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紙の本
夜の言葉 ファンタジー・SF論 (岩波現代文庫 文芸)
著者 アーシュラ・K.ル=グウィン (著),山田 和子 (ほか訳)
「人間は昼の光のなかで生きていると思いがちなものですが、世界の半分は常に闇のなかにあり、そしてファンタジーは詩と同様、夜の言葉を語るものなのです」意識下の闇の世界を旅して...
夜の言葉 ファンタジー・SF論 (岩波現代文庫 文芸)
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商品説明
「人間は昼の光のなかで生きていると思いがちなものですが、世界の半分は常に闇のなかにあり、そしてファンタジーは詩と同様、夜の言葉を語るものなのです」意識下の闇の世界を旅して発見した夢の素材を言語化する—。『ゲド戦記』『闇の左手』の作者が、自らの創作の秘密を語りながら、ファンタジーとサイエンス・フィクションの本質に鋭く迫ったエッセイ集。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
名作の裏側を知るために、、、
2006/07/25 23:40
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は小説ではなく評論集です。
ル=グィン女史のエッセイや講演などをまとめています。
総じて彼女の小説は少なからず難解です。
これは文体、展開、設定などが複雑なためではなく、物語がどこへ向かっているのか?
結末にどんな意味があるのか?など作者の意図に奥行きがありそうな気持ちに
させられるから、と思います。
彼女の小説は冷静な作者の視線と切れ味の鋭い論理で物語が展開していく傾向が
多いように感じます。
しかし、裏返して考えると作者が何をどのように考えるのか?どんな人間なのか?
を知ることによって小説を楽しむ時のヒントになります。
彼女はどんな人間なのか?肩書きの類ならすぐにでも調べられるでしょう。
1949年アメリカ西海岸生まれ、ラドクリフ大、コロンビア大で
中世ヨーロッパ文学を学ぶ、など、、、。
私は人間の本質は考え方、思考方法にあると考えます。
ル=グィン女史が、どんな考え方をするのか?
作品を書く時、どう考えていたのか?などを本書で自ら分析し、論じています。
これは作家にとって辛い作業だったのではないでしょうか。
作家にとって作品は自分自身の反映かもしれません。
これを自ら分析することは自分の心、存在の意味をさらけ出すことであり、
論じることは自分自身を肯定するなり否定するなり評価する行為でしょうから。
しかし、それによって私は彼女をいくらかなりと理解し、作品を読んでいく時の
支えになったように感じます。
本書に綴られた彼女の読書体験、著述に関すること、女性に対する壁のこと、
芸術に関すること、私生活、様々な内容が作品を読む時のヒントになることでしょう。
また、創作に挑む人たちのヒントにもなるでしょうし、
女性としての生き方のヒントにもなるかもしれませんし、
男性の生き方のヒント(というか反省点)になるかもしれません。
残念なのは各章の題名から内容が創造できないことや初出年しか表記されて
いないことです。
どんな状況で書かれたのか?も知りたいのですが、、、。
1985年サンリオから出版されていましたが、1992年に岩波書店から
改訂、新編集版が出ています。
個人的には「ゲド戦記」がアニメ化され監督など関係者からのコメントが
ル=グィン女史の分析とひどく違うのが気になっています。
関係者が使う「世界観」は彼女の使う「世界観」という言葉の使い方や意味と
大変違っていて、、、。
「戦うおばさん」ル=グィン女史がアニメを見て、どんな見解をして行動するのか、
気になりますねぇ、、、。