内部被曝の脅威 原爆から劣化ウラン弾まで (ちくま新書)
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- 税込価格:756円(21pt)
- 発行年月:2005.6
- 発送可能日:1~3日
- 本 新書
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商品説明- 「内部被曝の脅威 原爆から劣化ウラン弾まで」
劣化ウラン弾による脅威で世界は覆われてしまった…。微量の放射性物質による内部被曝のメカニズムを解き明かし、その実相に迫る。劣化ウラン弾などの大量使用により新たな様相を帯びる「核の脅威」に斬り込んだ、警世の書。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「内部被曝の脅威 原爆から劣化ウラン弾まで」
肥田 舜太郎
- 略歴
- 〈肥田舜太郎〉1917年広島県生まれ。全日本民医連顧問、日本被団協原爆被害者中央相談所理事長。
〈鎌仲ひとみ〉1995年から日本を活動の拠点とし、医療、環境問題などのノンフィクション番組を制作。
関連キーワード- 「内部被曝の脅威 原爆から劣化ウラン弾まで」
ユーザーレビュー- 「内部被曝の脅威 原爆から劣化ウラン弾まで」
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2012/04/26 20:14
低線量被爆の影響について、理解を深めるのによい本
投稿者:JOEL(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
内部被曝、外部被曝、すっかりなじみのある言葉になってしまった。本書は、内部被曝の恐ろしさを、被爆者の治療にあたったひとりの医師として記している。出版されたのは2005年6月のことだ。読み終えて、放射線に対する不明を恥じた。日本は唯一の被爆国なのに、きちんとした放射線に対する知識を持たないままにきてしまったのだ。
それは、本書によれば、放射線の影響は軍事機密であり、核弾頭を大量に保有し、かつ原発を100基以上もつ米国の圧力のもと、公にされてこなかったからということである。
広島への原爆の投下後、1週間もたってから爆心地にはいった人が原爆症と思われる「ぶらぶら病」(倦怠感、疲労感のために日常生活にも困る症状)に苦しむ例を著者は医師としてみてきた。
広島には戦後すぐにABCCという研究機関 がつくられて、被爆者の健康調査が実施された。これは、のちに放射線影響研究所となるが、日米共管である。ABCCにあつまったデータは米国に送られ、日本人にはあきらかにされなかった。原爆の影響は、被曝によって直接的に強い放射線、熱線、爆風を受けて多くの方が亡くなった、それがすべてとされてしまったのだ。その後に続く低線量被曝の影響は隠し通された。
この体質は、原子力の権威であるIAEAや、健康に関わる権威であるWHOもひきついでおり、「科学的には不明」とされている。
これは広島にかぎらず、チェルノブイリ原発事故の影響、アメリカの核実験場周辺住民への影響、全米各地の原発周辺の住民への影響に関しても、あてはまる。つまり、こうしたことはほとんどタブーとなっていて、なかなか陽の目をみないのだ。一部の研究者や医師が告発を続けており、著者はそのひとりとなる。
おどろいたのはイラクやコソボ紛争で使用された劣化ウラン弾についても、放射線によるとみられるガンや白血病、免疫の低下などが起きていることだ。著者は現地に足を運んで確かめている。
低線量被曝の影響は、高線量被爆よりも少ないとみられがちだが、カナダ原子力委員会のアブラム・ペトカウは「長時間、低線量放射線を照射する方が、高線量放射線を瞬間照射するよりたやすく細胞膜を破壊する」(p.91)ことを実験によって確かめている。
海外でもヨーロッパのECRRは低線量内部被曝の有害説に立っている。しかし、総じて、低線量内部被曝の影響に関する知見は大きな圧力がかかったり、反論にあったりして主流になりえていない。
米国の原子力施設(原発、核兵器工場、核廃棄物施設)周辺の乳ガン患者は、それ以外の地域よりも高いとするJ・M・グールドの調査結果(p.141)は日本も検討した方がいいのではないだろうか。
著者自身が広島で被曝した経験をもとに、高齢になっても、こうした著書で危険性を指摘し続ける。ただ、本書はデータや統計資料が少なく、もっと科学的な装いをこらしてもよかったのではないだろうか。新書にそれを求めるのは無理なのかもしれないが、もう少し学術的な書物の方が好ましい。著者の警鐘が世の中に響き渡るためにはそれが重要となるだろう。本書の価値はゆるがないだろうが、体験的に語るだけではなく「医学の水準」で論じてほしい。
定説はないとか、科学的に証明されていないと言い続けるのではなく、できる健康調査は国内外を問わずにしっかりやって、結果を世界中に広く開示してほしいと思った。それ以外に、低線量被爆の影響を明らかにする道はないのだから。







