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- カテゴリ:高校生 一般
- 発行年月:2005.6
- 出版社: みすず書房
- サイズ:19cm/152p
- 利用対象:高校生 一般
- ISBN:4-622-08302-7
紙の本
『ロミオとジュリエット』恋におちる演劇術 (理想の教室)
著者 河合 祥一郎 (著)
ロミオとジュリエット、2人の恋は何日限り? 出会って14行の口説き文句でキスするには? 猛スピードで駆け抜ける若い2人の恋物語にシェイクスピアが仕掛けた演劇のマジック、言...
『ロミオとジュリエット』恋におちる演劇術 (理想の教室)
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商品説明
ロミオとジュリエット、2人の恋は何日限り? 出会って14行の口説き文句でキスするには? 猛スピードで駆け抜ける若い2人の恋物語にシェイクスピアが仕掛けた演劇のマジック、言葉のテクニック、空間のトリックに迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
河合 祥一郎
- 略歴
- 〈河合祥一郎〉1960年生まれ。東京大学大学院助教授、放送大学客員助教授。専攻はイギリス演劇・表象文化論。著書に「ハムレットは太っていた!」「シェイクスピアは誘う」など。
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『ロミオとジュリエット』の魅力を解き明かした快著
2005/11/12 16:53
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:la_reprise - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近『ハムレット』や『ヴェニスの商人』などシェイクスピア作品の新訳を立て続けに刊行している河合祥一郎氏がみすず書房の「理想の教室」シリーズから『ロミオとジュリエット』をやさしく解説した本書を上梓した。シェイクスピアを全く読んだことのない人でも知っている『ロミオとジュリエット』の物語。この人口に膾炙した作品が気鋭のシェイクスピア学者の手によって見事に解き明かされている。
本書は大きく三つの部分に分かれていて、「第一回」では『ロミオとジュリエット』における「時間のトリック」が、「第二回」では恋と名誉というテーマが、「第三回」では「韻」などのテクストの形式が分かりやすい口調で語られている。その三回の「講義」を通して強調されているのは、一見単純な悲劇にみえる『ロミオとジュリエット』が手練手管とも言えるようなシェイクスピアの卓越した技巧によって形作られているということである。例えば、「第三回」に登場する、ロミオがジュリエットを「口説いて」、キスをするシーン。若い二人が出会ってからわずか14行の台詞を話しただけでキスをしてしまうのだが、その台詞が見事にソネット形式の韻文となっていること、そのソネットが終わったと同時にロミオとジュリエットがキスをするということが、シェイクスピアになじみのない読者にも分かりやすく説明されている。そして本書を読み通していくと、「第一回」で解説される「時間のトリック」も含めて、『ロミオとジュリエット』、さらにはシェイクスピア作品全体がリアリズム的な整合性や自然らしさに囚われることなく、むしろ矛盾をはらんだ雑多さで成り立っていることに我々読者は気づくことになるのである。
死をも厭わない悲恋物語と単純に読まれてしまいかねない『ロミオとジュリエット』だが、そこには様々な技巧が施されている。本書はそれを巧みに説き明かしている。同じ河合氏が訳した『新訳 ロミオとジュリエット』(素晴らしい訳だと思う)とともに読まれたとき、『ロミオとジュリエット』という作品の魅力が読者によってさらに実感されることだろう。