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稲生モノノケ大全 陽之巻

  • 出版社:毎日新聞社
  • サイズ:22cm/667p 図版31p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-620-10695-X

稲生モノノケ大全 陽之巻

東 雅夫 (編)

  • 全体の評価 32件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:5,250150pt
  • 発行年月:2005.5
  • 発送可能日:24時間

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商品説明- 「稲生モノノケ大全 陽之巻」

奇想天外な妖怪大戦争絵巻に第一線で活躍中の現代作家たちが挑む! 過去の名作佳品を集めた2003年刊同タイトル「陰之巻」と一対を成す、書き下ろし「妖怪文芸」競作集。巻末には、山本周五郎「風流化物屋敷」を特別収録。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧- 「稲生モノノケ大全 陽之巻」

ぼくはへいたろう 宇野亜喜良 作 1-31
もう臭わない 京極夏彦 著 7-13
逆しま屋敷 菊地秀行 著 15-38

著者紹介- 「稲生モノノケ大全 陽之巻」

東 雅夫

略歴
〈東雅夫〉1958年横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ホラー評論家、アンソロジスト。『幽』編集長。編著書に「陰陽師伝奇大全」「百物語の百怪」「幻想文学1500ブックガイド」など。

ユーザーレビュー- 「稲生モノノケ大全 陽之巻」

全体の評価
3.0
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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007/06/16 23:33

平成の平太郎は平気の平左か?

投稿者:仙人掌きのこ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『稲生物怪録』は、和製・少年版「不思議の国のアリス」である…
 そんなフレーズが浮かんで、コイツは我ながら気の効いた思いつきだぞ…とほくそえんでいたのだが。この分厚い平成の奇書「稲生モノノケ大全 陽之巻」を開いた時、その発想の単純な源泉をみせつけられて呆気にとられた。口絵におさめられた宇野亜喜良氏の「絵本ぼくはへいたろう」である。宇野氏といえば、「アリス」の挿絵でもお馴染みだ。何のことはない、優れたイラストレーターのイメージが平太郎とアリスを引き合わせてくれただけの事だったのである。(私はこれ以前の「ぼくはへいたろう」を2種とも所有している。もちろん、宇野版アリスも)
 さて、先に平成の奇書と記したが、この本は企画からして尋常ではない。泉鏡花が『稲生物怪録』から着想を得て名作「草迷宮」を産み出したような、いわば文芸の錬金術ともいうべき秘儀を平成の世に再現しようというのである。誰もが名前を知っている有名小説家から一般公募で選ばれた作者まで、持てる力のすべてを注いであの手この手で読者を驚かせようとする…これは何かの構造に似ていないだろうか。そう、この書物そのものが「稲生屋敷」であり、読者は平太郎となって活字化したモノノケ達と対峙しなくてはならないのである。
 元祖『稲生物怪録』ではいかなる怪異にも動じなかった平太郎であるが、平成の平太郎は平気の平左とはいかない。なにしろホラー・SF・怪談・童話・短歌・戯曲・推理小説とありとあらゆる姿で迫ってくるのだ。おおいに動揺し、かつ楽しんだが、特に〜絢爛たる文章の底に女性特有の冷静さと意地の悪さが透けてみえる〜加門七海「文月問答」・〜大スペクタクルSF娯楽巨編〜小林泰三「SRP」・〜美しい硬質な幻想世界の旅行記〜秋里光彦「クリスタリジーレナー」が印象に残った。
 ただひとつ不満が残るとすれば、ビジュアル作品が宇野亜喜良氏のみであったことだろうか。(陰之巻には杉浦茂氏の傑作漫画が収録されている)編者の解説によれば、他にも漫画作品を収録する予定があったようだが残念なことだ。冒頭にあげた「アリス」はオリジナルのキャロルとテニエル以降、アーサー・ラッカムからサルヴァドール・ダリ、ヤン・シュヴァンクマイエルまで数え切れないほどの画家・イラストレーターが挿絵を手がけている。もともと絵巻物で名を売った『稲生物怪録』の新たなイメージを見てみたいという欲求を強く感じた。
 それにしても、山ン本五郎左衛門が残していった木槌の効力はいまだ有効のようである。次に使われるのはいつだろうか、と心待ちにしている。

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/04/21 10:38

もくじ

投稿者:毎日新聞社(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

【巻頭カラーグラビア32頁】
宇野亜喜良   「絵本 ぼくはへいたろう」幻のバージョン

【モノノケ小説競作集】
京極夏彦    「旧耳袋 もう臭わない」
菊地秀行    「逆しま屋敷」
長島槇子    「異本」
加門七海    「文月問答」
越水利江子   「釣りぎつね」
小林泰三    「SRP」
牧野 修    「砂浜怪談」
福澤徹三    「逢魔の夏」
津原泰水    「夢三十夜」
寮美千子    「平気の平太郎 魔王の館」
佐藤弓生    「菩提町日記」
秋里光彦    「クリスタリジーレナー」
皆川博子    「魔王——遠い日の童話劇風に」

【モノノケ文学賞/入選作発表】
◆最優秀賞
石神茉莉    「音迷宮」
◆優秀賞
松本楽志    「生者・死者・物怪」
戸隠珠子    「妖鼓変」
サカジリミズホ 「七月の客人」
◆特別奨励賞
ひらさとひよこ 「三次もののけ殺人事件」

【巻末特別収録】
山本周五郎   「風流化物屋敷」

東 雅夫    「解説」

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