疾走 下 (角川文庫)
- 全体の評価
(1件のユーザーレビュー)
- あなたの評価
この商品を評価して本棚に反映
評価しました! ×
- 税込価格:620円(17pt)
- 発行年月:2005.5
- 発送可能日:24時間
- 本 文庫
- 今なら本も電子書籍も全て【ポイント3倍】!!
- hontoポイントスタート記念!文庫もコミックも電子書籍もCDもDVDも全てhontoポイントが3倍!
ユーザーレビュー- 「疾走 下」
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2011/04/27 08:37
重いものをそのまま重く描く
投稿者:K・I(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
春でしょうか。
まだ暖かいという実感を得ることができません。
心の中に重苦しいものがたれこめています。
窓を開けます。風が入ってきます。
夕方のそれは身を切るような冷たさです。
私はどうしたらいいのでしょう?
孤独な私から孤独なあなたへ、
お手紙を差し上げます。
お元気でしたか?
『疾走』に出てくる登場人物たちも孤独です。
重松さんの作品はあまり読んだことがないのですが、
どちらかというと、重いテーマをあまり重くならずに描く作家だと
思っていました。
『疾走』は重いものがそのまま重く描かれています。
ウィキペディアかどこかに中上健次へのオマージュというようなことも書いてあった気がしますが、
「なるほどなァ」という感じです。
下巻にはかなり性的に「異常」な光景も描かれるのですが、
それが全て「シュウジ」という主人公の物語なんだ、と
読者は受けとめるべきでしょう。
重松さんにはこういった方向性の作品を
また書いてもらいたいと思います。
重いものをそのままズドーンと心に
落ちるように。
僕はそういった重いものをズドーンと心に受けたまま
暗うつな春を過ごします。
そして、何年か前の春もゆううつだったということは、
『ウンベルト・サバ詩集』の書評を見れば分かります。
bk1の書評は僕にとって「生存報告」です。
僕は今もなんとか生きています。
ではまた。
どこかでお目にかかりましょう。
2011年 春。







