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- カテゴリ:一般
- 発売日:2005/07/01
- 出版社: 紀伊國屋書店
- サイズ:20cm/390p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-314-00988-8
- 国内送料無料
紙の本
生命最初の30億年 地球に刻まれた進化の足跡
【ファイ・ベータ・カッパ賞(2003年度)】地球生命史の「空白期間」…最初の30億年ほど、謎に満ちた生命進化のドラマはない! これまで語られてこなかった、「地球生命史最初...
生命最初の30億年 地球に刻まれた進化の足跡
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商品説明
【ファイ・ベータ・カッパ賞(2003年度)】地球生命史の「空白期間」…最初の30億年ほど、謎に満ちた生命進化のドラマはない! これまで語られてこなかった、「地球生命史最初の30億年」を、「世界で屈指」の古生物学者がスケッチする。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
アンドルー・H.ノール
- 略歴
- 〈アンドルー・H.ノール〉ハーヴァード大学で地質学のph.D取得。ハーヴァード大学自然史フィッシャー記念教授。米国科学アカデミー会員。NASA火星探査車ローバー科学チームのメンバー。
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紙の本
細菌や古細菌に関する古生物学の面白さと興味深さが伝わってくる
2005/12/25 17:16
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者自身が(古)細菌の化石の研究を中心とした古生物学を楽しんでおり、素人目には地味な学問である古生物学の、その面白さと興味深さをなんとか伝えようとする意気込みが伝わってくる本である。各章の初めに語られる化石収集のための著者自身のフィールドワーク体験が、なまなましく生き生きととしている。読んでいて自分も現地に行って実際に化石を採掘してみたくなるほどだ。
原書の題名は「幼年期惑星上の生命」というようなものだ。古生物学というと、最近はパージェス頁岩に代表されるカンブリア紀の奇妙奇天烈な多種多様な動物群が有名だが、それらはおよそ3億年とか5億年まえの生物である。この本で取り上げられている生物は、それ以前から30億年前のものである。10倍近い年代を遡る。その時期は動物も植物もいなく、細菌や古細菌のみである。当然肉眼では見えなく顕微鏡で観察することになる。断片的な破片や群体から、現生の細菌や古細菌と比較し、種を同定していく。地層の年代を確認し種の系統を調べたり、代謝作用を推定したり、地質学や気象学やDNA分析の分子生物学といった多様な学問分野の知見を応用適用する。古細菌や細菌代謝作用により古生物が地球の環境のどのような変化を与えたか、そしてその古生物と地球環境の相互作用により、古細菌や細菌の原核生物から我々人間のような真核生物が、どのような地球の環境変化のもとでどのように進化してきたか、が語られている。
紙の本
恐竜よりもずっと以前の生物たちの目立たなくともなくてはならなかった歴史
2006/01/26 23:50
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Skywriter - この投稿者のレビュー一覧を見る
古生物といえば、やはり主役は恐竜であろう。私も子供の頃から恐竜が好きで、科学博物館に連れて行ってもらったり、児童書を読んでもらった記憶がある。その後熱心な恐竜ファンになったわけではないにしても、恐竜展があったりするとワクワクして覗きにいってしまう。
恐竜以外の古生物のヒーローといったら、三葉虫やウミサソリ、アンモナイトといったあたりであろうか。そこにアノマロカリスのようなカンブリア紀の怪物たちを加えたら十分だろうか。
しかしながら、カンブリア紀に多様なデザインをもつ生物が発生してから今までの期間は、生命の歴史にとっては非常に短い時間に過ぎない。多細胞生物が発生する、そのもっと前には気が遠くなるほど長い細菌たちの歴史があるのだ。
考えてみれば細菌は可哀相な存在である。生命の誕生について語られる際にはRNAワールドだのたんぱく質の世界だの、果ては宇宙空間での有機合成の話まで遡ってしまうのに、一旦誕生してしまった後を語ると途端に細菌の時代を大急ぎで通り抜けて、(たいていは一目散に)恐竜の時代まで行ってしまうのである。これほど彼らにとって不条理なこともあるまい。
そんな不遇な細菌たちにも日の目を浴びる日がきた。本当に日光に当たったら死んでしまうのだけれども。地球が誕生してからカンブリア紀の爆発的な生命進化までの通史である。生命40億年の歴史の大部分を占める細菌だけの世界。そこにも多くの奇跡とドラマがあったことがわかってとても面白い。話題も豊富で、興味をかきたてられる。火星に生物はいるのか(あるいはいたのか)を知るのに細菌の時代を解き明かすテクニックが使える。あるいは、細菌の活動から全球凍結といった地球の激動の歴史を垣間見ることができる。そんな記述だけでも楽しむことができる。古の時代に思いを馳せて楽しめる、そんな一冊である。
なお、この本を読んで面白いと思った方には以下の本もお勧めである。
『生命40億年全史』
生命の40億年の歴史を一冊で語ってしまおうという大変な意欲作。説明の羅列に終始せず、実に面白くまとめ上げたのはみごと。
『三葉虫の謎』
三葉虫学者たるリチャード・フォーティによる、一冊丸々三葉虫の本。三葉虫もさまざまなバリエーションを持った生物だったのだと実感させられる。
『カンブリア紀の怪物たち』
バージェス頁岩でカンブリア紀生物進化を発見したサイモン・コンウェイ・モリスによるカンブリア紀の奇妙な生物の紹介。こんなのがいたのかと絵を見るだけでも楽しめる。
『共生生命体の30億年』
ミトコンドリアや葉緑体が共生によって細胞に取り込まれたとするリン・マーギュリスの著。遺伝子進化とは異なる進化のあり方が面白い。