- 出版社:マガジンハウス
- サイズ:20cm/200p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-8387-1650-8
男は敵、女はもっと敵
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- 税込価格:1,575円(45pt)
- 発行年月:2006.2
- 発送可能日:1~3日
- 本
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商品説明- 「男は敵、女はもっと敵」
才色兼備でAクラスの女、高坂藍子36歳。元夫、不倫相手、さらにその妻にその息子…。台風の目のようなひとりの女と、彼女をめぐる普通すぎる人々を描く、ちょっぴり哀しく、おもしろオカシイ6つの連作小説。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧- 「男は敵、女はもっと敵」
| 敵の女 | 5-35 | |
|---|---|---|
| Aクラスの女 | 37-68 | |
| 本気の女 | 69-100 |
著者紹介- 「男は敵、女はもっと敵」
山本 幸久
- 略歴
- 〈山本幸久〉1966年東京生まれ。2003年「笑う招き猫」で小説すばる新人賞を受賞。著書に「はなうた日和」「凸凹デイズ」など。
ユーザーレビュー- 「男は敵、女はもっと敵」
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/11/08 20:10
強い女は生き残り、不倫男は死滅する(?)
投稿者:かつき(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
山本幸久の書く小説の幅の広さを感じました。いつもはほのぼの系なんですが、これは仕事を持つ女性向き。
高坂(こうさか)藍子36歳。バツイチ。フリーの映画宣伝ウーマン。身長170cm。美人。
彼女がバツイチになった理由や、独身時代の不倫相手を振るかっこよさ、絶対に仕事で手を抜かない一本気を、1編ごとに彼女だけでなく、彼女を取り巻く人々の視点で語る、凝ったプロットで読ませます。
話の締めくくりの小さなオチは山本幸久のお家芸なので、本書でも楽しめますが、全体的にはユーモア口調は控えめ。そのぶん、他者の視点や思惑、人間観察が楽しめます。
「敵の女」
藍子本人が語り手。藍子は東京・大阪単館2週間上映のサバイバル映画の宣伝で、ミリタリーフェスティバルにブースを借りる。そこでナチの軍服に身を包み、映画の前売り券を買ってくれた人に写真撮影をサービス。そこへ妹、元不倫相手、義弟が次々と現れる。
「Aクラスの女」
真紀は3年つきあって湯川卓と結婚したが、その間、ブランクが半年ある。彼が高坂藍子と結婚したからだ。彼は私より彼女を選んだ。彼女が憎いけれど、どうしても彼女の笑顔しか思い浮かばない。
「本気の女」
八重は良太を連れて、西村と別れた。西村は結婚生活15年の間に、知っているだけでも6回浮気した。別れて正解。良太の手がかからなくなり始めた仕事も順調。部下もかわいい。でもなぜか、元亭主は別れてからのほうがまとわりつく。
「都合のいい女」
吾妻は映画配給会社に勤めている。別れたい彼女がいるが言い出せない。仕事はまあまあ。仕事を一緒にしただけだが、小さな映画の宣伝にナチのコスプレまでしてしまう高坂藍子が気になる。しかも彼女はなぜか別れた亭主・卓に、仕事を回すように気を使うのだ。卓は広告デザイナーなので、こちらとも仕事をすることもある。
「昔の女」
西村は映画配給会社の宗方から、若い吾妻が藍子に惚れているのを聞かされて、ムッとする。彼女と住むためにマンションを買い、離婚をしたのに振られたのが解せない。しかも上等の男にしようと思ってあれこれ連れ歩いている息子にまで相手にされなくなってきている。
「不敵の女」
藍子は世田谷映画祭の手伝いで受付ブースに座っていた。そこへ専業主婦の妹の麻衣子がやってきて離婚したという。また吾妻はなぜか、業界の連中がどこの試写室で死ぬかを賭けている、90歳を越している映画評論家と現れる。さらに西村の息子・良太がやってくる。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/06/01 22:08
ハードボイルドな女
投稿者:ナカムラマサル(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
働く独身女の悲喜こもごもの日々を描いた連作短編集。
ヒロインは高坂藍子36歳。第一章でこの女の境遇があらかた説明される。1年前に湯川宅という冴えない40男と結婚。半年前に離婚。結婚前から付き合っていた大手広告代理店部長で妻子持ちの西村とも離婚と同時に別れた。
次の章からは、湯川の恋人や西村の前妻や藍子の仕事相手や西村が主人公になり、ちょっと惨めな彼らのちょっとした幸せが描かれている。面白いのは、高飛車で気の強い藍子が、不思議なことに彼らの目を通すと実に魅力的な女性に思えてくることだ。こういった女を書かせたら山本幸久は本当にうまい。
女が一人で生きていく悲哀を感じさせる終わり方にはハードボイルドな匂いさえ感じた。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/09/08 22:40
作者にとっては新境地開拓の作品なのであろうが・・・
投稿者:トラキチ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
マガジンハウスの月刊文芸雑誌“ウフ”に連載していたものをベースに単行本化した連作短編集。
正直言って、傑作と言って良いであろう『凸凹デイズ』を読んだあとすぐに手にしたので読み終えるのが辛かったのは事実。
こういった少し男女間のドロドロな部分をコメディタッチ兼ユーモラスに書けるのは吉田修一さんか平安寿子さんに任せておいたほうがよかったかもしれないなと思う。
山本さんが描くと吉田さんほどサラッとお洒落に書けないし、平さんほど毒がない。
平凡な作品に終始してしまう。
他作と比べるとどうしても全体的なまとまりにも欠け、読後感もすっきりしないのである。
物語は36歳でフリーの映画宣伝ウーマンである高坂藍子が主人公。
藍子は美人ながら離婚して半年で、現在オトコはいない。
彼女を中心にいわば彼女の影響で人生を翻弄される男たちと、さらにその男たちの妻や恋人たちの実態を描いている。
出版社のイメージからして私が想像するに、作者は藍子をカッコいい女性として描きたかったのであろうが、少し不完全燃焼のような気がする。
私はどうしても藍子自身に不幸感を見出さずにいられなかったのである。
少し否定的に書いたが、キラリと光る部分もある。
終盤に不倫相手だった西村の息子の良太が藍子に会いに来るシーン。
これはちょっとドキドキそしてかなりジーンと来ましたね。
西村のだらしなさを少し嘆きつつも、良太君にエールを贈らずにはいられなかったのである。
ここからは少し飛躍した意見かもしれませんがご容赦を・・・
タイトルの『男は敵、女はもっと敵』を私は『男の敵、女のもっと敵』と読み替えています(笑)
そう、主人公藍子のことですね。
意外と上手くまとまるような気がしませんか?
少し手厳しい感想となりましたが、これは山本さんへの大きな期待の表れであるとご理解願いたい。
活字中毒日記







