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コールドゲーム

  • 出版社:新潮社
  • サイズ:16cm/480p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-123031-5

コールドゲーム (新潮文庫)

荻原 浩 (著)

  • 全体の評価 43件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:70020pt
  • 発行年月:2005.11
  • 発送可能日:24時間

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ユーザーレビュー- 「コールドゲーム」

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11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2005/11/15 20:42

近年、稀に見る不快な読後感。本当に悪いのは、最初に手を出した奴だろうに、結果から善悪を判断してはいけない、苛めは最初にやった奴が絶対に悪い!

投稿者:みーちゃん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

犯人を追い詰める小説という点では、サスペンスと言ったほうがいいのでしょうが、問題の根の深さから、あくまで現代小説として読みました。それにしても不快な本ではありまする。
主人公は渡辺光也。高校野球部の三年生ですが、チームは甲子園に行くどころか神奈川の地区予選で敗退しています。とはいえ、それで自由ができるかといえば、先輩の不祥事は後輩たちの足を引っ張ることになると、それもままならず真面目に日々を過ごしています。といって、進学して何をするという目標があるわけでもありません。ただ毎日を何となく過ごしている、そんな光也の前に現れたのが亮太、中学以来の悪友です。
ヤクザになると息巻いていた亮太は、しかしその世界の上下関係の厳しさに、とっくにその道はあきらめ、工務店に勤めながら、相変わらず暴力の臭いを振りまいています。そして、彼の悪友ヒロキが襲われ、骨折をしたというのです。亮太は、犯人は中学の時自分たちが苛めたトロ吉だと断言します。
頭はいいものの体が小さく、貧しかったトロ吉をイジメの対象にしたのは亮太やヒロキ、そしてクラス中の皆、それに教師の野口でした。彼らはトロ吉を裸にし、あるいは食事にいたずらをし、殴り、存在を無視し続けたのです。半分は亮太の暴力を恐れたせいでもあります。光也は積極的にイジメに参加こそしなかったものの、自分が標的になることを恐れて、救いを求めるトロ吉を見捨てたのです。そんな、脛に傷をもつ連中に襲い掛かる魔の手。本当に犯人は、あの弱かったトロ吉なのでしょうか。自分たちの過去のイジメが世間に知れることを恐れた亮太たちの、秘密の人間狩りが始まりました。
読んでいて救いも何もない小説です。主人公である光也たちには、過去のことなどまったく反省する気はありません。イジメなど、されるほうが悪いとしか思っていません。それは最後の一行まで、変わりません。いや、小説では、そうはなっていないように描かれています。でも、だれがそれを信じるでしょう。彼らは、勝手に犯人を決めつけ、他人の家に勝手に入り込み、好き放題を繰り返すのです。
そっとしておいて欲しい、と頼み込む友人たちの家庭に土足で入り込み、情報を脅し取る。嘘をつくのは当たり前、警察などは信じないし、自分の家族すら平気で騙します。その不快なことといったら、宮部みゆき『理由』、『模倣犯』を連想するといったらいいかもしれません。
高島哲夫は『ダーティ・ユー』で、現代の若者を取り巻く法の不備や、教育現場の荒廃を告発しましたが、日本のイジメの実態は、少しも変わっていません。それは事件が起きた学校の対応を見ればわかります。どの校長も、まず「いじめはありません」といいます。要するに、見えていない。何がイジメか、苛められる側に立つことができない周囲。
椎名誠は講演集のなかで「集団でシカトなどする陰湿なイジメがあるのは、日本だけ」だとまで言い切りますが、他国はどうあれ日本のイジメが酷いものであることは、間違いがありません。それをないものとして、目を瞑るから教育や行政が腐っていくのです。荻原は、告発というスタイルをとりません。ただ、現実をそのまま我々の前に突きつけるのです。
ラスト近く、少年たちが陥る危機のなかで、こんな屑は死ねばいいんだ、と思わない読者がいるでしょうか。マスコミの対応と大衆の心の移り変わりの速さ、みたいなところでお茶を濁している気配がありますが、それは甘い!。人々は最初に悪を行った人間を、喧嘩両成敗のかたちで許すほど甘くは無いのです。それに甘えるのは、事実を見つけることのできないマスコミと、因果関係を掘り起こされることをおそれるイジメをし、あるいは暴力を振るう側の人間だけでなのです。

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6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007/01/31 09:15

「いじめ」という深い闇・・・そこから生み出されたものとは・・・

投稿者:ゆう(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校三年の光也。中学時代のクラスメイトが、次々と襲われた。犯人と思しき人物は、当時いじめられていた通称・トロ吉。
光也たちは、「北中防衛隊」を作り、トロ吉の行方を追う、ひと夏の青春ミステリー。
いじめる側といじめられる側の両方の心情が、作品全般に描かれていて、犯人探しというよりも、いじめというテーマの方が重く深く心の響き、印象に残った。
想像を絶するようないじめの数々や、教師まで加担していた背景、その時々のそれぞれ心情が、嫌というほどリアルに描かれ、いつの間にか、メディアでとり出たされている子供達の自殺と重ねて読んでいる自分がいた。
クラスメイトが次々と被害に遭う様子や、ラストへ繋がっていく過程には、少し物足りなさ感じたが、全ての真相が明らかになった時には、何とも辛い気持ちにでいっぱいになった。
「いじめ」という、何一つとして得るもののない行為。
その闇を改めて思い知らされた作品だった。

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007/05/22 20:58

逆転のチャンスは訪れるか。

投稿者:由季(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

またまた荻原浩さんです。
いやー!まさにミステリーの鏡!
先が気になって気になって、もうところ構わずむさぼり読む始末。
物語は、中学時代にいじめにあっていたトロ吉こと廣吉が数年後に、いじめに関わった全ての人に復讐を始めるというもの。
廣吉がやっているという確信はあるのに、誰もその姿を見た者はいない。
そして、小さくて弱っちかったはずの彼にこの犯罪は可能なのかという疑問。
最後まで犯人に確信がもてず、次々起こる悲惨な事件。
とにかく一読すべし!

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