瞬きらめきますように…。携帯メールが織りなす、流れ星みたいな恋の物語。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「恋するスターダスト」

新井 千裕

略歴
〈新井千裕〉新潟県生まれ。早稲田大学法学部卒業。新宿区役所職員を経て、文筆業にはいる。86年「復活祭のためのレクイエム」で群像新人賞受賞。著書に「忘れ蝶のメモリー」ほか。

ユーザーレビュー- 「恋するスターダスト」

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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/05/24 14:15

お帰りなさい。

投稿者:ぼこにゃん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

ウッドハウスが翻訳されたり宮沢章夫さんの絶版書が復刊されるらしかったりと、今年は本の当たり年っぽくてホクホクしていたら、今度はなんと新井千裕さんの新刊本である。長らくの不沙汰に言い訳もなく、当たり前のように物語は滑り出す。数週間だか数箇月おき、ふらりとうちにゴハンを食べに来るネコみたいだ。
久し振りに読むこの人の文章は、携帯電話とか電子メールとかいった今日的モティーフを組込みながらも、古き良き八十年代(スノッブなバブル野郎に席巻されていたようなあの頃にだって、スバラシイものは結構多かったのだよ)を煮詰めて結晶させた半透明のコンペイトウ風な、ストイックな甘さに満ちている。じんわりと噛み締めながら大切に読んだ。
思えばこの作家は一貫して、ある世界の崩壊とか喪失といった主題を真摯に描いていた。そんなカタストロフィのあとに続くのは新たな世界への旅立ちの予感であったり、あるいはただただ茫洋と広がる空虚であったり(私としてはこっちの方が好みだったが)したのだが、それはあたかも苦心の果てに制作した繊細なガラス細工を自ら破壊して行く工程のようで、本を閉じるといつもひんやりと哀しい気持ちになるのだ。
それは一方でガラス細工のように脆弱な心たちの拠り所となりながら、もう一方の手でそんな心たちを現実のチマタに送り出す、一時避難所的な営みであった。なんぴともオアシスに住み続けるわけには行かないのだよと、弱い私をやんわりと諭してくれるような。
だから数年前、この人がぱったりと本を出さなくなったことに気付いて連想したのは、風に乗ってやって来て、風に乗って行ってしまうミス・ポピンズの物語だった。この美しい装丁の本を手にして旧友と再会したような心持ちになった時、私は自分が大人になっていたことを実感したのである。
相変わらずアラベスク模様のように細やかな笑いを盛り込んだ語り口もさることながら、小説の最後、主人公が鉄棒をする(何のことかとお思いでしょうが)美しい場面は圧巻。これほど切ない物語を、これほどユーモラスな、そして抑制の効いた文章で綴れる人は他にいるだろうか。構築される世界のただならぬ魅力と、しかしそれを冷めた目線で描き切るニヒルな客観性。今度の小説も決して甘く楽しいばかりの話ではないけれど、だからこそ与えられた日々の愛しさを考えずにはいられない。
後書きか何かあるのかと思ったが、何年ものブランクに関する説明は一切なし。けれどもそんな素っ気なさすら実にこの人らしく思われてしみじみと嬉しい。だから気まぐれネコのような小説家に、私からの返信はただ一言。
ありがとう。

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