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神様からひと言(光文社文庫)

  • 出版社:光文社
  • レーベル:光文社文庫
  • サイズ:16cm/449p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-334-73842-7

神様からひと言 (光文社文庫)

荻原 浩 (著)

  • 全体の評価 52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:72020pt
  • 発行年月:2005.3
  • 発送可能日:24時間
  • 文庫

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ユーザーレビュー- 「神様からひと言」

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評価内訳 全て(2件)
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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007/05/22 20:55

神様からのひと言で、会社は救われるか、急降下か。

投稿者:由季(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

荻原浩さんのファンに人気が高い、神様からひと言を読みました。
うん。まず題名がうまい!中身が分からなくてもなんだか興味をそそる感じだし、中身を読めばタイトルの意味はすぐ分かるし、あぁーうまいなぁと思わせてくれる。
というのも、この会社の社訓が「お客様は神様。神様の一言は会社の命」といったものなのです。お客様からのクレーム。神様からのクレーム。それは会社の財産になるか、はたまた切り捨てられるものか。
物語は、食品メーカー珠川食品に転職した主人公涼介が、お客様相談室に配属されるところから始まります。
お客様相談室。もうネタの宝庫ですよね(笑)この設定だけでページをめくるスピードがあがります。
荻原さんの小説は、これにかぎらず、主人公の職業の描写が細かく、その職業の人なら読めば役立つテクニックがたくさん書かれてて面白いです☆
お客様相談室にかかってくる様々な電話。それにより発覚してくる、会社の商品の問題点とダークな経営。
一社員の涼介と同僚が少しずつ少しずつ、会社を動かしていきます。
ラストは爽快!
会社員の人には勇気を与えてくれる作品ではないでしょうか。おすすめです☆

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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2011/07/23 06:46

神様と闘い、神様に救われる。大丈夫「死にゃあしないさ」。

投稿者:道楽猫(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

社会人になって間もない頃、当時の上司から言われた言葉がある。
「たとえ今、自分がお客様の立場でも、もしかしたら明日は相手が自分にとってのお客様かもしれない。常にそう肝に銘じていなさい。」
その言葉を、ン十年経った今でも忘れていない私からすれば信じられない話なのだが。

巷には、神様になりたがる人たちがあふれている。
ほんの些細な商品の瑕疵に目くじらを立て、或いは店員の態度に難癖を付け、彼らは「責任者を出せ」「弁償しろ」と喚く。
"神様だから何でも通る、許される"と思っている。

私もかつて受電専門のテレオペの経験があるので、クレーマー対応には慣れている。
中年のオジサン相手ならば、とにかく相手を持ち上げる。
「お客様のおっしゃる通りでございます。さすがよくご存知でいらっしゃる。」
オバサマ相手なら、とりあえず気持ちに寄り添うフリをする。
「お気持ちお察しいたします。」「お怒りはごもっともでございます。」
そして心の中で「けっ」と毒づき、中指を立てるのだ。
我ながら性格悪いと思うが、わけのわからない"神様"を毎日相手にしていると、どんどん性格が歪んできて、すさんでもくるのだよ。

この本にも様々な形のクレーマーが描かれていて、クレーマーの実態を知らない人からすれば、こんなのはただの小説の世界の話であり、誇張されているだけだと感じるかもしれないが、実はこの本に出てくるクレーマーなんて、まだまだカワイイものなのだ。世の中には本当に想像を絶する"オモシロクレーマー"が存在する。
私など、話の通じない相手に何度も何度も辛抱強く説明を繰り返しているとき、頭の中をずっとひとつの言葉がリフレインしていた。

「バカの壁」

だけど、本来クレームは企業にとっては宝の山であり、それを生かすことができれば、それこそ"お客様は神様"となり燦然と光り輝くことだろう。何故か。それは、一人のクレーマーの影にはその何倍もの「サイレントクレーマー」が存在するからである。
現在、ほとんどの企業には「お客様相談室」という名のクレーム受付窓口が用意されているが、自社の社員が対応しているところは少なく、表向きは苦情のフィードバックをしている体裁をとっているが、実際にそのクレームを品質向上に役立てているのかと問われれば、私の知る範囲に限ればそういうところは皆無であった。
旧態依然の会社の体質、自らの進退にばかり汲々とする情けない上司たち。
若い主人公にはまどろっこしくイラつくことばかりだろうが、このトシになってつらつら考えるに、背負っているものの重さを思えば、それも致し方ない面もあるとは思う。

作中の「おでん」の喩え話の通り、社長だ専務だと威張ってみても、所詮、自社の「おでん」の中だけのこと。
みんな一皮むけば、ただのオヤジであったり年老いた婆さんだったりする。
そして「おでん」の中では光り輝かない具も、それが主役となる場も必ずある。
時には鍋から飛び出し、新しい道を探すのもいい。すっかり味のしみたコンニャクや大根には難しいだろうけど、新参者のじゃがいもなら、うまくいけば「肉じゃが」として主役級の人生を歩めるやもしれない。
失敗したって、なに、今の日本なら「死にゃあしないさ」。

読み終えたときには、なにやら清々しく、思わず空を見上げて深呼吸をした。
うん、大丈夫。「死にゃあしないさ」。


"本物の神様"は、ジョン・レノンの「イマジン」に、ひとり静かに耳を傾ける。


天国なんかない

ただ空があるだけ

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