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大阪ハムレット 1 (ACTION COMICS)

  • 出版社:双葉社
  • サイズ:21cm/150p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-575-94010-0

大阪ハムレット 1 (ACTION COMICS)

森下 裕美 (著)

  • 全体の評価 4.53件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:70020pt
  • 発行年月:2006.6
  • 発送可能日:7~21日
  • コミック

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商品説明- 「大阪ハムレット 1 (ACTION COMICS)」

【文化庁メディア芸術祭(第10回)】【手塚治虫文化賞(第11回)】【「TRC MARC」の商品解説】

ユーザーレビュー- 「大阪ハムレット 1 (ACTION COMICS)」

全体の評価
4.5
評価内訳 全て(3件)
★★★★★(1件)
★★★★☆(2件)
★★★☆☆(0件)
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5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/01/21 23:05

自分、そして世間とのせめぎあいの中で

投稿者:まむ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

このマンガは、自分とのせめぎあい、世間、社会とのせめぎあいを描いた作品である。

 こうでなくてはならない、ああでなくてはならないといった規範とのずれ、「ふつう」を求める「社会」とのずれの中で、人がいかに生きていくか、いかに生きるべきかを考えさせられる。何気ない日常の中で、いかに生きていくか、何に重きをおいて生きていくべきか、そういったことを真正面から描いた作品である。

 作品は、短編の集まりではあるが、ひとつひとつがそれぞれに深みを持ち、生き生きと描かれている。短編集ではあるが、大阪が舞台となり、登場人物がリンクしたりしていて、全体としても楽しめる作品だ。

 内容を書くとネタばれになってしまうので、あえて書かないが、社会(他人)と自分との関わりを極端なテーマかもしれないが、身近な日常の中におき、抽出している点がすぐれている。いろいろなことを考えさせられる。好き嫌いは別れるだろうが、私は好きなマンガだ。

 周りの目、他人の目、または自分の目から自分を見たときに、どう見えるのかということを問うている。マンガの短編集という形式をとっているが、人間社会を根本から考えさせるという意味において社会学であり、哲学である。

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6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/06/19 14:57

やはり森下さん、ストーリーものが楽しい

投稿者:松井高志(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 森下裕美さんは毎日新聞夕刊に「ウチの場合は」を連載中で、連日愛読しているのだが、(それゆえに)そっちの単行本は買わない。彼女は普通4コマ作家だと思われているが、82年頃「週刊少年ジャンプ」にデビューしたときの作品はストーリーものだった。実は、昔出ていた「恋人のいる街」(河出書房新社・パーソナルコミックス)のようなゆるいストーリーマンガがいいのである。でもこの短編集(全6編)はゆるくない。いってみればきっちり作られた上方人情噺集である。
 余談だが、上方の女性のファッション観は首都圏のそれと違っている。「気合」の欠けているシンプルなだけの服を着てもおしゃれにはならない、毒にも薬にもならない服を着ても意味がない、という生活哲学があって、それはこの短編集の「乙女の祈り」などにはっきり表われている。青木光恵さんもそんなことを描いていたような記憶がある。そんな意味でも面白かった。
 各編で人物がリンクしているのも4コマ風の仕掛けで楽しい。

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/01/10 09:06

しんどい人生とキボウのカケラ

投稿者:cuba-l(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は大阪を舞台に市井の人々の哀歓を描いた連作短編集であるが、大阪ならずともどこの世の中にもありふれた、でも直面する各人にとっては深刻なそれぞれの人生の苦衷と向き合う小物語集である。
 
登場人物はデザイン化・簡略化されたどちらかというとかつての著作「少年アシベ」や「ここだけの二人!」を思わせるような一見コメディー調の線で描かれているのだが、表情やポーズは実に計算されたものだ。

たとえば第4話・5話にあたる「恋愛」の中では、ラブストーリーにつき物の二人の障害は年齢差(マー君15才由加23才)に加えて彼女が恋人の男性に父性を求めていることであるけれど、そんな特殊事情を別にしてもデートで彼女がマー君をひとり待つ場面での、うつむいて立つ心細げな表情がいい。
恋愛はときめく幸福な高揚感だけで成り立っているわけではなく、浮き立つような気持ちに絡みつく焦燥や深い不安の渾然体こそが妖しくも解き難い恋愛の本性であろうが、本書の絵はこうした複雑な思いを一見単純な線で見事に表して、読み手の心まで確かに届けるのである。
 
話自体はどれもありふれた風俗小説のようでありながら、ここに本書が表現手段として漫画であることに納得する完成度がある。 

なお本書のタイトルの大阪ハムレットとは、父親が早逝した後、叔父が母の結婚相手としてやってくることになった不良少年の戸惑いを描いた第一話のタイトルそのままである。 

シェークスピアの元祖ハムレットは理不尽な人生の悩みに振り回される救いのない悲劇だけれど、人はそこに人生の真実の一面を見るからこそ今もって読み継がれる名作ということになっているらしい。とすれば筋書きのない人生に振り回され、生きることに悩むすべての話の登場人物が、皆ハムレットに通じる理不尽な人生の真理を懸命に演じているようでもある。
  
ただし元祖のハムレットとは異なり、本書ではどの話も最後にほのかな希望と救いを感じさせるラストが用意されていて、すっきりとした読後感の作品集に仕上がっている。
 
  

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