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商品説明
デザインとはいったい何であるか−。数々のヒット商品を生み出し続ける工業デザイナー・深澤直人が考えるデザインの断片を集めたエッセイ。多くの作品写真を掲載し、アーティストとの対談も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
深澤 直人
- 略歴
- 〈深澤直人〉1956年山梨県生まれ。多摩美術大学卒業。独立後、Naoto Fukasawa Design設立。武蔵野美術大学教授、多摩美術大学客員教授、東京大学大学院学際理数情報学特別講師。
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紙の本
あるべき姿を可視化する人。
2006/05/12 22:06
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求羅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
無印良品の壁掛式CDプレーヤー。ドーナツ型の加湿器。au携帯電話INFOBAR。
誰もが一度は見たことのある、これらの製品をデザインしたのが、本書の著者・プロダクトデザイナーの深澤直人氏だ。
本書は、デザイン論に留まらない中身の濃い内容である。こういう考え方から、さりげない中にセンスの光るデザインが生み出されるのか、と興味深く読むことができた。
最初は、インタビューで語られた中の、短い言葉を抜き出したものが載せられている。いわば、各章のキーワードのようなもの。
これが、感覚的な表現で、分かりづらいのだ。例えば、「デザインの輪郭」について、こう語られている。
——結局、僕は空間に輪郭を描いている。
デザインの輪郭とは、
なんとなく、具体的なかたちの周りにあるぼあっとしたも の。
関係が見えるんです。複雑なものが、すうっと。(以下、 略)——
言いたいことは何となく理解できるのだが、どうもすっきりしない。
そんな読者を想定してか、補足するかたちで説明文が続くのだが、これが更に分かりにくく、読み進めるのに一苦労する。
とにかく、理屈っぽくて難解なのだ。同じ感覚を共有したことのある人なら、すいすい読めるのだろうが。
思うに、「デザイン」というイメージを形にする作業を、言葉に置き換えることには、限界があるのかもしれない。「もの」を提示すれば一目瞭然なのに、その「もの」を説明するためにはたくさんの言葉を用いなければならないのと同じように。
けれど、その言葉を何度も咀嚼すると、氏のいわんとすることや、目指しているものが何なのかが見えてきて、はっとする。その姿勢、まさに、プロフェッショナル。
氏いわく、
——輪郭を成す要因は、誰しもが共有している。だから、誰もが 輪郭を既に知っている。ただ、それを自覚していないだけな のである。——
その輪郭を、常人はなかなか見えないんだよなあ、と思わずぼやいてしまった。