- 出版社:早川書房
- サイズ:16cm/428p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-15-041101-8
レイジング・アトランティス (ハヤカワ文庫 NV)
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- 税込価格:882円(25pt)
- 発行年月:2005.11
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ユーザーレビュー- 「レイジング・アトランティス」
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2005/12/08 10:58
南極ピラミッド、極寒のサバイバル!
投稿者:tujigiri(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
超古代文明伝説の花形アトランティス。その出自はインドの老僧が口伝したというムー大陸伝説よりも確かなもので、かの哲学者プラトンが神官からその存在を伝え聞き、実際に著書に書き残している。
アトランティスがどこにあったかには諸説あって、大西洋の真ん中という説や地中海のサントリーノ島あるいはマルタ島を候補に挙げる説、またはトルコにその地を求める者もいる。のちにプラトンの弟子アリストテレスはプラトンの抱く理想郷像を伝説風に装飾しただけと一蹴したが、なんのなんの、いまもって謎の文明に魅せられる人間は多いのだ。
本書「レイジング・アトランティス」は、そのアトランティスの遺跡とおぼしき被造物が南極で発見されるシーンで幕を開ける、ノンストップ冒険小説だ。
超古代文明に隠された秘密を追って多種多様な登場人物が出てくるのだが、そのほとんどがアトランティス文明を使って自分の野望を果たすことしか考えていない、おそろしくエゴイスティックな連中ばかり。
遺跡の保存にまるで興味のない異端の考古学者コンラッドや、その父でアメリカ軍の秘密任務を帯びたイェーツ将軍、言語学を駆使する才媛にして頑固な元修道女セリーナなどを中心に、冷徹な専門家たちが南極に集結し、親子関係や恋人関係を越えて我先にアトランティスの核心に近づこうとするのだ。
基本的にこの3人は仲間として一緒に行動するのだが、どっこい仲間内での駆け引きや裏切りが続出するわ、ロシアやアラビアから派遣された軍人チームが重武装で暴れまわるわ、とにかく目まぐるしい。
加えて、ストーリーの進展で不要になったキャラクターが次から次へと容赦なく死んでいくのも特徴的。
もともとネット上で発表されて人気を博し、出版にまで漕ぎ着けた小説だけあって、とにかく話のテンポが早いのである。
一応は考古学知識を下敷きにしているので、古代文明ものに付き物のアクロバティックな神話解釈や1万年規模の星座の移動チャートなどが謎の解読に用いられるのだが、まあほとんど読み飛ばせる。
読者に要求されるのは細かい理解よりも、エゴを剥き出しにする登場人物たちの見せるシビアなプロフェッショナリズムに付いていけるだけの心構えなのだ。
この小説には、世界を救うだとか凍りついた愛を復活させるといった甘っちょろいテーマは用意されていない。
でも、そのあたりがアトランティスに魅せられた人間の姿をよく描いているのだ。
すぐにでもハリウッドで映画化されそうなこの小説、あなたはいったいどう読むか。







