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九杯目には早すぎる

  • 出版社:双葉社
  • サイズ:18cm/282p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-575-00748-X

九杯目には早すぎる (Futaba novels)

蒼井 上鷹 (著)

  • 全体の評価 33件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:84024pt
  • 発行年月:2005.11
  • 発送可能日:7~21日

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商品説明- 「九杯目には早すぎる」

第26回小説推理新人賞受賞作「キリング・タイム」を始め、第58回日本推理作家協会賞・短編部門の候補作に選ばれた「大松鮨の奇妙な客」など、ユーモラスな空気の中でミステリーの醍醐味を味わえる作品を収録した短編集。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧- 「九杯目には早すぎる」

大松鮨の奇妙な客 7-60
においます? 61-65
私はこうしてデビューした 67-115

著者紹介- 「九杯目には早すぎる」

蒼井 上鷹

略歴
〈蒼井上鷹〉1968年千葉県生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て執筆活動に入る。第26回小説推理新人賞受賞。

ユーザーレビュー- 「九杯目には早すぎる」

全体の評価
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4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/01/27 21:48

本当は★4つが妥当なんでしょうが、どの作品も読後感が悪いです。論理の立て方は文句無いのですが、寝覚めが悪いって言うか、これって作者の人格?

投稿者:みーちゃん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

海外ミステリファンならば、タイトルを見ただけでケメルマンの名作『九マイルは遠すぎる』を思い出します。といってもケメルマン、我が国ではデビュー二、三年は随分騒がれたようですが、その後、殆ど名前を聞くことも有りません。寂しいな、と思っているところに飛び込んできたのがこのタイトル、さては名作復活の兆しか、と喜んだのですが・・・
鮨屋の客の前に出されたのは〈おすすめ ジャンボ茶碗蒸し〉、その時、客がやりはじめたのは「大松鮨の奇妙な客」。実は、この出鼻で嬉しくなったんですね。これって、都筑道夫の退職刑事じゃないの、いいよね、この客の奇妙な行動と、それに怒る職人の感じが、とってもいい。このまま無事に進んでね!って。
次が、焼肉の匂いを振りまいて帰宅する、それが男の作戦で「においます?」、何ていうか、冒頭の作品がああいって終わり方をしたので、いわゆるシリーズ探偵ものじゃあないんだよね、でもこれって違和感ない?って思うんですね。で、男の元に何通も舞い込むメール、その量が忍耐の限度を越えたとき「私はこうしてデビューした」、元看護婦の妻が作る食事がおいしくて「清潔で明るい食卓」と来て、あ、私の思っていたのとは違う、って確信したんです。
行きつけのバーで知り合った老人は「タン・バタン!」、ストーカー撃退用にと男が連れてきたのは「最後のメッセージ」、花粉症のバーテンの前に現れたのは同じ病の女性だった「見えない線」、有名なミステリのパロディかと思うと「九杯目には早すぎる」、好きでもない上司に酒に誘われて「キリング・タイム」。
『小説推理』掲載のものと、書き下ろし作品が混じっていて「清潔で明るい食卓」「タン・バタン!」「見えない線」「九杯目には早すぎる」の4作が後者にあたるそうです。正直、読後感が悪いですよね。どうしてこう纏める?論理も話の展開も殆どそのままで、もっと気持ちいい終わり方があるのに、蒼井はその道を選択しません。全部がゼンブ。
たしかに世の中、ハッピーエンドが全てじゃあないんでしょうが、でも全作同じトーンっていうのは、よっぽど性格が悪いのかな、なんて変な勘繰りいれたくなりますよね。千葉県にはろくな作家いないし・・・。でもなあ、カバー装画のムードは抜群なんだけどなあ・・・。ちょっと甘めで、装幀/泉沢光雄、装画/浅羽容子です。
蒼井上鷹は1968年、ニンジンと韮、山を削ってゴルフ場ばかり作ってしまった千葉県生まれの作家で、本作がデビュー作だそうです。論理はそのままに、もっと洒落たセンスの作品、てえ路線は無いんでしょうか?

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007/03/21 10:13

軽妙な会話}突飛な謎}嫌な後味

投稿者:たむ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 短篇とショート・ショートを交互に配した、連作ではなく純粋な短篇集。デビュー作にしてハードルの高さにチャレンジしたのは評価するけれど、いくつかのハードルは見事に蹴倒してしまっているのも事実でした。

 巻頭の「大松鮨の奇妙な客」。寿司屋でのとぼけた会話を読んでいるうちにとんとん話が進んでゆくあたり、泡坂妻夫を思わせます。寿司屋で起こった奇妙な事件も、泡坂作品や参考に挙げられている都筑道夫作品を思わせて好感触。意外性を狙ったがためなのか、真相を凝りすぎというか理屈をこねすぎの感がなくもないが、まずは上々の滑り出し。

 ところが「私はこうしてデビューした」になると、持ち味だと思われた軽妙な会話や奇妙な事件が姿を消し、こねすぎの理屈だけが残ってしまったような印象。

 ショート・ショートの方も、「清潔で明るい食卓」のようなさりげないものがあるかと思えば、表題作「九杯目には早すぎる」のような強引なものもあり、全体的にばらつきがありました。

 個人的には「大松鮨」路線で通してほしかったのだけれど、連作ではない短篇集なのでバラエティを意識したというところなのでしょうか。引き出しが多いので将来性に期待できる、というべきか、器用貧乏というべきか。

 謎があって解決があってという単純な図式ではなく、何が起こっているのかわからないところから物語が始まり、何が起こっているのかわからないまま話がどんどん進んでゆくので、読んでいるあいだはすいすいページをめくらされます。ただし後味がよくない。それもまた持ち味といえば持ち味なのですが。

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/07/28 00:18

お洒落な短編ミステリ集だが内容は表紙ほどお洒落ではないかな・・・

投稿者:トラキチ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者の蒼井さんは本作にも収められている「キリング・タイム」にて第26回小説推理新人賞を受賞。
今後活躍が期待される新人作家である。
全9編の内、短編が5編、表題作を含むショートショートが4編組み入れられている。
個人的には短編よりショートショートの方が出来がいいような気がする。
短編の方は、どれもが同じぐらい後味が悪いのがなんとも皮肉な読後感となった。
その後味の悪さも、たとえばワインの苦さのようにほろずっぱく感じられる人は許容範囲なんであろうし、評価が難しいといえばそれまでなのであるが・・・
たしかに、どれもが酒を題材としていて1編1編がまるでカクテルのようだ。
ただ、表紙のように爽やかなイメージとは程遠い。
確かにヒネリがきいた展開で小気味いいのだが、前述したとおり、かなり後味が悪いのが玉に瑕である。
やはり登場人物の魅力のなさが最大の欠点なのかもしれない。
作者は小市民的な主人公を添えたつもりであろうが、私にはあまり伝わらなかったな。
どの作品も人間が小さいというかせこすぎる人物のオンパレード。
基本的には爽快感よりも、予期せぬ展開にヤラレタ〜と強く感じ満足すべきタイプの作品なのだろう。
ただ、この作家、個性的といえば個性的だといえそうですね。
たとえば表紙を開いて目次を見ると凝った作り(1作1作を一杯一杯に見立ててるのですね)と新書版での刊行などを考慮すると、お洒落な短編集として一読されるのもいいのかもしれない。
あなたも一杯飲んでみてはいかがですか?
お気に入りのカクテルが見つかることを信じて・・・

あと、翻訳ミステリーファンなら各編のラストにある参考本のタイトルと比べる楽しさがあるかもしれませんね。
作者のミステリーに対する熱き想いが伝わることでしょう。
客観的に見て、ちょっぴりユーモラスでちょっぴりブラックなのがこの人の持ち味なのであろう。
次作にはもっとその持ち味が生かされることを期待したい。
活字中毒日記

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