伊庭征西日記 徳川直参の生き様と明治維新 (SPコミックス)
森田 信吾 (著)
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- 税込価格:550円(15pt)
- 発行年月:2006.3
- 発送可能日:7~21日
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ユーザーレビュー- 「伊庭征西日記 徳川直参の生き様と明治維新 (SPコミックス)」
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/06/05 11:21
幕末ゆえの悲劇の美剣士
投稿者:カルバドス(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治維新直前、尊皇攘夷の気運が極限までに高まっていた時代とは、一体どのような時代だったのだろう。そのような時代に武士として生を全うしなければならないというのは、どのような気持ちだったのだろう。
本書で扱われている伊庭八郎は、幕末を生きた実在の剣士である。山岡鉄舟よりも鋭い突きを放つ手練れながら、わずか26歳の若さで生涯を閉じた美剣士。なぜ、彼は五稜郭で最後まで戦わなければならなかったのか。
当時の武士の生き方は大別すれば二つ、武士として生きるか武士を捨てるか。その片方、武士として生きることを選んでも、進む道は大きく分かれる。改革を目指すのか、それとも将軍を担ぎ続けるのか。伊庭八郎は、後者を選んだ。
武士の悲哀とでも言おうか。労咳(結核)を患いながらも懸命に戦おうとするその姿には、悲壮感も漂う。しかし、仮に彼の腕が凡庸であったなら、ここまで剣の道に執着することはなかっただろう。腕が立てば目立つ。目立てば周囲が騒ぎ出す。好むと好まざると、大きくなった周囲の流れには逆らえない。自身の思惑もあったのかも知れないが、要はこのサイクルに巻き込まれた形だ。今となっては、彼の本心をうかがう術はない。
とかく幕末は物語の舞台になるが、実在の人物を中心に据える場合でも、こうした“一武士”が取り上げられることは少ない。武士として武士らしく生き抜いた一人の美剣士・伊庭八郎。彼の生き様を、ただただ静観する。







