- 出版社:新潮社
- サイズ:16cm/185p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-10-118441-0
あらゆる場所に花束が… (新潮文庫)
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- 税込価格:380円(10pt)
- 発行年月:2005.5
- 発送可能日:1~3日
- 本
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商品説明- 「あらゆる場所に花束が…」
【三島由紀夫賞(第14回)】【「TRC MARC」の商品解説】
ユーザーレビュー- 「あらゆる場所に花束が…」
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2005/09/30 18:12
中原昌也には、一度は触れておくべき
投稿者:yu-I(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
これが三島由紀夫賞を受賞したっていうんだから、いやはや、選考委員は実に勇敢であるなぁと感嘆するしかない。
狂気と正気がない交ぜになり、何が異常で何が正常なのかわからない、そもそもそんなことはどうでも良いのかもしれない…。
読むと精神に異常をきたす、とは夢野久作の名作「ドグラ・マグラ」に付された言葉であるが、筆者は賞賛の意をこめてこの言葉を本書にも冠したく思う。
暴力が、憎悪が、肉欲が、まるでデタラメのように横溢し、ようやく何らかの意味なり秩序なりが見えかけたかと思うと、そこで言葉は打ち切られてしまう。快とも不快ともつかない一方的な切断。やはりこれは怪作であり、快作なのである。
それにしても中原昌也は、まさしく「いま」の作家である。この作家の作品は文学の「いま」を、そして「嫌だ書きたくない」と言いながらこのような作品を著す作者のスタンスが「いま」という時代を、徹底的に乱暴な諷刺であらわしている。まっすぐに「いま」に向き合ったゆえに、結論は放棄せざるをえなかった。そんな印象を受ける。
もっともこれは筆者の個人的な感想である。読む人によって解釈は極端に異なるであろう。笑い転げる人もいるだろう、壊れた世界観に酔いしれる人もいるだろう、わけがわからないと怒る人もいるだろう。
音楽は時代を映す鏡、文学は人間を映す鏡。時代を象徴する小説でありながら、あくまでも読者の姿を映し出す、これはそんな作品なのだろう。
いま、一度は触れておくべき作品である。







