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劒岳 点の記 新装版

  • 出版社:文藝春秋
  • サイズ:16cm/407p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-16-711234-5

劒岳 点の記 新装版 (文春文庫)

新田 次郎 (著)

  • 全体の評価 4.52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:72020pt
  • 発行年月:2006.1
  • 発送可能日:24時間

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ユーザーレビュー- 「劒岳 点の記 新装版」

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7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/11/18 20:50

小さなことの積み重ね

投稿者:桔梗(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

剣岳
“弘法大師が草鞋三千足を使っても登れなかった”と
“登れない山 登るべき山ではない”と言われ 地獄の針山に喩えられていた険しい山

明治時代 まだろくな地図がない頃
前人未踏の剣岳への登頂を挑む 測量隊の熱い男達のドラマ

地図を作る その測量のための三角点を山頂に設置する
その目的のために剣岳に挑む測量官の柴崎とその部下たち
初登頂を目指す山岳会との先着争い 立山信仰を妄信する人たちや県職員からの嫌がらせなどの苦難が立ちはだかる中
なにより厳しいのは 剣岳そのもの

山と向き合い 人と向き合い
自分と向き合う

登ること進むことに必要なのは 最新の装備や何か大きなものではなく 小さな工夫と努力の積み重ねだ 

偉業というのは 案外 ひとつひとつは小さくて地味なことの積み重ねなんだろう

測量官の柴崎や案内人の長次郎が お互いを信頼し 誠実にこつこつと地道な努力を積み重ねる姿が 実に印象的


努力をするというのはかっこいい そう思う

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10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/05/21 21:23

剣岳とその周辺の測量活動を描いた感動の山岳小説

投稿者:ドン・キホーテ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ご存知山岳小説で有名な新田次郎の作品である。北アルプスにその険しさで名を馳せている剣岳がある。その昔(明治40年代)、その剣岳はまだ誰も登頂していないと言われており、立山同様、山岳信仰の対象だった。弘法大師をもってしても登ることのできない山とされてきた。
 ところが、陸軍の陸地測量部という役所はまだ精密な地図のなかったこの地を測量して、5万分の1の地図を完成させようと、測量官を送り込んだ。ほぼ同時に登山の同好の士が集う山岳会が誕生し、そこが剣岳初登頂を目指すという。どちらが初登頂の栄誉を得るかの競争となった。
 現在、剣岳登山は富山側から室堂に入るコースと、信濃大町からトロリーバスで室堂に入るコースとがある。当時はもちろん、後者はなかったから、富山側からであるが、登山口の地元は立山信仰で訪れる参拝客の宿坊が軒を連ねていたという。
主人公は柴崎という測量官であるが、測夫と呼ばれる臨時助手と地元の案内人を兼ねる人夫が集められ測量隊が編成された。柴崎測量官は実在の人物で、新田氏は事前に関係者の取材に当たって柴崎氏の事績を調査したらしい。「点の記」は三等以上の三角点を設定する際の記録一式のことである。小説は道なき道を行く測量隊の困難、苦労を描いたもので、自然を克服して測量を行うことが測量隊の仕事であることを本書は伝えている。
 しかし、困難はそればかりではなかった。富山県土木部が立山温泉で休養を取ろうとした測量隊に嫌がらせを行ったり、周囲の人間関係での苦労も描かれている。
 測量官と案内人・人夫との相互の気遣いは、涙が出るほどの感動であった。剣岳に上ったことのある人だったら、この山が如何に険しく、岩だらけで山頂に達するのに苦労するかがよく理解できるだろう。ましてや、現在のように登山ルートが確立されているわけでもなく、自ら登り方、登り口を見出さなくてはならないのである。
 案内人が見出した雪渓からの登頂は見事に成功したのだが、この雪渓には案内人の長次郎の名が付けられている。
 登山とは縁のない人でも大いに楽しめる本書であるが、登山が趣味の人ならば、一層感動すること請け合いである。さすがに山岳小説の第一人者の作品である。

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