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エキスペリエンツ7 団塊の7人

  • 出版社:日本経済新聞社
  • サイズ:20cm/535p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-532-17068-0

エキスペリエンツ7 団塊の7人

堺屋 太一 (著)

  • 全体の評価 51件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,99557pt
  • 発行年月:2005.7
  • 発送可能日:24時間

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商品説明- 「エキスペリエンツ7 団塊の7人」

「団塊の世代」から30年。早期退職を迫られている銀行員に、商店街再生の依頼が舞い込む。それに応え、知恵と経験溢れる7人の団塊たちが立ち上がった! 『日経ビジネス』連載「ジ・エキスペリエンツ」を改題、加筆・修正。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「エキスペリエンツ7 団塊の7人」

堺屋 太一

略歴
〈堺屋太一〉1935年大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。経済企画庁長官を務めた。現在、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。作家。著書に「団塊の世代」「知価革命」など。

ユーザーレビュー- 「エキスペリエンツ7 団塊の7人」

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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/07/19 17:39

梅之園商店街「ハッピー通り」の舞台上で熟達者達(エキスペリエンツ)7人の侍が見せる「団塊の世代」への熱いエール、「中高年よ、大志を抱け!」

投稿者:平野雅史(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この小説は、単純に面白く、堺屋太一ファンならずとも多くの方にお薦めしたい。ただそれ以上に、団塊の世代に属するサラリーマンにはネクストステージに向けたエールとなり、また、若い世代の方々にとっては団塊の人々との間に横たわる認識ギャップ、利害対立を埋める橋架け・応援歌になる一冊だと思われ、これらの方々には殊更に薦めたい。
 舞台は東京東部にある梅之園商店街「ハッピー通り」。
 どこにでもある衰退著しい近隣型商店街の再興に向けて、主人公たる(元)大手銀行員坂本龍生と、彼が長年の経験で培った人脈から選りすぐられた団塊の世代の仲間達が繰り広げる地域再生劇。この舞台装置のうえで、仕事に誇りと生き甲斐を賭してきた団塊の世代の熟達者(エキスペリエンツ)達が、「経験知(ディープ・スマート)」と「Know Who」を駆使し、衰退した街に新たな息吹を吹き込んでいく。金融機関や「ハゲタカ」ファンドとの陽動作戦や銀行間買収劇のやり合いなどは、ちょっとした推理小説のような興も味わえる。また、「あちら立てればこちらが立たない」地域社会が持つ生態系、「コンセプトに始まりコンセプトに終わる」商店街再生の王道を露わにしつつ、一方、新・旧金融実務、背後にうごめく欲も実態的であるから、地域再生や金融の疑似体験にもなろう。(私の勤務先が登場するというちょっとしたサプライズのおまけもあった)
 しかしその実、ストーリーの背景には、我が国経済社会が抱えた多くの課題が紡がれている。団塊の世代の退職、地域経済における不良債権問題、「シャブ漬」中小企業政策の後遺症、地域社会とソーシャル・キャピタルの崩壊、スモールビジネスの高齢化と後継者難、社会的起業家や地域貢献型事業(コミュニティ・ビジネス)への期待、REITやCMBSの背後にある地上げ、等だ。堺屋による軽妙なストーリー展開のなかで、我々の国が抱えた・またこれから抱える課題が身に迫ってくる。30年前、「団塊の世代」という言葉を世に生んだ堺屋は、団塊こそがこの課題解決者だとエールを送る。
 因みに、私個人としてお薦めしたい読み方は、本書を携えて近くの商店街に足を運び街の息遣いを感じながら、本書にある「ハッピー通りの地図」のコピーを傍らに、自分なりに考えを巡らせるというもの。本書に描かれたストーリーはフィクションだが蓋然性ある現実でもあると実感できると思うのだ。
 一金融人としての私自身はエキスペリエンツには遠く未達は言え、金融・融資に携わってきた立場上、多くの金融人に是非一読頂きたいと願う。我々が目にしてきた地域や金融の現実と符合する部分が多いからだ。
 融資や不動産のエキスペリエンツであれば、本書に記された情報が上述の「地図」に書き込まれ、これが暗号解読書となり、一方、自らのツマラナイ実務経験の蓄積をアイデアとして体系化するツールとなり、また、自らが身を置いた支店生活や地域社会への想いに至るに違いない。金融人にとっての自己探求の書ともなり得るのだ。
 もとより、本書のメッセージを自己を美化するレプリカントとして位置づけサンチマンタリズムに浸るべきではない。私自身、一金融人として、自転車漕いで集金していた頃や近隣の祭で神輿を担いでいた思い出はあるが、本書に描かれた銀行員達のように我々金融人は「悪役」「侍」そのどちらの立場にも組みし得るはずで、まして、街を守る主人公が善玉で資本主義の表象としてのファンドなどが悪玉とする安直な二元論的判官贔屓は慎むべきだろう。
 だが、本書を通じて、金融の良心・ノブレスオブリージュとは何か、「貸すも親切貸さぬも親切」という金融の格言が意味するものは何だったのか、我々の仕事が何に拠って立ちその自負心が何であったのか、そんなことを自省させる一冊でもあるのだ。

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