わらの女 新版 (創元推理文庫)
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- 税込価格:840円(24pt)
- 発行年月:2006.6
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商品説明- 「わらの女 新版」
翻訳の仕事をする知的で打算的なドイツ人女性ヒルデガルデ、34歳独身。彼女が見つけた新聞の求縁広告は“莫大ナ資産アリ。ナルベクはんぶるく出身ノ未婚ノ方、家族係累ナク…”というものだった。こうしてすべてが始まった。そして彼女は億万長者の妻の座に。しかしそこには思いも寄らぬ罠が待ち受けていた。精確無比に組み立てられた完全犯罪。ミステリ史上に燦然と輝く傑作。【「BOOK」データベースの商品解説】
ユーザーレビュー- 「わらの女 新版」
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2010/02/27 04:38
こんな結末だったっけ?!
投稿者:コーチャン(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争で家族を失った女性、ヒルデガルデは、新聞の求縁広告で玉の輿を探す日々を送っていた。そのような広告を通じて知り合った男アントン・コルフ。彼女は彼と共謀して、億万長者カール・リッチモンドの妻になる計画を立てる。やがて目的は達せられ、彼女は彼と結婚するが...。
古典的ミステリー小説『わらの女』の原作を私は読んだことがなかったが、ショーン・コネリー主演の映画、あるいは昔のNHKドラマを通じて、そのストーリーは知っているつもりだった。だから、さしたる興味もなく本屋でこの本を手に取り最後の数ページに目を通したとき、おやっと思った。結末が違うぞ!
かくして、腰をすえて原作を始めから読んだ私は、その後味の悪い結末に愕然とすることとなった。巻末の解説には、この結末ゆえに本国フランスではどこの出版社も扱ってくれず、スイスで初版が発売されたと書かれている。なるほど悲劇的結末を好むフランス人にさえも、このエンディングは耐えられなかったのだろう。
登場人物のドロドロした欲望ばかりが目立つ作品だが、美しくロマンチックな部分もある。打算的でクールな女主人公ヒルデガルデと、人間性を失ったかに見える富豪のリッチモンド、この二人の心の奥底にあるやさしさがそれである。彼らが結びついたのも、政略というよりも互いの美点を理解したからではという気がする。陰謀の立案者アントン・コルフは、ヒルデガルデが人格の高潔さゆえにとった行動にすべての計画が狂わされそうな焦りを覚えた。そんな彼の焦りを救ったのが、リッチモンドの彼女への求婚であったわけだが、それも彼女の性格に惹かれたリッチモンドのやさしさがなせる技であった。こう考えてゆくと、人間らしさをもった人々がその人間らしさゆえに破滅を強いられる、という実にやるせない物語だという気がする。そんなところも、この作品の陰欝さを増しているといえよう。







